「生と死、どちらを描いているのか」松下奈緒が語った世紀末画家エゴン・シーレのエロスと危うい魅力 | FRIDAYデジタル

「生と死、どちらを描いているのか」松下奈緒が語った世紀末画家エゴン・シーレのエロスと危うい魅力

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「エゴン・シーレ展」内覧会を訪れた松下奈緒。世紀末ウィーンを思わせるオフ白のブラウスにシースルースカートが、芸術家たちへのリスペクトを感じさせた(東京・上野の東京都美術館)
「エゴン・シーレ展」内覧会を訪れた松下奈緒。世紀末ウィーンを思わせるオフ白のブラウスにシースルースカートが、芸術家たちへのリスペクトを感じさせた(東京・上野の東京都美術館)

「どっと疲れました」

俳優の松下奈緒は開口一番、真顔でこう言った。東京都美術館で26日から始まった「エゴン・シーレ展」。会場には、世紀末ウィーンに咲き、スペイン風邪によって28歳で生涯を閉じた画家の危うくエッジイな作品が並んだ。25日の内覧会で、その作品を40分ほどかけてじっくりを見たあとトークに登場した松下は、6年前にウィーンでも、エゴン・シーレを見ているという。

「一筋縄ではいかない人。やみつきになる、くせになる作品です。彼自身が、そういう人だったのかな、と。生と死、どちらを描いているのか…」

音大出身でピアニストとしても活動、ビルボード東京など名門ライブハウスで単独ライブも行う「アーティスト」だけあって、その感想はシャープだ。

「いちばん好きな作品は(メインビジュアルにもなっている)『ほおずきの実のある自画像』です。色味が好きですね。背景の白とオレンジ、それに顔もひと色ではない。何を思っているのかわからない視線も魅力的です」

この日の松下は、世紀末ウィーンを思わせるオフホワイトのボウタイブラウスに、深いグリーンのシースルースカート。黒タイツにローヒールのレースアップシューズという落ち着いたファッション。まるで美学生のような衣装に、シーレら世紀末ウィーンの芸術家へのリスペクトが感じられた。

エゴン・シーレは若くしてその才能を見出されたが、作品の性描写が「わいせつ画」とみなされ刑務所に入ったこともある。今展でも、女性の裸体を描いた生と死がほとばしるような作品が多く見られる。

「世紀末ウィーンの芸術、金のクリムト銀のシーレと言われますが、その対比もおもしろかった。絵画を見て、こんなことも感じていいんだ、と。見る側に自由を与えてくれたというか。見る側も自由でいいんだと…」

自由への強い希求があるのか、言葉を選びながら思いを語った松下。エゴン・シーレのエロスと危うい魅力に接し、「生きる力を吸い取られた」という感想が印象的だった。

<「エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」1月26日~4月9日、東京・上野の東京都美術館で開催>

シースルースカートを翻す松下奈緒。エゴン・シーレの作品に、アーティストらしいシャープな感想を語った
シースルースカートを翻す松下奈緒。エゴン・シーレの作品に、アーティストらしいシャープな感想を語った

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