アマゾンのヤノマミ族と原田龍二 祖先の縁が定めた裸の関係!? | FRIDAYデジタル

アマゾンのヤノマミ族と原田龍二 祖先の縁が定めた裸の関係!?

好戦的で文明とのふれあいがない少数民族と原田龍二はなぜお互いを受け入れ合ったのか? そこには想像もしない壮大な運命の物語があった  ミステリーチェイサー原田龍二の「奇怪倶楽部」file.002

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約20年も昔、寝食を共にしたヤノマミ族。時が流れ、彼らも文明と出会い、きっとあの頃の姿ではないのかもしれない。それでも今なお原田の記憶に彼らの姿は生々しく残っている。
約20年も昔、寝食を共にしたヤノマミ族。時が流れ、彼らも文明と出会い、きっとあの頃の姿ではないのかもしれない。それでも今なお原田の記憶に彼らの姿は生々しく残っている。

この世界に誕生した子ども。その子どもをこの世で育てるのか、もしくは天に戻すのか……。その生死の判断を母親の手にゆだねるという風習を持つヤノマミ族。ベネズエラ・アマゾンの奥深くに住む彼らと、俳優であり、ミステリー好きを公言する俳優・原田龍二の魂の交流について話をしよう。

ヤノマミ族の出産にまつわる驚きの風習や、20年前に撮影された貴重な写真多数など原田龍二とヤノマミ族の交流について見る

◆ベネズエラ・アマゾンのジャングル奥地にいる
少数民族が原田龍二の人生を変えた。

僕がミステリーの世界を信じるきっかけとなり、現在の仕事に導いてくれたのは、ヤノマミ族との出会があったからと言っても過言ではありません。僕が彼らの存在を知ったのは1995年のことです。ブラジルで日系移民の方に話を聞くドキュメンタリー番組に出演していて1ヶ月間ブラジルに滞在していました。その時のコーディーネーターさんがベネズエラのジャングルに「ヤノマミ族」というおもしろい人たちがいるよ、と話をしてくれたんです。

ヤノマミ族は南米アマゾンのオリノコ川に流域に居住している先住民族で、その文化・風習を守るため国(ベネズエラ)から保護を受けている存在です。でも、ヤノマミ族が暮らす近辺では金が採れるということで、開拓民であるガリンペイロに惨殺されるなど、生命を脅かされているという現状です。それに加え、近代の文明が彼らの生活に浸食したり、開拓民の持ち込んだ病原菌などに犯されたりと、ヤノマミ族とその文化は消える可能性もあると言われている少数民族なんです。
そんなヤノマミ族のことをブラジルで知ってから、なぜかずっと僕は心を奪われ、彼らに関する本などを読み漁っていました。そして5年後の2000年、とある番組で海外ロケに行く予定だったのですが、その国が情勢不安のため渡航中止となり、代替案として急遽ヤノマミ族を訪ねるという番組に変更になったんです。ヤノマミと僕の運命のつながりを感じましたね。

◆ヤノマミ族と僕が打ち解けられた理由。
そこには想像すらできない理由があった……

ヤノマミ族の住む場所に行くのも非常に困難でした。飛行機、セスナ、ヘリを2回乗り継ぎやっと到着しました。……数多く経験した海外ロケの中でも特に過酷でしたね。
やっとのことで彼らの住む地域に到着しても、緊張は解けませんでした。いつ殺されるか分からないし。でも、僕もスタッフも「彼らに会いたい」という気持ちがとても強く、それが通じたのか、びっくりするくらいすぐに歓迎してくれました。
毎朝起きると僕の手をひいて顔にメイクを施してくれたり、一緒に狩りに行ったり、子どもたちと遊んだり……。まるで遠くに行っていた同じ部族の人間が村に戻って来たかのように、僕とずっと一緒にいてくれるんです。あれほど人と人のつながりを密に感じたのは、後にも先にもないかもしれません。でも、この“深いつながり”には実は理由があったんです。

◆「原田、お前はヤノマミ族の3人目の戦士だ」

ロケの最終日の夜のことです。ヤノマミ族の酋長と話をする中で「ヤノマミ族はどこからきたのか?」という一族の歴史について話を聞いてみました。すると
「昔3人の戦士がいて、ある満月の夜、その戦士たちが月に向かって弓を放ち始めた。一人目の戦士の矢は外れた。2人目の戦士の矢は月をかすめた。そして3人目の戦士が挑戦をすると見事に矢が満月に突き刺さり、そこから血が滴り、地上に落ちた血がヤノマミ族となった」
そう話し、そして最後に、酋長が僕に向かってこう言ったんです。
「原田、お前はその3人目の戦士だ。ここに残れ。帰るな」と。

◆ 僕は月を弓さしたヤノマミ族だったのでしょう。
いまでも月を見るとなぜだか郷愁が湧いてきますから。

「お前はヤノマミ族の戦士だ」
そういわれても、普通だったら「は?」とリアクションしてしまったと思います。でもその時、僕はまったく違和感を持たなかったんです。それくらい彼らと僕の間には密度の濃いつながりがあった。彼らに別れを告げる時、彼らは全員号泣し、僕も涙が止まりませんでした。
彼らは今どうしているのだろう、と時々ふと思います。あれから多くの月日が流れ、精霊として天に戻った仲間もたくさんいるかもしれません。近代文明が入り込み、ヤノマミ族としての文化が失われつつあるかもしれません。消えつつある人々だとしても、あの出会いが自分の人生観を変えたのは確かですし、いまでもヤノマミ族とのつながりを感じずにいられません。そして僕は自分がヤノマミ族の戦士だったことを確信しています。今でも月を見ると、なぜだか郷愁にかられるというか、恋しい気持ちが湧いてきますから。

あなたの人生においても、そんな不思議な人との出会いはありませんか?

  • 語り部原田龍二

    (はらだりゅうじ)1970年生まれ。数多くのドラマやバラエティで活躍し、趣味の温泉巡りでは芸能界きっての通として認識されている。近著に不倫旅行をテーマにした写真集「密愛」(スペシャル版)、「情愛」「渇愛」「純愛」(ライト版)のほか、日本全国の温泉を紹介する本、「一湯入魂」がある。
    現在、「5時に夢中!」(MX)で金曜日のMCを務めるほか、「世界の何だコレ!?ミステリー」(フジ系)では人気コーナーで番組を盛り上げている。

  • 取材・構成SUPER MIX

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