上田美由紀死刑囚は窒息死…鳥取連続不審死事件 逮捕から13年経ってもなぜ死刑執行されなかったのか | FRIDAYデジタル

上田美由紀死刑囚は窒息死…鳥取連続不審死事件 逮捕から13年経ってもなぜ死刑執行されなかったのか

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14日に死亡した上田死刑囚
14日に死亡した上田死刑囚

「14日の夕方、収容されていた広島拘置所でのことです。食事をしていた上田死刑囚が突然むせ始めて倒れた。職員が駆けつけ、病院に搬送されましたが、約2時間後に死亡しました」(全国紙社会部記者)

1月14日、鳥取県の連続不審死事件で、強盗殺人などの罪で死刑が確定していた上田美由紀死刑囚(49)が死亡した。死因は食べ物をノドに詰まらせたことによる窒息死という。

「上田死刑囚は10日にも食事をノドに詰まらせて、緊急搬送されています。しかし、『異常なし』と診断されて、拘置所に戻っていました。今後、自殺だった可能性はないのか、管理体制に不備はなかったのか、調査が行われるとみられます」(同前)

しかし、ここでひとつ疑問が浮かぶ。事件が明るみに出て彼女が逮捕されてから、13年あまりが経った。にもかかわらず、なぜ彼女の死刑は執行されていなかったのか。

事の発端は09年11月。鳥取県警が詐欺容疑で上田死刑囚を逮捕した。彼女の周囲では6人の男性が不審死していたが、起訴されたのは2件の強盗殺人や詐欺についてのみだった。12年9月に初公判が開かれ、同年12月に鳥取地裁で死刑判決が言い渡されたものの、控訴。しかし、17年7月に最高裁が上告を棄却したことで、死刑が確定した。全国紙司法担当記者が話す。

「ここまで長引いた理由のひとつは彼女が起こしたとみられる事件の数の多さです。彼女は強盗殺人以外にも、15件の詐欺など多数の事件で逮捕・起訴されている。通常、逮捕から初公判までは数ヵ月ほどですが、この事件では約3年もかかっています」

しかし、刑事訴訟法では刑の確定から執行まで「6ヵ月以内」と定められている。なぜ17年7月に死刑が確定してから5年以上が経っても、彼女の刑は執行されなかったのか。

「刑事訴訟法の規定はいわば『努力目標』のようなもの。法的拘束力はないのです。刑の確定から執行までは平均で5年程度と言われていますので、決して特別に執行が遅かったというわけではない。しかし、かねてからこの『6ヵ月以内』という基準が形骸化していることについては批判があります」(同前)

上田死刑囚は一貫して無罪を主張し、裁判で反省の言葉を口にすることもなかった。今回の彼女の死を受けて、被害者遺族の一人はメディアの取材に「どう受け止めていいかわからない」と答えている。

今後、管理体制に不備がなかったかどうかの調査はもちろん、現行の運用で本当に問題はないのか、今一度考えるべき時が訪れている。

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