1973年、静岡県三島市生まれ。講談社『フライデー』記者。政治を主軸にしているものの、格闘技やビジネスレポートなどの取材もしている。著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎　「異形の宰相」の蹉跌』（洋泉社）、『激闘 リングの覇者を目指して』（ソフトバンク クリエイティブ）、『団塊ジュニア世代のカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』（講談社）がある。

岩崎 大輔

<figure id="attachment_289554" aria-describedby="caption-attachment-289554" style="width: 1303px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6c3b7155"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/93247f837a24cbc8075a822dd7273382.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-289554" class="wp-caption-text">吉祥寺や三鷹の駅前で辻立ちを続ける薮原武蔵野市議を直撃した（写真・岩崎大輔）</figcaption></figure>
今年4月、4年に一度の統一地方選が実施される。各政党や候補者の権謀術数が交差する選挙前の風物詩と言えるのが、「怪文書」だ。出典が不明で、信憑性も危うい胡散臭いものから、身近な人物が創ったとしか思えないほど内容が具体的なものまで玉石混淆だ。
〈武蔵野市立憲民主党ご関係者各位〉
本誌編集部にも、ある市議に関する写真付きの怪文書が届いた。立憲民主党に所属する東京都武蔵野市議・藪原太郎氏（49）に関するものだという。妻子がいながら、藪原市議が都内在中の女性Aさんと「男女の仲」にあると告発する内容だ。文書の作成者の名前は書かれていない。
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〈武蔵野市議会議員　藪原太郎さん 
（X区）　Aさん 
どちらもご家庭のある方と存じております。どのようなご関係なのか説明をいただきたく、各事務所に送らせていただきます。ご査収ください〉
怪文書には薮原氏と見られる短髪の男性が、同世代と思しき美女の顔に頬をくっつけ、身体に腕を回している。たしかに「ただの友達」というには親密すぎる距離に見える。
「Aさんは以前、武蔵野市に住み、立憲民主党などの候補者の選挙ボランティアスタッフとして働いていました。現在も、立憲民主党の他の都議の選挙ボランティアとして活動しているそうです」（立憲民主党関係者）
<div data-friday-nextpage-lead="「そこは反省しています」"></div>
一方の藪原氏は当選2回の市議会議員。SNSでの率直な物言いが、有権者の支持を集めているという。
「議会ではたまに野次を飛ばしますし、政策でぶつかり合えば大きな声を出すこともあります。ただ基本的には温厚で、人付き合いも悪くない。お酒が好きで、『ヤブちゃん』と親しまれており、議会を出れば他党の議員とも飲みに行く。武蔵野市には漫画家やアニメに関わる著名人が多く住んでいますが、アニメ好きのヤブちゃんは常々、『アニメ・漫画で町おこしを』と言っています。今の市長もこの考えには賛同しています」（市議会関係者）
吉祥寺駅前で街頭演説を行っていた藪原氏に「ダブル不倫疑惑」の真意を問うと、困惑しながらも、こう答えた。
<figure id="attachment_289516" aria-describedby="caption-attachment-289516" style="width: 1235px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a331a54b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/d5f226ac7478a1429b36e2ed39c114a8.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-289516" class="wp-caption-text">薮原議員のダブル不倫を追及する怪文書。真相は……？</figcaption></figure>
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「これ、今も（撒かれている）？　半袖の季節だったから半年前くらいかな。うちの会派の4人の市議に同じものが配られた。妻の実家にも。武蔵野市内で商売をしているのでわかる人はわかるけど、ヒドいでしょ？」
——Aさんとは「男女の仲」なのですか？
「ない、ない。写真を撮られた記憶はないけど、コロナが一瞬収まったときに大勢で飲みに行ったときのものだと思う。2人でどこかに行ってというものではない。彼女は僕の選挙を手伝ってくれていたから」
——頬を寄せていますが？
「覚えていないけど、そこは反省しています」
<div data-friday-nextpage-lead="「うまく作ってあると思う」"></div>
——奥さんからは何と？
「妻の実家にも怪文書が届いていたけど、（妻は）知ってるのかなぁ？　妻の母からは連絡がありました。『あんたもさぁ、気をつけないとだめよ』と叱られた」
——状況的に身近な人が作成し、撒いたのでは？　思い当たるフシは？
「この時期になると全国どこでもよく聞く話です。僕の怪文書もうまく作ってあると思う。思い当たる人はいないけど、近い人がやっているのかなぁ」
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真偽は定かでないが、誰かが氏を貶(おとし)めようとしたのは確かだ。ベテラン市議がこう推察する。
「地方選挙では同じ政党の議員もライバルになる。藪原氏は特定の支援団体もなく、選挙は2回ともギリギリで当選してきた。お酒が好きで脇が甘く、SNSで炎上することもある。バックに大物政治家も控えていないので『落としやすい』と踏んだ人間がいるのかもしれない」
隙を見せれば落とされる。国政、市政を問わず、政界を生き抜くのは至難の業なのである。

岩崎大輔

美女と頬を寄せ合う「親密すぎる写真」が怪文書として流出しているのは、立憲民主党所属の東京都武蔵野市の薮原太郎氏だ。二人が男女の仲とあれば「ダブル不倫」になるわけだが、市議本人に聞いてみるとーー。

「反省しています」と…「美女との密着写真つき怪文書」をバラ撒かれた立憲・武蔵野市議を直撃！

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