<figure id="attachment_290093" aria-describedby="caption-attachment-290093" style="width: 2458px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3fb2ca4a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/219d93b3117cb4c120ce640bded8abbd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-290093" class="wp-caption-text">昨年９月17日、球団が行ったイベント「FIGHTERS CLASSIC」に参加するため来日。札幌ドームで当時のBIG BOSSとも話をした（写真：産経新聞社）</figcaption></figure>
<p>新庄剛志監督が２年目の指揮をとる日本ハムは千葉・鎌ヶ谷にある２軍施設で今年最初のスタッフ会議が行われた翌日、あるリリースを発表した。</p>
<p><span class="strongInContent">「元北海道日本ハムファイターズ監督のトレイ・ヒルマン氏とコンサルタント契約合意に達しました」</span></p>
<p>2007年まで５年間監督をつとめたヒルマン氏は就任４年目の2006年、当時、現役選手だった新庄監督とともに日本一に輝いた。2008年以降、メジャーリーグや韓国で指導者を続け、昨季は大谷翔平が所属するエンゼルスの育成コーチだった。仕事内容は「新外国人選手のスカウト、在籍する助っ人やコーチ陣とカウンセリング」となっており、新庄監督と監督-選手の関係で栄冠をつかみとった「日本一タッグの再結成」と好意的な報道が多かった。ただある球団関係者はこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「これは本社や球団のメッセージです。結果が出なかったら次はない、という……ヒルマンは新庄監督の後任監督の候補のひとり、という見方をする人もいますよ」</span></p>
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<p>新庄監督２年目となる2023年は、日本ハムにとって節目の年となる。19年間本拠地としていた札幌ドームに別れを告げ、今年から北広島市のエスコンフィールドに本拠地を移す。だが新球場で新庄監督２年目の快進撃を期待したい、というムードとは少し違うようだ。ベテランの野球担当記者がこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「新庄監督就任１年目の昨季、５月に30試合すぎた段階で早くも自力Vが消滅しましたが、それでも２年目の今季も新庄監督を続投させることは内々で決まっていました。それは『監督として成長してもらうために長い目で見てあげたい』という親心というよりは、2023年の新球場元年に『華があって盛り上げられる監督で迎えたい』という球団の思惑のほうが強かったと思います。</span></p>
<p><span class="strongInContent">新庄監督が就任する前に指揮をとった栗山英樹監督の後任として、当初球団は水面下でメジャーの監督経験がある外国人監督を招く準備を進めていました。しかしそんな時に当時主砲だった中田翔がチームメートに暴行を加え、球団は１、２軍すべての試合出場停止を決めた。その後、栗山監督が巨人・原監督に頼み込む形でトレードが成立し、日本ハムが球団として中田翔の暴力事件にけじめをつけることなく、結果的にプレー機会を与えてしまった一連の流れに批判的な声は多かったんです。</span></p>
<p><span class="strongInContent">日本ハムは文字通りハムなどの加工食品を売っていて、消費者へのイメージダウンを極端に嫌うので、栗山監督の後任は、中田の暴行事件で球団についてしまった良からぬイメージを劇的に回復できる人材を求めるようになった。ちょうどその時期、東京五輪で日ハムOBの稲葉篤紀監督が侍ジャパンを金メダルに導きましたが、以前、稲葉監督の奥さんと球団に所属する選手の奥さんとのトラブルが週刊誌に報道されてイメージが良くなかったことも影響して、監督候補にはならなかった。そこで新庄監督の名前が出てきたのであって、まずはイメージ回復が先決だったんです」</span></p>
<p>一昨年12月、新庄監督は就任会見で報道陣に対し、「監督ではなくビッグボス」と呼ぶことを求めたり、「優勝は目指さない」と宣言し、これまでの常識を覆す発言や派手なパフォーマンスで見事にメディアの関心をひきつけた。</p>
<p>昨年のスローガンは「ファンは宝」。チームの勝敗以上にファンをどう楽しませるか、ということに主眼が置かれ、公式戦開幕前には「ファン投票打線」で試合に臨んだりもしたが、いざシーズンが開幕するとわずか33試合目で自力Vが消滅。昨シーズンの観客動員も12球団中11位と沈み、ファンの目を引く派手なパフォーマンスをしても勝てなかったら、ファンは来ないことを数字が示してしまった。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="意外な難題を抱える新球場"></div>
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<figure id="attachment_290082" aria-describedby="caption-attachment-290082" style="width: 700px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="67f06dbb"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/2022092814873.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-290082" class="wp-caption-text">昨年９月、札幌ドームでの最終戦後、セレモニーで「BIG BOSS」のユニホームを脱ぐ新庄剛志監督。この後、来季続投を表明したが、今季はこのようなパフォーマンスをどれぐらい見られるだろうか（写真：共同通信）</figcaption></figure>
<p>心機一転、新しい本拠地の北広島のエスコンフィールドにはたくさんのお客さんを呼びたいところだが、難題があるという。実際に新球場に取材に行った記者はこう明かす。</p>
<p><span class="strongInContent">「札幌ドームの時より交通の便が悪いんです。札幌ドームは地下鉄の最寄り駅から徒歩10分ほどで行けましたが、エスコンフィールドは札幌から最寄りの北広島駅まで20分弱、さらに徒歩で20分ほどかかる。最寄り駅から球場が見えているのに、たどりつくまで大きな坂があって歩くのも結構大変でした。</span></p>
<p><span class="strongInContent">球場には一般のお客さんが使用できる駐車場もあるので、車で来場されるお客さんも多いと思いますが、帰りは出口で渋滞するかもしれません。チームが勝ち続けてくれたらいいのですが、負けが込みだすとリピーターになってくれるファンの方がいるかどうか…」</span></p>
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<p>そんな状況をいち早く察知したのか、新庄監督は今年のキャンプに向けて「結果重視」に大きく舵を切っている。昨季は清宮幸太郎、万波中正といった潜在能力の高い若手に結果を度外視しても出場機会を与え続けていたが、今年は「『君は実力がないから２軍』とはっきりさせる。勝つためには鬼になる」と言い切り、２月１日のキャンプ初日に紅白戦を行うことも決めている。パ・リーグの他球団関係者はこう分析する。</p>
<p><span class="strongInContent">「FAで近藤健介がソフトバンクに移籍してしまったので、昨季の主力で脅威になりそうなのは首位打者をとった松本剛ぐらい。投手の先発陣では計算が立つのは右の上沢（直之）、左の加藤（貴之）ぐらいだと思います。４番で出ることが多かった野村佑希や清宮、万波あたりはいいものを持っていますけど、地力はまだないので我慢して使ってもらう時間が必要な選手、だとみています。でも報道されているように新庄監督が結果が出なければすぐに外す、ということを繰り返せば、選手は焦って余計に結果が出なくなる、という悪循環に陥る可能性もある」</span></p>
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<p>球団の思惑や、自分ではコントロールできない新球場の立地条件などの板挟みの中迎える監督２年目。新庄監督が周囲の雑音を封じ込めるには、やはり「チームの勝利」しかない。</p>
<figure id="attachment_290083" aria-describedby="caption-attachment-290083" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5be3e996"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/2022080108303.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-290083" class="wp-caption-text">昨年８月、清宮と話をする新庄監督。結果が出なくても我慢して使い続けたが、今年は最初から結果を出し続けられるだろうか（写真：共同通信）</figcaption></figure>


昨年９月17日、球団が行ったイベント「FIGHTERS CLASSIC」に参加するため来日。札幌ドームで当時のBIG BOSSとも話をした（写真：産経新聞社） 新庄剛志監督が２年目の指揮をとる日本ハム

「ヒルマン元監督16年ぶり復帰」でわかった日ハムの新庄監督に対する「本当の思惑」

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