【試し読み付き】大学入試共通テストに向けて読みたい!『ドラゴン桜』が描く「受験で一番大切なこと」
「東大に入るなんて楽なもんよ!」
「教えてやる!東大は簡単だ!!」
「歯を磨くように勉強しろ!」
これらのセリフは、2003年から2007年まで漫画雑誌『モーニング』にて連載された『ドラゴン桜』のなかで使われたものだ。2018年からは続編『ドラゴン桜2』の連載がスタート。さらに2021年にはテレビドラマの続編が放送されるなど、知らない人はいない受験漫画の金字塔となっている。
主人公は元暴走族で新人弁護士の桜木建二。経営破綻状態になった私立龍山高校を救うべく、特別進学クラスを設けて、そこに所属することになった水野直美と矢島勇介の東大受験をサポートするというあらすじだ。
作品の一番の魅力は、奇抜な勉強方法だ。卓球をしながら暗算をすることで計算力を高めるといった奇抜なものから、その日覚えた英単語を使って日記を書くなど地道なものまで、さまざまな勉強方法が紹介されている。一流大学に合格するためにはIQや記憶力などの先天的な能力が必要という常識を根本から否定し、努力と工夫で東大でも合格することができるという考えは、大きな反響を呼んだ。
実際に、『ドラゴン桜』によって東大合格を成し遂げた人も出ている。小学校と中学校では成績が振るわず、高校入学時には東大に合格するなんて誰も思っていなかったが、作品を読んで一念発起し、東大生となった上田 裕太さん(仮名)は、『ドラゴン桜』の魅力について次のように語った。
「『ドラゴン桜』で出てくるセリフや考え方で、受験に対する考え方が大きく変わりました。もしかしたら自分も東大に行けるんじゃないかと思ったんです。実際に『ドラゴン桜』に出てくるテクニックを使うことで偏差値が大きく上がりましたし、本番直前には好きなシーンを読んで緊張をほぐしていました。東大に入学した後も、意外と周りに読んでいる人が多くてびっくりしました(笑)」
1月14日〜15日には大学入学共通テストが行われる。今からでも受験に対する考え方や試験直前の心構えは役に立つかもしれない。大事な試験の直前に漫画を読むなんて……と思うかもしれないが、緊張をほぐしたり今までの努力を振り返って見るためにも、受験漫画の名作を読んでみてはいかがだろうか。
- 文:上野裕和