【激動!23年はこうなる】温暖化で環境が激変…「カキ&サケ&スルメイカ」が食卓から消える日
「地球温暖化の影響で、海水温は上昇し続けています。顕著なのは日本海で、この100年で1.8度も上がっている。これは世界平均の3倍以上の上昇率です」(気象予報士の森田正光氏)
魚にはそれぞれ発育に適した水温がある。しかし、地球温暖化により環境が激変し、前代未聞の不漁となる魚介類が続出。特に顕著なのがサケとスルメイカだ。
「サケの生育に適した水温は5〜13度、スルメイカは14〜16度と言われており、それ以上では生きることができない。すでに温暖化の影響は出始めており、水産研究・教育機構の統計によると、国内の河川に回帰したサケの数は、ピークだった’96年頃に比べ、約20%に減少。スルメイカの漁獲量も10%ほどに減っています」(水産庁関係者)
温暖化の要因とされるCO2濃度の上昇は、貝類へ壊滅的な打撃を与えている。
「二酸化炭素が海水に溶け込み、海洋酸性化が進行しています。これによりカキは炭酸カルシウムの骨格や殻を作ることを阻害され、成体になる前に死んでしまうケースが増えている。名産地である浜名湖では’19年から2年ほど、50年に一度という深刻な不漁に陥りました」(同前)
酸性化は加速度的に進行しており、三陸沖でも同様の事例の発生が危惧されている。問題の根源である温暖化が解決する見込みはなく、状況はさらに悪化する可能性が高い。前出の森田氏が言う。
「環境の変化を受け、『魚種交代』が起きている可能性が考えられます。より良い環境を求め、魚は20〜30年かけて生息域を移してしまう。そうなれば、二度と日本近海に戻ってくることはありません」
魚種交代により、逆に北海道ではブリが豊漁になるなど、状況は刻一刻と変化している。
日本の食卓が転換期を迎えている。
『FRIDAY』2023年1月20・27日号より
- PHOTO:共同通信社