<figure id="attachment_288484" aria-describedby="caption-attachment-288484" style="width: 2016px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="24244898"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/IMG_2311.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-288484" class="wp-caption-text">店に入るとパネルに映ったアバターがお出迎え</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「子どもたちは、遊び相手としても楽しんでくれますよ。ジャンケンをしたりしてね。私と勝負しましょうか。最初はグー、ジャンケンポン！」</span></p>
<p>あっさり負けた本誌記者。ジャンケンの相手は、大型のパネルに映し出された若い女性のアバターだ。実際の顔は見えないが、スタッフが遠距離からアバターを通じてフレンドリーに話しかけてくれるのだ。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>記者が訪れたのは、東京・北大塚にある「グリーンローソン」。コンビニ大手「ローソン」が実験的に開店した近未来型の店舗である。同社・事業開発部部長の吉田泰治氏が説明する。</p>
<p><span class="strongInContent">「新しい形態の店舗です。食品ロスやプラスチックゴミ削減による環境問題改善や、アバターでの制約のない働き方の実現、お客様との温かいコミュニケーションなどを念頭に置いています。北大塚の店がオープンしたのは22年11月で、『グリーンローソン』の１号店になる。まだ検証段階ですが、サービスに順次改良を加え25年までに全国へ店舗を増やす予定です」</span></p>
<h2>食品廃棄代は半分以下に</h2>
<figure id="attachment_288485" aria-describedby="caption-attachment-288485" style="width: 1512px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="33bd96f3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/IMG_2324-rotated.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-288485" class="wp-caption-text">事業開発部の只野ひとみさんが冷凍弁当を紹介</figcaption></figure>
<p>「グリーンローソン」は、従来のコンビニとはサービスがガラリと違う。主に、以下のような施策をとり入れているのだ。</p>
<p>・食品ロスやプラスチック削減のため、「常温弁当」でなく「冷凍弁当」や店内厨房で作る料理を採用→消費期限が長くなり必要な分だけを調理できるというメリットが。</p>
<p>・アバターの導入→育児や身体的ハンディキャップなどリアル勤務に支障がある人でも、好きな時間に遠隔で働ける。</p>
<p>・扉つき冷蔵ショーケースの設置→冷気漏れを改善し大幅な省エネに……etc。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>店内に足を踏み入れると、従来のコンビニより広々とした印象を受ける。前出の吉田氏が説明する。</p>
<p><span class="strongInContent">「通路の幅は1.5m以上とり、売り場スペースは従来店の1.5倍ほどの広さがあるのでお客様には余裕を感じていただけると思います。冷凍弁当は『鶏てり焼き重』など７種類を用意し、値段は500円前後とお得です。常温弁当をやめたことで食品廃棄代は半分以下に。扉つきショーケースの導入で、電気代が３～４割カットできると考えています」</span></p>
<p>店内にいるリアルスタッフは、主に厨房を担当する２名ほど。セルフレジのサポートなどはアバターが対応する。アバターを通じて働く、40代の女性スタッフに話を聞いた。</p>
<p><span class="strongInContent">「私は兵庫県の淡路島から遠隔で働いています。当初、特に高齢者には『アバターがしゃべってサービスする』という認識を持っていただけない方もいました。今はお客様も慣れ、大きなトラブルはありません。たまに音声の不具合が起きるぐらいでしょうか。子どもたちはアバターを、自由に話すキャラクターとして楽しんでいるようです」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="改善すべき課題とはーー"></div>
<figure id="attachment_288486" aria-describedby="caption-attachment-288486" style="width: 2016px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="98935522"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/IMG_2328.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-288486" class="wp-caption-text">アバターはジャンケンにも応じてくれる</figcaption></figure>
<p>良いことばかりではない。</p>
<p>セルフレジやアバターがメインのため、防犯対策が万全とはいえないのだ。酒やタバコは、運転免許証を提示しないと購入できない。セルフレジを面倒だと感じる高齢者もいるだろう。「グリーンローソン」が、収益をコンスタントに出すビジネスモデルとして成立するかは未知数といえるのだ。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>経済ジャーナリストの松崎隆司氏が解説する。</p>
<p><span class="strongInContent">「『グリーンローソン』には、コンビニ業界が抱える問題を解消するという目的もあります。食品廃棄にかかる莫大な費用です。食品廃棄は各店舗のオーナー負担で、コンビニ業界の大きな課題でした。費用がかさみ、個々の店舗では利益が出づらい構造なんです。ここ数年コンビニ大手は多店舗化を進めていますが、負担を嫌いオーナーのなり手がなかなか見つかりませんでした。</span></p>
<p><span class="strongInContent">『グリーンローソン』は、この問題に一石投じたといえます。食品ロスの負担をオーナーに押しつけるのではなく、一緒に新しい店舗をつくろうというチャレンジです。ただセルフレジなど、無人化サービスは利用者の理解がなければ成立しません。客にどれだけ、メリットをアピールできるかがポイントでしょう」</span></p>
<p>店内で対応するのは、ジャンケンもしてくれるアバター……。あと数年もすれば、そんなコンビニが当たり前になるのかもしれない。</p>
<figure id="attachment_288488" aria-describedby="caption-attachment-288488" style="width: 2016px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="717c5478"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/IMG_2322.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-288488" class="wp-caption-text">ショーケースには冷気を逃さず電気代を抑えるための扉が</figcaption></figure>
<figure id="attachment_288489" aria-describedby="caption-attachment-288489" style="width: 2016px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4d50f0ba"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/IMG_2315.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-288489" class="wp-caption-text">QＲコードから店内で作る料理を注文できる</figcaption></figure>
<figure id="attachment_288490" aria-describedby="caption-attachment-288490" style="width: 1512px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="61ebeb80"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/IMG_2331-rotated.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-288490" class="wp-caption-text">男性のアバターも</figcaption></figure>
<figure id="attachment_288491" aria-describedby="caption-attachment-288491" style="width: 1512px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="53195732"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/IMG_2332-rotated.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-288491" class="wp-caption-text">店内の柱には「グリーンローソン」のコンセプトが</figcaption></figure>


山崎高資

コンビニ大手ローソンが近未来型店舗を実験的に開店している。アバターがセルフレジをサポートし弁当は常温でなく冷凍……。本誌記者が実際に体験してみた。実感したメリットとデメリットをホンネで紹介！

店員は淡路島から遠隔で、電気代４割カット…最先端の近未来コンビニ「キュートなアバター」接客写真

Photo Gallery全7枚

あなたへのオススメ

関連記事