【令和に読まれた漫画記事トップ3】ドラマ化もされた『ホームルーム』が描く「愛情と執着」狂気の世界
〈激動の2022年を終えて、令和も5年目に入った。この4年間に FRIDAYデジタルで配信された漫画関連の記事は150本以上。その中でも特に人気の高かった上位3つの記事を改めて振り返りたい〉

第3位に輝いたのは、山田裕貴(32)主演でドラマ化され話題を呼んだ『ホームルーム』だ。イケメン俳優として人気の高かった山田が、演技の約4割を全裸で演じきったことで大反響を集め、Twitterではたびたびトレンド入りするなどカルト的な人気を誇った。放送直後の『TVer』視聴ランキングでは、『テセウスの船』(TBS系)や『恋は続くよどこまでも』(TBS系)など当時の国民的ドラマを抑え、1位を獲得したのだ。
ヒロインは真面目で巨乳の女子高生・幸子。彼女はクラスメイトの何者かに日常的に“イジメ”を受けている。そんないじめられっ子の彼女を救うのは、爽やかなイケメン教師、ラブリンこと愛田先生。幸子は困ったらすぐに駆けつけてくれるラブリンを“ナポレオン”に重ね合わせて、強い憧れと恋心を抱いていた。

しかし、教師と生徒の純愛を描いた学園モノっぽい展開は、わずか冒頭数ページで崩れ去ってしまう。実はラブリンがイジメの実行犯であることが明かされ、物語は急展開を迎えるのだ。そして、さらに読み進めていくと、新たな異常者たちが続々と現れる。それは悲劇のヒロインであったはずの幸子も例外ではない……。
新進気鋭の漫画家・千代氏の紡ぐ本作は、なぜこれほどまでに人々を惹きつけるのだろうか。その秘密は、漫画のセオリーや、読者の予測・期待をことごとく裏切るストーリー展開にあると考えられる。また、1話ごとの終わらせ方も秀逸だ。今までの流れをひっくり返す急展開、もしくは何かしらの企みが明かされたところで1話が終わる。読者は、ついつい次の話を読み進めたくなってしまうのだ。作中のラブリンにも負けないくらい、綿密に計算された構成が輝く傑作と言えるだろう。
『ホームルーム』は全8巻が発売中。ぜひこの機会に読み始めてみてはいかがだろうか。