実録!「財務省スキャンダル」

超セクハラ次官に文書改竄…… 「官僚の中の官僚」堕落の歴史を紐解く

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歌舞伎町のノーパンしゃぶしゃぶに始まり、向島の料亭での買春接待、果ては彗星の如く現れた”超セクハラ次官”まで――。「官庁の中の官庁」は、下半身スキャンダルにまみれてきた。封印された”堕落の歴史”をいま解き明かす。

「ここの地下に”あの店”が入っていたことは知っていますよ。お客さんから聞きました。ここで5年ほど店をやっていますが、時々、お客さんからその話は出ます。ただ、行ったことがあるというお客さんに会ったことはないですね。もう20年も前の話でしょう。自分もまだ小学生でしたし、その頃、店で遊んでいたお客さんは結構な年になってますよね。それに、いまはこのあたりに風俗店がまったくないから、そういうのが好きなお客さんはもうこのあたりには来ないでしょう」(飲食店の店長)

新宿・歌舞伎町の旧コマ劇の西側にある、雑居ビル。西武新宿駅から徒歩1分ほどの場所にある、この6階建てのビルには、現在、さまざまなテナントが入っている。コンビニを始め、2軒のセクキャバ、少し前までは「ぼったくり居酒屋」とウワサされた店も入っていたといい、いかにも歌舞伎町といった店が揃っている。

そんなビルの屋上部分にひっそりと「ローラン」と書かれた看板が残っている。このビルの地下には、かつて旧大蔵省の官僚たちが夜な夜な通った「ノーパンしゃぶしゃぶ」店、『楼蘭』があった――。

今年3月、財務省が学校法人『森友学園』との間での交渉・契約に関する14件の決裁文書で、約290ヵ所の改竄(かいざん)を行っていたという衝撃の事実が発覚した。決裁文書からは、安倍晋三総理(63)を始めとする多くの政治家の名前が削除されていた。なかでも、妻の昭恵夫人(55)は名前はもちろん、彼女が「いい土地ですから、前に進めてください」と籠池泰典氏(65)に語ったというくだりも、彼女が学園の教育方針に感涙したことなども削除されていた。3月7日に、財務省の近畿財務局の職員だったAさん(50代)が自殺していたことも明らかになった。Aさんは’16年の森友学園への国有地売却の際、上席国有財産管理官として交渉、契約に携わっていたと見られている。自宅からは「文書の書き換えを命じられた」という趣旨のメモが見つかったとも報じられた。

「私がAから『心療内科に通い出した』と聞いたのは、’17年8月のことです。年末にも、『まだ体調は良くないけど、年明けから仕事に復帰しようかなと思っているんだ』と話していました。無理はしないほうがいいんじゃないかと思ったんですが……。彼は真面目で、途中で物事を投げ出すことのないタイプの人間でした。今回はそれが裏目に出てしまったのではないかと思います。死人に口なしではなく、すべての事実を明らかにしてほしい」(Aさんの親族の一人)

自殺者まで出てしまった文書改竄事件は、いまだ収束する気配を見せない。それ以降も、財務省のスキャンダルが次々と明るみに出ている。

しかし、この「官僚の中の官僚」と自他ともに認めるエリート軍団の腐敗はいまに始まったことではない。彼らがこれまでどんな破廉恥な行為をやってきたのか。その堕落の歴史を、振り返っていこう。

ノーパンしゃぶしゃぶ店『楼蘭』があったビル。上の方に「ローラン」と書かれた看板が残っている

楼蘭があった建物自体はそのまま。いまは、1階はコンビニエンスストアになっている

大蔵官僚を虜にした『楼蘭』

悪名高き「ノーパンしゃぶしゃぶ」接待が表沙汰になるキッカケとなったのが、’97年の証券会社による総会屋への利益供与事件だった。総会屋が証券会社の株を大量購入し、大株主の立場を利用して、不正取引を要求した――という事件なのだが、東京地検が捜査を進めると、なんと逮捕された総会屋の株購入資金の出所が第一勧業銀行(当時、現みずほ銀行)であることが判明した。第一勧銀が長年にわたって総会屋に460億円にのぼる巨額の不正融資を行っていたのだ。

第一勧銀への事情聴取を続けるなかで、銀行側が「MOF担」と呼ばれる大蔵省担当者を置いていたことがわかった。M O F とは 「Ministry ofFinance」(大蔵省)の略で、文字通り大蔵省の銀行担当者だ。彼らは大蔵省に張りついて動向を探り、情報入手に腐心していた。

「銀行側は、喉から手が出るほど金融検査の情報がほしい。当時はきわどい融資も少なくなかったので、予告なしで検査に入られるとバレる危険がある。少しでも早く金融検査の予定を知りたいわけです。新しい金融商品をスムーズに認可させるためにも、MOF担は大蔵官僚を接待する必要があった。一方、官僚側は接待の見返りとして、大手銀行の検査に手心を加え、便宜をはかった。MOF担は、大蔵官僚に対し、料亭や高級レストラン、高級クラブなどで接待を繰り返し、ノーパンしゃぶしゃぶに行き着いたのです」(当時取材していたジャーナリスト)

そんなMOF担たちに重用されたのがノーパンしゃぶしゃぶを始めとするワイセツな店だったのである。当時を知る関係者の証言や資料から、この店をふりかえっておこう。楼蘭は完全会員制。会員になるには、まず別の会員の紹介で来店、その会員と自分の名刺を提出しなくてはならないという念の入りようだった。楼蘭の外観はいたって地味で、「会員制 アダルト割烹」と書かれた文字も見落としてしまいそうなほど小さい。地下1階まで階段で下りると、受付には「入会金300万円、年会費30万円」の但し書きがあった。これは会員数が増えすぎないようにするためのこけおどしだったようだ。

エレベーターでさらに降りると、和風の引き戸式の自動ドアがある。その向こうにはカラフルな衣装を身にまとった女性たちが歩き回っていたという。右足は赤、左足は黒の網タイツという奇抜な服装だ。席に案内され、しばらくすると「シェフラー」と呼ばれる仲居のような女性がやってくる。彼女が料理の段取りから、実際の調理まですべてを取り仕切ってくれる。

「ご指名はどのコにされますか?」

そうシェフラーから尋ねられる。数十人の女性が在籍しており、グラマーなタイプが多かったという。しばらくすると女性が席にやってくるというシステムだ。当時の体験者が証言する。

「席は掘りごたつで、女性はヒラヒラのミニスカート姿。『パンツ脱がせて♡』と言われて、5000円のチップを渡すと、脱がせることができました。ウイスキーなどのボトルが上から逆さに吊り下げてあるが、これが肝で、水割りを頼むと女性が立ち上がってグラスについでくれる。こっちは掘りごたつに座っているから、女性のスカートの中をのぞけるというワケです。しかも、テーブルに仕込まれた通気孔から風が吹き出して、スカートをまくり上げる。スポットライトのサービスまであって、目と鼻の先で黒々としたヘアを拝めるというわけです」

破廉恥極まりないがこれで終わりではない。お触りは禁止だったというが、どんどん過激なサービスが続いていく。

「懐中電灯を借りてこたつにもぐると、彼女がこたつの中で脚を開いてくれる。立っているのをのぞくだけでは見られない部分も丸見えです。さらに、小型のカメラを借りて映すこともできる。テーブルの上のモニターに彼女のあそこがアップで映し出される。もうその頃になると恥も外聞もなく大騒ぎです」(同前)

サービスはもちろんだが、料理もバツグンだったという。肉は極上の松阪牛。しゃぶしゃぶ以外にも、手のひら大のフォアグラのバターソテー、鯛のお造り、コースの最後には水菓子としてマスクメロンが登場したという。料理はしゃぶしゃぶだけでなく、ステーキなどのコースもあった。酒はバーボンやスコッチ、『越乃寒梅』などの日本酒も用意されていた。

料金は食事にアルコールの飲み放題がついて、一人1万9980円。しかし、パンツを脱がせたり、懐中電灯を借りたり、こたつにもぐったりするたびにチップがいる。女性も、キャバクラのように頻繁に交代するから、その度にパンツを脱がせ、大股開きを頼み、どんどん料金がかさんでいく。結局、料金は一人あたり5万円を優に超えてしまう。

チップはその場で現金払いするのが普通だが、この店ではシェフラーが立て替えて、請求書に上乗せするシステムだったという。こうすれば、勘定が何万、何十万とふくらんでも、銀行側に一括請求できる。官僚たちはよだれをたらし、楽しむだけ楽しんで、勘定は銀行にツケ回しというわけだったのである。

当時の楼蘭の店内を撮影した写真。真ん中に座っている女性が「シェフラー」で、調理しているところ

事件後に流出した楼蘭の「顧客リスト」には、政治家や芸能人など錚々たる面々の名前もあった

向島での「料亭高官接待」

こうした「下半身接待」はなにもノーパンしゃぶしゃぶに限らない。同じ頃に報じられたのが東京・向島の料亭での接待だ。向島は隅田川をはさんで浅草の対岸にある。昔から東京の花街として知られ、政財官の大物たちが利用してきた。

「向島は赤坂などと違って、芸者にも下町らしい親しみやすさがあって、気取りがない。お座敷遊びは、『迷惑拳』『金比羅船々(こんぴらふねふね)』『投扇興(とうせんきよう)』『虎虎(とらとら)』『東八拳(とうはちけん)』『おまわりさん』など、様々なことができました。特に有名だったのは、『ボボ・ブラジル』という遊び。要はゲームで負けたらお酒を一気飲みしなくてはいけないというだけなんですが、かけ声が独特でした。腰を振りながら、『憧れの国、ブラジル』などのかけ声で一気飲みをする。とにかく酔いが回るんです。当時は、正式な芸者でも半玉(はんぎょく)でもない”かもめ”と呼ばれるアルバイトの女性たちが、カネさえ出せば、裸踊りでもきわどいエッチな遊びでも何でもやる。果てはそのものズバリもオッケーで、料亭にはそれ専用の個室もあった。なかには個室だけの店もあって、その手の好事家に好まれました」(事情通)

そして、大蔵官僚たちはここでもハメを外しまくり、乱痴気騒ぎにうつつを抜かした。向島の料亭での接待に行けたのは、省内でも課長以上の高官たちだったという。

「彼らはもう何でもやりたい放題です。胸に手を入れる、下半身に手を突っ込む。逆立ちさせて脚を持って拡げたり、裸にして柱に縛ってSMプレイをしたり、テーブルの上に寝かせて女体盛りをやって乳房やへその上に並べた刺身をつまんだり。あそこに浸して食べるなんてこともやっていましたね。衝立(ついたて)の陰で本番に及ぶことも普通にやっていました。かもめがホテルに直接、呼ばれることもありましたよ」(同前)

酒池肉林の狂宴で、売買春が日常的に行われていたというのだ。ここでも、普通はホテルに同伴すれば、女性はその場で直接客から代金をもらうものだが「かもめ」たちは置屋の女将からもらっていたという。そうすれば、まとめて銀行側に請求書を回せる。どこまでやっても官僚はタダなのである。

それにしても、大蔵省のキャリアといえば東大出身がメイン、MOF担も東大卒がほとんどだったという。そんなエリートたちがなんでこんな狂態を演じて嬉々としているのか。欲望に学歴は関係ないといえばそのとおりだが、そこには銀行側の深謀遠慮があったという。

「彼らエリートは『そういう店に行ってみたい』と思っていても、後ろめたい気持ちがあるわけです。そこで、嫌がるのを無理に誘うという形にする。そうして、一度店で一緒に破廉恥騒ぎをやれば、仲間意識が芽生えます。そんな遊びをやったことをおおっぴらにされてはまずいから、こちら側に借りができるわけです。そうなれば、我々の要求をある程度聞いてくれるようになる。そのうち向こうから『そろそろどうかね』と要求してきたり、仕事の話をしようとすると、『その話は夜聞こう』と言って、接待の場を設けるよう、ほのめかすようになる」(元銀行員)

大蔵省のたかり体質が過激化したキッカケのひとつは「S組」の存在だと言われている。’90年代半ばに次官を務めたS氏は「大物次官」と謳われた。大蔵省主計局長時代には「S組」が作られていた。S氏が目をかけた人間でインナーサークルを作り、独自の活動を展開したのである。

「S氏は予算を仕切る主計局の局長で絶大な権限を持っていた。しかも事務次官が確実視されていましたから、S組に入れば自分の出世が保証される。S組の面々は、まさに自分たちが天下を取ったようなつもりになって、遊興に走ったのです」(元経済部記者)

どうやって遊ぶ資金を作ったか。当時を知るジャーナリストが言う。

「S組が各省庁に声をかけて業界との対談をやらせるのです。たとえば通産省(当時)と自動車業界との対談、あるいは証券局と損害保険会社といった具合です。証券局は保険会社の許認可権限を持っているし、通産省は自動車業界の許認可権を持っている。その対談記録を本にして、対談に参加した企業に売りつける。それをS組が直接行うわけではなく、『R』という雑誌にやらせて、そのカネを自分たちにキックバックさせていました。遊びに行くときにRの人間が来て、彼らに勘定を支払わせていたのです。それで遊びまくっていました」

そんな彼らの体質はMOF担を始めとする人間たちに見抜かれ、「彼らはカネで動く」と接待攻勢を仕掛けられていったのである。

しかし、そんな狂乱の宴にも終わりがやってきた。東京地検が’97年に強制捜査に入り、翌年、大蔵省の官僚ら7名が逮捕、起訴された。幹部に対して停職、減給などの厳しい処分が下され112人の大量処分が行われた。当時の大蔵大臣と日銀総裁が引責辞任する事態にまで発展した。

銀行側にも逮捕者が出て、元会長の自殺まであった。楼蘭にも家宅捜索が入り、経営者や従業員の女性などが連行された。このとき、唯一逮捕されたキャリア官僚は、佐川宣寿前国税庁長官(60)や、片山さつき参院議員(58)の同期入省者。「魔の昭和57年組」の一人である。

しかし、捜査線上に上がっていた「大物」は逮捕されなかった。

「当時、検察のターゲットは大臣官房兼審議官で “10年に一人”の大物といわれ、事務次官レースのトップを走っていた人物。もし逮捕されれば、大蔵省の人事秩序が乱れてしまう。大蔵省と検察トップの話し合いが行われ、結局、彼は逮捕されず、逮捕されたのは若手だけ。竜頭蛇尾の結果となりました」(元政治部記者)

大蔵省は、若手の逮捕という痛手はこうむったものの、省内利益第一に、組織の要衝は守り切ったのである。

当時、大蔵官僚への接待に使用されていたという向島の料亭のひとつ

楼蘭に家宅捜索に入る東京地検特捜部の捜査員たち

大蔵省にも家宅捜索が入った。写真は大蔵省の「証券局総務課」に捜査員が入っていくところ

ノンキャリの集団強姦事件

ノーパンしゃぶしゃぶ事件が社会問題となってから時が経ち、大蔵官僚の下半身スキャンダルのほとぼりがやっと冷めたと、財務省が胸をなでおろしかけたころ、今度は主計局のエリートが集団レイプ事件を起こした。

事件があったのは’07年2月。寒空の中を全裸の女性がコンビニに飛び込んできた。「助けてください」と訴える女性を店員がバックヤードで保護し110番通報。犯人の男たちは逃げ去ったが、8ヵ月後に逮捕されたのが主計局係長、A氏(30代)と同局財務事務官、B氏(20代)の二人であったことが、世間を驚かせた。

事件のいきさつはこうだ。その日、午前1時頃、飲み会帰りの財務省の職員5人が、JR中野駅前で女性をナンパすることに衆議一決した。近くの店で買ったグレープフルーツをわざと転がして、拾ってくれた女性を誘うという算段だ。で、首尾よく罠にひっかかった被害者の女性に、「このへんでもっと飲める店はないですか」と声をかけ、近くの店に案内してもらうことに成功した。

女性も加わって6人で午前4時頃まで飲んだあと、今度は、「始発電車が走り出すまできみの部屋で休ませてほしい」と切り出した。彼女が了承したので、2人は帰り、3人が一人暮らしの彼女のマンションに上がり込んだ。うち1人はすぐに寝てしまったが、そこでまた飲み始めるうちに、1人が女性を羽交い締めにして服を脱がせ、2人で交代で乱暴したのである。女性はトイレに行くといってスキを見て逃げ出した。

「男たちは女性が逃げたことを知って、寝ていた男を起こし、自分たちも逃げましたが、仲間の一人が女性と携帯電話の番号を交換していたため足がついた。それから逮捕まで8ヵ月もかかったのは、女性が部屋に上げたことなど、微妙な問題を解決するためだったと思われます。逮捕後、部下のほうはすぐ、『先輩に命じられてやった。女性に申し訳ないことをした』と容疑を認めたが、係長は当初、セックスしたことは認めたものの『羽交い締めなどはしていない』と強姦容疑を否定していた。けれども最終的には認めて、集団強姦罪(現在は廃止)に問われたのです」(当時取材した記者)

彼らは女性と飲んでいるときに自分たちが財務省の職員であることを隠しており、最初から不純な動機があったことがうかがえる。部屋に入ると女性が気づかないうちにドアにチェーンをかけたことから、計画性があったとされた。財務省詰めの記者が言う。

「逮捕された二人は私立大学卒で都内の官舎住まい。結婚もしていた。財務省は官庁の中の官庁といわれるが、なかでも主計局は予算を配分する中枢。出世コースで、ノンキャリアでも優秀な人材しか配属されない。将来を嘱望されていたでしょうに、棒に振ってしまいましたね」

キャリアもノンキャリアも関係なく、このていたらく。エリート意識に固まった傲慢さが事件を起こさせるのだ。

辞任を発表した福田氏。写真は都内の自宅である一軒家から出てきたところ

元クロアチア大使のT氏。財務省の局長を経て、環境事務次官も経験した大物

財務省が報道各社に送った文書。セクハラ被害を受けた女性記者に名乗り出るよう求めた

庁舎内でのドロ沼不倫

こともあろうに、東京・霞が関の官庁街のど真ん中にある、合同庁舎内の「女性用休養室」で不倫していた財務官僚もいた。金融庁に出向中のキャリア官僚C氏で、相手は総務省の20代の独身女性キャリア官僚D氏だった。’10年に『サンデー毎日』が報じている。

C氏の妻は、このところ家に帰ってこなかったり休日も出勤する夫を不審に思い、パソコンのメールを開けてみた。すると、女性宛のこんなメールが残されていた。

〈僕が触ってD子(編集部注、不倫相手のこと)が気持ちよさそうにしてくれているのを見るだけで、僕は幸せだよ。D子の声もかわいくて、とっても好き。本当はせめてD子のずぼんがないとか、洋服の胸のあきが大きかったらよかったけど(笑)。(中略)今日昼だらだら寝たり起きたりしていたせいか、今晩はまだまだ起きているからいつでもメールちょうだい。夜中2時とかでもかまわないよ。気がつく限り必ず返事するから。がんばって――。僕の大好きなD子へ〉

こんなメールを見て、妻が黙っていられるわけがない。問い質すと、逆に罵倒され、首を絞められるなどのDVを受けた。

そこで、プロに調査を依頼したところ、女性は夜、C氏がいる金融庁にたびたび出入りしていた。時にはコンビニで食料を買い込んで持ち込んだこともあった。そして、ついに金融庁5階の女性用休養室で、C氏とD氏の二人が裸で寝ているのが確認されたという。『サンデー毎日』によれば、休養室は3畳ほどでソファベッドとテーブルが置いてあるが、ドアにカギはない。庁舎内のシャワーを使い、洗濯もしていたというから、なんとも大胆不敵である。

C氏は都内の中高一貫校から東大に進み、’99年に大蔵省に入省した。子供が一人いて’10年当時は2歳だった。

「二人の行動は周囲からも奇妙に思われていたようです。不倫相手の女性が、同僚と駅で別れたあと再び霞が関に戻り、深夜、コンビニ袋をぶら下げて金融庁の通用門から入っていく。二人が手をつないでいる姿や抱き合っているところを見た人もいるらしい。結局、C氏は妻に離婚届をつきつけ、承諾されないとわかると、官舎を出て行ったようです」(当時取材したフリーライター)

税金でまかなわれている官庁の建物内に寝泊まりして同棲生活を楽しむ。こんな非常識がまかり通るのが財務省なのか。

主計官と美人記者の不倫愛

不倫の相手は何も省内とは限らない。’07年1月に『週刊現代』が報じたのは、財務省の40代後半の男性官僚E氏と、朝日新聞発行の週刊誌編集部に所属していた40代前半の美人記者F氏の禁じられた関係だ。

E氏は東大法学部を卒業後、’83年に大蔵省に入省。「主計畑」を歩み、事件当時は主計官という役職だった。担当は文科省で、約5兆円の予算が彼の掌の上にあった。さらに、妻は元大物財務次官の娘。不倫が報じられる1ヵ月ほど前には、新聞社からインタビューを受け、

「主計官として私は文科省という連合艦隊の総司令官だという気持ちが必要ですね」

と答えている。自他ともに認めるピカピカのエリートだったのだ。一方のF氏は夕刊紙や週刊誌のスクープ記者として活躍後、’05 年に朝日新聞発行の週刊誌編集部に在籍していた。

「妻子がある身でありながら、EさんはFさんの部屋に入り浸っていたようです。当時、週刊現代の記者がEさんを直撃したところ、動揺したのか、卒倒してしまい救急車を呼ぶ騒ぎにまで発展しました」(前出・フリーライター)

卒倒後、しばらくして意識を回復したE氏は、

「彼女の取材に、友だちとしていろいろと協力したこともあるし、バックグラウンドを教えてあげたりしたことはあります」

と答え、F氏との不倫関係を否定していた。

“横滑り大使”もセクハラ

現地採用した20代のクロアチア人女性を、公用車の中で抱き寄せ強引にキス。さらに足を撫で回したり身体に触ったり――。こんな日本人セクハラ大使がいた。元駐クロアチア大使のT氏で、これまた財務省出身である。

T氏は東大法学部出身で’71年に大蔵省入省。主計局、国税局などを経て、財務省関税局長を最後に環境省に転任し、環境事務次官に上り詰めた。その後、’08年に退官し’09年にクロアチアの特命全権大使に任じられた。そんなエリートが、他国の若い無力な女性へセクハラするとは……。女性は当初、職を失うことを恐れて口をつぐんでいた。権力を笠に着てセクシャルハラスメントを行うとは最低の男である。

外務省は事実をつかみながら見て見ぬふりをしていたが、「在クロアチア人大使館職員の総意」と記名された告発状が日本の外務省に届き、ついに観念した。現地に監察査察官を派遣して、本人への聞き取りなど調査したところ、セクハラの事実が認定された。さらに、T氏の酒気帯び運転やパワハラの疑いまでが明らかになった。当然、更迭すべきところだが、外務省は処分を行わず、’11年に任期を残して退任となった。

「T氏は環境事務次官も務めた大物で、しかも財務省出身。外務省は腫れ物扱いしており、当初は事実関係も認めなかった。結局、うやむやのまま人事異動の形で任期半ばで大使を退任させた。財務省側に遠慮があってのことでしょう」(元政治部記者)

財務官僚は退任したあとも、絶大な権力を握っており、省に守られているのである。

セクハラ次官の口説き文句

「抱きしめていい?」

「胸触っていい?」

こんなセクハラ発言ですっかり有名になったのは、財務事務次官を務めていた、福田淳一氏(58)。4月12日に発売された『週刊新潮』で、女性記者に対するセクハラ発言が報じられ、「セクハラという認識はない」「言葉遊び」などと苦しく言い訳をしまくった挙げ句、4月18日に結局辞任が発表された。週刊新潮が報じた福田氏のセクハラ発言は、冒頭のモノだけに留まらない。さらにこんな発言も紹介されている。

「手しばっていい?」

「最近どのくらい前に(セックスを)いたしたんですか」

これが財務省トップの言葉かと思うと、情けなくなる。福田氏はご多分に漏れずエリート街道を歩んできた。進学校の神奈川県立湘南高校から東大法学部に進んだ。同期には片山さつき氏がいた。

「大学時代の片山氏はテニスサークルに入っていて、相当モテていたそうです。そこに、まったくサークルと関係ない福田さんが、片山氏のスコート姿を見に、よくコートまでやってきていたようですよ」(ジャーナリスト・横田由美子氏)

’82年に大蔵省に入省。主に「主計畑」を歩み、’17年7月に事務次官に就任した。

「実際、福田次官を取材した女性記者は、ほとんどが似たようなことを言われています。福田さんは、懇親会などで女性記者に『オレは優秀なんだ。大蔵省には(国家公務員試験を)5番で入省したんだぞ』と、まず自慢するんです。飲んでいる間は、会話の内容はほとんど下ネタばかり。女性の好みは特にないようで、誰彼構わず、下ネタを振っていました。男性記者に対しては基本的には素っ気ない(笑)。雑談などには鷹揚(おうよう)に答えてくれるんですが、『あの件、誰が動いているんですか?』など具体的な質問をすると、すぐに煙に巻かれます」(全国紙政治部記者)

セクハラ被害に遭った女性記者に名乗り出ることを求めた文書を財務省が報道各社に配布したことも批判を受けた。世間の常識から乖離しているのだ。事務次官を辞任することは発表されたが、福田氏自身はいまだセクハラ行為をしたという認識はないという見解で、新潮社に対して訴訟を起こすとしている(4月20日現在)。

ノーパンしゃぶしゃぶ事件という前代未聞のスキャンダルを起こし、その後も下半身問題が次々と起きる。これだけの不祥事を繰り返しても、「官僚の中の官僚」財務省は、いまだしぶとく生き残っている。

財務省はなぜ不祥事を繰り返すのか

’94年、東京協和信用組合と安全信用組合という二つの信用組合が不正融資の果てに破綻。山口敏夫元労相や東京協和の高橋治則(はるのり)理事長らが逮捕、起訴された。これをきっかけに、旧大蔵省の過剰接待が発覚。いわゆる「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件までつながっていく。ジャーナリスト・岩瀬達哉氏は、’95年に『月刊現代』で、『大蔵省高官たちが溺れた「京都の宴」』を発表。高橋治則氏による大蔵官僚たちへの「節度を超えた接待」の実態を暴き、いち早く大蔵省の腐敗に切り込んだ人物だ。岩瀬氏に話を聞いた(以下、「 」内は岩瀬氏の発言)。

「森友学園への国有地の払い下げ問題などの一連の財務省の不祥事と、信組側から京都で女性つきの接待を受けていたころの旧大蔵省の暴走と堕落は、基本的には同じ構造だと思います。財務省にしろ、大蔵省にしろ、彼らには絶大な公権力、権限が与えられています。それは、国民全体の奉仕者として使うべき権限なのですが、彼らはその権限のもとに行政を行うことによって、日常的に誰からも批判されなくなっている。何人も逆らえないほどに絶大な権限ゆえ、みんな従ってしまうのです。絶大な権限とは、何か。彼らが持っている予算権限です。彼らのサジ加減一つで予算配分がまったく違ってくる。各省庁は、議論を多少したとしても、最終的には従わざるを得ない。ことほど左様に、財務省は常に優位に立っているのです」

それは政治に対しても同じだという。

「政治家だって自分の地元にお金を持ってきたい。政治家も、予算査定権限というものに対してひれ伏しているのです。すると何が起こるか。財務官僚たちは、自分たちが事実上社会を支配しているという感覚を持つようになる。これは否めない事実です。本来、そうした彼らの行動を国会がチェックし、大手メディアが批判することで健全な権力行使ができる仕組みになっているのですが……」

大蔵省の過剰接待事件が取り沙汰され始めたころ、ある大手メディアの記者が警視庁の捜査員に、「大蔵省の捜査をやるべきだ」と迫ったことがあった。すると、捜査員はその記者に「そんなことをしたら大蔵省の幹部をほとんど逮捕しなければならなくなる。日本の国家機能がマヒする」と答えたという。結果的には警視庁、検察が動き、事件化されたが、ウヤムヤなまま幕引きがなされた可能性もあったのだ。

「森友学園の問題では、巨額の値引きを行うなんていうことは本来あり得ないはずですが、実際に8億円もの値引きが行われた。財務省の中で、やはり忖度が働いたと思います。首相案件という言葉が出ていますが、いまの政権が気に入るような形にすれば出世が保証される。彼らは本来あるべき使命を踏み外して、国民のためではなく、自分のためにその権限を使った。

 エリートと言われる彼らがなぜ政権の意向を忖度するかというと、エリートであり続けたいからです。同期に負けたくない。同期の中で出世が遅れることはものすごい屈辱なのです。そのため全体の奉仕者であることより、出世と自分の保身を優先する深層心理に縛られてしまう。しかも、誰からも批判されないゆえに堕落していく、そういう構造下にあります。過剰接待も今回の森友問題での巨額の値引き、そして文書改竄も、こういう流れの中で起こってしまったと感じています」

彼らがエリートであることこそが、財務省が不祥事を繰り返す理由なのだ。

「エリートとして同期に負けたくないという競争心が彼らを狂わせている。なかにはまじめに仕事をしている官僚もいるでしょう。しかし、横並びで競争を勝ち抜いてきた官僚の多くは、『あんな馬鹿には負けたくない』『俺より能力がないのになんで先に出世するんだ』と強力なプライドを持っている。そのプライドが許さない。全体の奉仕者として仕事をするより目先の自分のことを考えたがる。週刊誌は批判していますが、テレビは電波免許で縛られ、新聞も発表モノがほとんどで、切り込んだ調査報道や批判はほぼしない。監視の目が甘くなっているのです」

証人喚問を受ける高橋治則氏。京都で、大蔵官僚たちに女性を用意した「節度を超えた接待」を行っていた

 

Photo Gallary13

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