【今年完結した名作漫画】堂々完結!『東京卍リベンジャーズ』が人々を魅了したワケ | FRIDAYデジタル

【今年完結した名作漫画】堂々完結!『東京卍リベンジャーズ』が人々を魅了したワケ

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〈今年完結を迎えた大ヒット漫画を振り返る短期集中連載。平成から令和にかけて時代を超えて愛された漫画の中から、「スポーツ」「アクション」「ファンタジー」「恋愛」「日常系」のそれぞれのジャンルにおいて、厳選した名作漫画をお届けする〉

「週刊少年マガジン」で2017年3月から2022年11月まで連載された『東京卍リベンジャーズ』(作者・和久井健)。既刊30巻の累計発行部数は7000万部を突破し、2023年1月17日には最終第31巻を含めた関連書籍7冊が同時発売予定だ。

『東京卍リベンジャーズ』1巻書影 ©和久井健/講談社
『東京卍リベンジャーズ』1巻書影 ©和久井健/講談社

主人公・花垣タケミチは26歳の冴えないフリーター。ある日、元彼女の橘ヒナタ(ヒナ)が悪党連合“東京卍會”(東卍/トーマン)に殺されたことをニュースで知る。そんな折、何者かによって電車のホームに突き落とされたタケミチは、突如として12年前の中学時代へと時間跳躍(タイムリープ)してしまう。

ヒナの弟・ナオトとの握手がきっかけで現在へと戻ると、なんとヒナと共に死亡したはずのナオトが生存していた。タイムリープによって未来が変わったのだ。刑事になっていたナオトは、過去を変えて姉を救いたいとタケミチに協力を求める。ヒナを救うため、そして逃げ続けてきた自分の人生を変えるため、タケミチは東京卍會に立ち向かっていく――。

中学生時代、東京卍會(トーマン)の言いなりだったタケミチ。しかし「オレが変わらないと何も変えれない」と覚悟を決め、ヒナを救うために立ち向かう……!/『東京卍リベンジャーズ』1巻より ©和久井健/講談社
中学生時代、東京卍會(トーマン)の言いなりだったタケミチ。しかし「オレが変わらないと何も変えれない」と覚悟を決め、ヒナを救うために立ち向かう……!/『東京卍リベンジャーズ』1巻より ©和久井健/講談社

社会現象と言える一大ブームを巻き起こした“東リベ”こと『東京卍リベンジャーズ』。2021年4月には待望のアニメ化。続く7月に北村匠、吉沢亮、山田裕貴、間宮祥太朗ら豪華俳優陣を迎えた実写映画が公開され、キャストたちのハマりっぷりと熱演が評判を呼んだ(※アニメ、映画の名称は『東京リベンジャーズ』)。

5年半の連載を経て堂々の完結を迎えた同作だが、2023年1月からはアニメ二期にあたる「聖夜決戦編」が放送予定で、完結後もまだまだ勢いは止まらない。

王道と斬新がミックスされた、新時代のヤンキー漫画

『BE-BOP-HIGHSCHOOL』『ろくでなしBLUES』『クローズ』など、ヤンチャな不良たちの喧嘩や友情、青春を熱く描いた漫画。東リベはそんな「ヤンキー漫画」の王道といえる熱いストーリーに、「タイムリープ」で過去改変を行うというSF要素が絡んでくるのが大きな特徴だ。

ヒナを救うため、協力し合うナオトとタケミチ。「12年前の今日に飛ぶ」という自身の能力を使い、タケミチは現在と過去(中学時代)を行き来する/『東京卍リベンジャーズ』1巻より ©和久井健/講談社
ヒナを救うため、協力し合うナオトとタケミチ。「12年前の今日に飛ぶ」という自身の能力を使い、タケミチは現在と過去(中学時代)を行き来する/『東京卍リベンジャーズ』1巻より ©和久井健/講談社

どうすればヒナの死を回避できるのか? 東京卍會のトップ・佐野万次郎(マイキー)が別人のようになってしまったのはなぜなのか? 12年前と現在を行き来しながら、未来を変える鍵となる人物や事件を探り、自ら体を張って過去を変えようとするタケミチ。タイムリープを行うたびに二転三転する現在の世界と、謎が謎を呼ぶ展開が考察意欲を刺激し、読者の心を惹きつけ続けた。

また、個性的なキャラクターたちも見どころのひとつ。喧嘩が弱いのに、好きな女の子を守るため何度でも諦めず立ち向かっていく主人公・タケミチをはじめ、カリスマ性あふれるマイキー、兄貴肌で頼れるドラケン、冷静だけど情に厚い千冬……魅力的なキャラクターを挙げればキリがない。

「今って不良がダセーって言われる時代だろ?」というマイキーの問いかけから始まる、1巻の印象的なシーン。兄貴たちの世代への「憧れ」と、青臭い「野望」が詰まった、静かだが熱い場面だ/『東京卍リベンジャーズ』1巻より ©和久井健/講談社
「今って不良がダセーって言われる時代だろ?」というマイキーの問いかけから始まる、1巻の印象的なシーン。兄貴たちの世代への「憧れ」と、青臭い「野望」が詰まった、静かだが熱い場面だ/『東京卍リベンジャーズ』1巻より ©和久井健/講談社

不良が主人公の漫画というと男性読者が好みそうな題材にも思えるが、東リベが女性読者からも多くの支持を得たのは、作者の和久井氏のセンスが遺憾なく発揮されたそのスタイリッシュなキャラクターデザインに寄るところも大きいだろう。

もちろん、内面の描き方も読者の心を揺さぶるものになっている。連載デビュー作である『新宿スワン』の頃から、人の心の綺麗な面だけでなく闇の部分にも深く切り込み、藻掻きながらも光を目指す人々を描いてきた和久井氏。マイキーの抱える「黒い衝動」や、キサキの執着、場地の覚悟、イザナと鶴蝶が目指したもの――。それぞれの背負ってきた過去や、譲れない思いが交錯し、激突するストーリーは、令和風に言えば“エモい”の一言である。

ヤンキー漫画という枠にとどまらず、少年漫画の新たな地平を切り開いた『東京卍リベンジャーズ』。男女問わず一度は読んでもらいたい作品だ。

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