<figure id="attachment_260197" aria-describedby="caption-attachment-260197" style="width: 1618px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8c66f5b8"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/08/IMG_8058-1.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-260197" class="wp-caption-text">送検される油利被告。ネット上では度々過激な言動で話題の人物だった</figcaption></figure>
1月13日、東京・東池袋の自動車暴走事故で妻と娘を亡くした松永拓也さん(36)をSNSで中傷したとして、侮辱罪と偽計業務妨害に問われている油利潤一被告(23)に対し、東京地裁は拘留29日と懲役1年、執行猶予5年（求刑拘留29日と懲役1年）の有罪判決を言い渡した。『フライデーデジタル』&#8217;22年11月26日配信の記事では、油利被告の初公判での様子を詳細に報じている。被告の誠意に欠けたあやふやな答弁の内容を、改めて紹介しよう（内容は一部修正しています）。
「金や反響目当てで、池袋暴走事故の加害者）と闘っているようにしか見えない」
「そんな父親、天国の松永莉子ちゃん（3歳）と松永真菜さん（31歳）が喜ぶとでも？？ 男は新しい女を作ってやり直せばいいこと」（原文ママ）
‘19年に起きた東池袋の自動車暴走死傷事故で妻と娘を亡くした松永拓也さんに、Twitter上で誹謗中傷を繰り返した油利潤一被告(23)。侮辱罪と偽計業務妨害に問われている被告の初公判が11月16日に東京地検で開かれた。
東京地検は’22年6月、上記のリプライを受けて油利被告を在宅起訴。逮捕前のテレビ局の取材で、誹謗中傷は「炎上目的だった」と答えている。また、それからわずか2ヵ月後、油利被告は再びTwitterで悪質な書き込みを行い逮捕される。
「警察の無力さの報復のために8月14日新宿か秋葉原でどーなるか覚えておけ」
「アキバには花火大会がないので花火も大量に持って行きます」（同）
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などと、テロ行為を匂わせるツイートを連投。複数のツイート内には、‘08年に起こった秋葉原殺傷事件の実行犯である加藤智大死刑囚、そして今年安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也容疑者の名前もあった。起訴状などによれば、松永さんに対する誹謗中傷により侮辱罪に、秋葉原での犯行を模倣した予告投稿で警視庁の業務を妨害した疑いにより偽計業務妨害に問われている。
ノーネクタイのスーツ姿で法廷に現れた油利被告は、髪が目元まで伸び、マスクを深々と着用。検察官側に松永さんが同席する中での裁判となったが、被告の答弁は、お世辞にも誠意を感じられるような態度には見えなかった。
検察官による証言では、油利被告がSNSを始めたのは16歳の時。学生時代には、校内で焼肉をして、警備会社に通報が入って警備員が出動した様子をSNSで中継した過去も明かされた。
<div data-friday-nextpage-lead="「逮捕されてほしい」と母が……"></div>
この事件について、油利被告は「同級生に見てもらいたかった。いいねがつくと嬉しいし、いいねがいっぱい付くように注目が集まるような投稿をしている自覚はある」と振り返った。また、秋葉原でのテロ予告について、山上容疑者や加藤元死刑囚の名前を出したことについては、「山上さんや加藤さんの名前を出さないと、多くの人に伝わらないと思ったからです」と語った。
検察官「犯行予告の書き込みをすると、警察に捕まるのは知っていましたか？」
油利被告「知っていましたが、殺人などの過激なワードはないので問題ないと思いました」
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秋葉原での犯行予告ツイートをした後も、Twitterを続けていた油利被告。検察官の立証によれば、油利被告の母親から「『再三SNSをやめろ』と注意しても言うことを聞かず、食事中もずっとスマホを見ている。もう家族の手には負えないので、逮捕されて更生して欲しい」との証言もあったという。
続けて、侮辱罪について訊かれた油利被告だが、松永氏を侮辱する意図はなかったと主張。リプライにある「金や反響目当て」「新しい女を作ってやり直せばいい」といった内容は、松永さんへ向けたメッセージではなく、今年3月6日に大阪で起こった交通事故の遺族に向けたものであると答えた。だが、ツイート内で亡くなった松永さんの妻と娘の実名を出していることを考えれば、別の事件について言及しているという主張は苦しいのではないか。
しかも油利被告は、リプライを送信した後、松永さんに謝罪のダイレクトメッセージを送っていたことが判明。また知人には、「松永にクソリプを送った」「松永ってやつ金持ってそうだから裁判起こしそうで怖いわ」とダイレクトメッセージを送るなど、犯行と供述の食い違いが浮き彫りとなった。
<div data-friday-nextpage-lead="「うまく説明できません」"></div>
検察官「なぜ大阪の事故の遺族に向けた内容を、松永氏へ送信したのですか？」
油利被告「松永さんは妻と娘を亡くしてから3年間、交通安全を呼びかける活動をしていた。大阪の事件を知って欲しかったので送りました」
検察官「貴方は供述で、大阪の事件について詳しく知らないと言っていましたよね。なぜそもそも理解が足りていない事件を、松永さんに伝えようとしたのですか？」
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油利被告「……うまく説明できません」
検察官「松永さんに謝罪のダイレクトメッセージを送ったのはなぜですか？」
油利被告「（自分のツイートが）炎上してしまったので申し訳ないと思って」
検察官「貴方はその後、知人に『松永さんはゴミ』という趣旨の発言を送っていますよね」
油利被告「松永さんに謝罪したのに、向こうが受け入れてくれなかったので、悔しくて知人にメッセージを送ってしまいました」
油利被告は法廷で、「謝るべき人に謝って前を向いていきたい」「SNSはもうやらない」と誓ったが、現在も「本人」であることを匂わせるTwitterアカウントを所有している（1月13日現在）。また公判中、被告は終始釈然としない様子で供述もあやふや、検察官に「あなた今笑っていましたよね？」と指摘される場面もあった。
彼が自分の犯した罪の重さに本当の意味で気づく日は来るのか、そして更生を願う母親の望み通りSNSから離れることができるのかーー。

蓮尾真司

送検される油利被告。ネット上では度々過激な言動で話題の人物だった 1月13日、東京・東池袋の自動車暴走事故で妻と娘を亡くした松永拓也さん(36)をSNSで中傷したとして、侮辱罪と偽計業務妨害に問われて

秋葉原殺傷事件再現を予告…有罪判決の模倣犯「あやふや答弁」初公判の内容

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