静岡・牧之原市 13歳娘が母親を刺殺 シングルマザーと”箱入り娘”「本当の関係」
「夜中、騒々しいので外を見るとパトカーが何台も停まっていたんです。まさかこの町で殺人事件が起きるなんて……衝撃です」(現場近くに住む住民)
小さな田舎町が1月16日の深夜、騒然とした。静岡県牧之原市に住む中学1年生、13歳の少女が、就寝中の母親を包丁でメッタ刺しにし、殺害したのだ。少女が実の母親を殺害するという悲劇。警察の調べに対し少女は「スマホの使い方でトラブルになった」と話しているという。殺された母親の中学時代の同級生が明かす。
「事件で亡くなったのがYさん(母親)だと聞いて驚きました。書道を習っていて、すごく字が綺麗な子でしたよ。中学の時はバスケ部に所属していて、いじめられるんじゃないかと心配になるくらいおとなしくて、とにかく真面目でしたね」
母親Yは、地元で名士として知られる祖父、大手機械メーカーで管理職を務める父親のもと事件現場となった家で育った。小中学生の頃は目立たなかったYだが、高校進学後様子が変わったという。
「煙草を吸うようになり、最後には高校も中退しました。そのあとしばらく噂を聞かなかったけど、隣町の人と結婚したらしいとのことでした。ただ、向こうの家族とうまくいかなくなって、娘のAちゃんが生まれると同時くらいに離婚して実家に帰ってきたそうです」(同前)
娘のAを連れ、両親が暮らす実家に戻ったYは、近場の飲み屋で働きはじめたという。Aの幼少期には、帰りの遅い母親の代わりに祖母が家の前で遊ばせている姿を近隣住民がよく目にしていた。しかし、Aが成長するとともに母娘を外で見かける機会は減っていった。
「最後に母娘を見たのは4〜5年前の地元のお祭りです。Aちゃんはリボンをつけて、ゴスロリっぽいフリフリの服装。お母さんはすごいミニスカートで目立っていました。一度Aちゃんの部屋を見たことがあるのですが、人形がずらっと並んでいて、ドールハウスのような雰囲気。箱入り娘という印象でした」(地元住民)
中学に入ると、登下校のために自転車を買ってもらったというA。最近はAのために毎朝倉庫から自転車を出す祖母と、登下校するAが目撃されている。
「Aちゃんに『おはよう』と声をかけても、こちらを見もしないで全部無視でした。外で遊ぶ姿を見たことがなかったので、ずっと部屋で遊んでたんじゃないかな。不思議な子だなとは思っていました」(別の地元住民)
いったい何があったのか。母娘の親戚が、事件直前の様子を明かしてくれた。
「今年の正月にお年玉を渡しに行ったんです。母から『ちゃんとお礼を言いなさい』と言われ、Aが玄関まで出てきて『ありがとう』とお礼を言ってくれました。Aがスマホを異常に見ていたとか、そういうことはなかったですよ」
母と娘の間に問題はなかったように見えたというが……。
「母親のYは普段優しいんですが、怒るとカッとなって激昂することもありました。『シングルマザーだから』と言われないように気を張っていたんだと思います。服装も、できるだけ良いものを娘に着せたかったのでしょうね」(同前)
裕福な家でたくさんのものを買い与えられ、部屋にこもった少女。シングルマザーだからこそ娘を大切に、しかし厳しく育てたかった母。その期待と躾が思春期の少女を追い詰めたのかもしれない。あまりにも痛ましい事件。同様の事件を起こさぬためにも、一刻も早い全容の解明が待たれる。
『FRIDAY』2023年2月10日号より
- PHOTO:足立百合(児相)