【試し読みつき】理想の夫婦の裏の顔…マンガ『サレ妻シタ夫の恋人たち』が不穏すぎてヤバい
妊活中の夫の不倫。仲良し夫婦の“賞味期限”が生む泥沼ドラマ
子煩悩夫の衝撃不倫、“ゲス”な不倫……。日々、芸能ニュースをにぎわせる不倫ネタ。不倫なんてよくある話、でも自分の夫、妻には絶対にやってほしくない――。心がザワつき、ついつい興味が出てしまうのは、そんな身近さゆえ、他人の不幸は蜜の味ゆえ。
『サレ妻シタ夫の恋人たち』(作・村岡恵)は、タイトル通りそんな不倫がテーマの漫画だ。

主人公は“サレ妻”、つまり夫に不倫された妻である鴛田(おしだ)もか。34歳のもかは家事代行サービスで働きながら、結婚4年目の夫・正臣(まさおみ)と平凡だが幸せな日常を送っていた。正臣はイケメンで、もかの頼みごとは決して断らない。

家事が得意でにこやかなかわいい奥さんと、優しい夫。はた目にも理想の夫婦に唯一足らないことがあるとすれば、なかなか妊娠しないこと。
妊活に励むもかだが、友人から「正臣が他の女と腕を組んで歩いていた」と告げられる。最初は信じられなかったものの、排卵日に正臣をエッチに誘ったもかは、はじめて断られてしまう。

その後、正臣が不倫を“シタ”と確信したもかは、家事代行の仕事で知り合った小説家・三角和寿喜(みすみかずき)を巻き込み、行動を開始する。
正臣を許せない気持ち。そして迫る妊娠のタイムリミットへの焦り。リアルな感情は共感を呼び、いつもニコニコしているもかが見せるとんでもなく不穏な表情は、読む者をドキッとさせる。

もうひとつ目が離せないのが、三角ともかの関係だ。関西弁をしゃべり、飄々とした三角は男性のひとり身ながら、レトロな一軒家住まい。どうやら妻に逃げられた経験があるらしい。小説家としての幅を広げようともかの話を聞くうち、正臣の尾行を手伝うことになった三角。もかと三角の即席バディの行く末は――。
そして何より、「悪いヤツには天罰がくだってほしい!」と思うのが人の心。物語中で明かされる正臣の裏の顔はなんとも自分本位だ。果たして、イケメン夫の正臣に鉄槌は下るのか?
2023年1月20日発売の3巻では、ついにもかが大きく動き出す。ゲス夫の不倫、“スカッと”展開への期待、三角との関係と、気になるポイントが詰め込まれた本作。 “仲良し夫婦”がどうなってしまうのか、今後も目が離せない。
文:仲川僚子