「パソコンドリル=小渕優子議員」連想…草彅剛『罠の戦争』でカンテレがTBSに叩きつけた”挑戦状”
草彅剛主演のドラマ『罠の戦争』(フジテレビ系放送、関西テレビ制作)が好調な滑り出しを見せ、注目を集めている。
初回の世帯視聴率は、関東で9.3%、関西が13.1%。2話目も数字がアップしており、最近のドラマ視聴率を鑑みたら合格点といえる数字ではないだろうか。
「草彅さんにとっては実に6年ぶりの地上波主演ドラマで待ち焦がれていたファンも多く、また人気が高かったシリーズの最新作ということもあってドラマ自体に対する期待も大きく、それが視聴率に影響したといえるでしょう。
ほかにも、フジテレビの月曜日10時といえばかつて『SMAP×SMAP』が放送されていた時間帯であったり、ドラマの主題歌を『香取慎吾×SEVENTEEN』が担当していたりと、話題に事欠かないですからね」(テレビ誌ライター)
ドラマは脚本家・後藤法子のオリジナルで、草彅主演の『銭の戦争』(’15年1月期)、『嘘(うそ)の戦争』(’17年1月期)に続く『戦争シリーズ』の第3弾だ。
国会議員秘書の鷲津亨(草彅)の愛する息子が何者かによって歩道橋から突き落とされる事件が起きた。息子の敵討ちのため、あらゆる策略をめぐらし、巧妙な罠をしかけ犯人や黒幕を追い詰めていく鷲津に、胸のすく思いをしている視聴者は多いだろう。
「ドラマは政治家とその周りで蠢く不埒な輩に復讐を果たしていくストーリーですが、背景には汚職など政治家の不正が描かれている。いかにも実在の議員がやっていそうな話がいろいろ出てきており、なかでも現職の議員が過去に起こした印象的な事件が揶揄され、ネット上などでは、それが話題になっています」(女性誌記者)
第2話では、裏帳簿などの証拠隠滅の方法に話が広がったとき、鷲津の部下の秘書・蛍原梨恵(小野花梨)が、こう言い放った。
《いましたね、家宅捜索されて慌ててパソコンのハードディスクをドリルで壊しまくった議員》
このドラマがフィクションであることは誰でもわかっているが、小渕優子衆議院議員のことを思い浮かべた人は多いだろう。
実際にネット上では、
《パソコンをドリルで壊した政治家ねぇ いたねぇ まだ現役か》
《小渕優子のことだ。カンテレは相変わらず攻めてるな》
などと、賞賛ととれる声があふれていた。
だがこのシーンを見て、素直に「面白い!」と声に出せない人たちがいる。TBSの局員たちだ。
「草彅さんの演技も素晴らしいし、展開も早く、引き込まれていって次回が早く見たいと思うドラマです。風刺もきいていますしね。他局ですけど、見ている人は多く、話題に上がっていますよ。
ただあのシーンに関しては局内では話しにくいですね。小渕さんの旦那さんはうちの瀬戸口(現・小渕)克陽編成局長ですから。当然、局長としてはあんなイジり方をされて面白くないでしょうし、何より数字面でも厳しいですから…」
小渕氏といえば、プロデューサー時代に『花より男子』、木村拓哉主演の『華麗なる一族』や『A LIFE ~愛しき人~』などヒット作をいくつも手がけ、それらのドラマが高視聴率を獲得したことから“高視聴率男”と呼ばれていた。
「そんな因縁を感じることから、局内ではカンテレの『宣戦布告』じゃないかと言う人も出てきたくらいです」(同・TBS関係者)
だが、『罠の戦争』が10%近い視聴率を獲る中、TBSの裏番組『月曜の蛙、大海を知る。』は苦戦中だ。まさかカンテレもTBSにケンカを売ったわけじゃないだろうが…。とは言え『視聴率戦争』は始まったばかり。“挑戦状”を叩きつけられたTBSの反撃に期待したいが…。
PHOTO:高塚 一郎