<figure id="attachment_293126" aria-describedby="caption-attachment-293126" style="width: 1764px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="093157aa"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/aflo_207033608.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-293126" class="wp-caption-text">実質的な「投資非課税」となる新NISA。岸田首相の本気度が窺える</figcaption></figure>
貯蓄から投資へ――。岸田文雄首相（65）が掲げる「資産所得倍増プラン」は、日本国民に積極的な投資参加を呼びかけているが、その軸となる制度が変わる。投資の利益にかかる税金が免除されるＮＩＳＡ（少額投資非課税制度）が、’24年から大幅に拡充されるのだ。
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株や投資信託の売却益や運用益には、約20％の税金がかかる。現行のＮＩＳＡは、つみたてＮＩＳＡなら年間40万円、一般ＮＩＳＡ（一般の株取引）なら年間120万円まで非課税になる。
ただし、つみたてＮＩＳＡなら20年、一般ＮＩＳＡなら５年経つと、株や投信を売却するか、課税対象になる口座に移すか選ばなければならなかった。一般ＮＩＳＡとつみたてＮＩＳＡの併用はできず、生涯非課税投資枠もつみたてＮＩＳＡで800万円。騒がれて久しい&#8221;老後資金２０００万円問題&#8221;を解決するには心もとない原資だ。
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一方、新ＮＩＳＡでは、長期運用を目指す「つみたて投資枠」と自分で個別銘柄を選んで買う「成長投資枠」の２階建てで運用できるようになる。生涯非課税投資上限額は合計１８００万円、非課税保有期間は無期限になる。つみたて投資枠の年間投資上限額が、現行の３倍になることはとくにインパクトが大きい。
「金融資産を保有している世帯の平均値は１６９８万円、中央値は7５０万円ですから、ほとんどの人が１８００万円の枠に収まっている。これは実質、一般家庭が行う投資にはほぼ税金をかけないという、政府の大盤振る舞いと言っていいでしょう」（ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏）
<h2>口座も投信も「定番」がある</h2>
つみたて投資枠では、毎月１００円の少額から運用可能だ。運用益をさらに再投資して運用益がつく「複利」の効果を得られるのがつみたて投資のメリットである。つみたて投資枠のみで生涯非課税投資枠１８００万円を使い切るとどうなるのか。経済ジャーナリストの頼藤太希氏が試算する。
「仮に、年率５％で運用した場合を想定しましょう。毎月５万円を投資した場合、枠を使い切る30年後には４１６１万円、投資開始から50年後には１億１０４１万円になる計算になります。元本から９０００万円以上も資産が増える可能性があるのです」
自分のペースで運用を進められるつみたて投資は、リスクも比較的少ない。まずは証券口座を開き、ＮＩＳＡ口座を作ることから始めよう。どの証券会社を選べばいいか、頼藤氏が解説する。
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「取り扱っている投資信託の商品は、どの証券会社も大差ありません。楽天のポイントを貯めている、いわゆる&#8221;楽天経済圏&#8221;を使いこなしている人は楽天証券で開設するのがいいと思います。ポイントで言えば、ＳＢＩ証券もひとつの選択肢。三井住友カードの『Ｖポイント』が貯まるので、運用以外の部分でもメリットがあります」
楽天証券の場合、郵送でもスマホでもＮＩＳＡ口座を開設できる。運転免許証などの本人確認書類とマイナンバーを送り、本人確認が済めば取引開始だ。
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つみたてＮＩＳＡは、投資信託の対象銘柄が決まっている。それでも、ＳＢＩ証券で見ると180以上の対象銘柄があり、どれにすればいいか迷ってしまう。
頼藤氏が続ける。
「初心者には、日経平均など株価指数と連動したインデックスファンドを投資の軸にするのをおすすめします。価格の変動が比較的小さく、明快で堅実な運用に向いています。まず挙がるのが、ＳＢＩ・全世界株式インデックス・ファンドか、ｅＭＡＸＩＳ Ｓｌｉｍ 全世界株式の２銘柄。どちらもオール・カントリー型と呼ばれるもので、日本や米国を含めた全世界に分散投資する商品です。運用実績が比較的安定していて、ＳＢＩ全世界株式インデックスファンドは、ここ５年のリターン（税引き後の分配金＋売却益）が8.21％と堅調です。オール・カントリー型の投信一本でも良いと思います。米国株式の比重を大きくするのであればＳＢＩ・Ｖ・全米株式インデックス・ファンドやｅＭＡＸＩＳ Ｓｌｉｍ 米国株式（Ｓ＆Ｐ500）といった投信と併せるのも手です」
もう少しリスクを取っても高い利回りを得たい人は、ファンドマネージャーが投資の構成比率を決めるアクティブファンドを積み立てるのもいいだろう。前出・深野氏はこう言う。
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「アクティブファンドは信託報酬が高いのがネックですが、それを超えるリターンを上げている投信もあります。おすすめは、アセットマネジメントＯｎｅが運用する企業価値成長小型株ファンド。日本の小型株数十銘柄で構成されており、過去５年で15.54％のリターンを出しています」
安定したオール・カントリー型のインデックスファンドを中心に、高いリターンが見込める商品を少額組み合わせて買うのが、賢明な投資設計と言えるだろう。
ちなみに、「成長投資枠」を使って個別株を買いたい人は、どの銘柄が狙いどころか。前出の頼藤氏が言う。
「個別株で運用成績の底上げを狙うスタンスがいいでしょう。好業績の日本株では、株価の下落暴落に強いクボタやコマツといった銘柄にしましょう」
もちろん米国株を買うこともできる。頼藤氏は、こちらも安定成長銘柄を押さえるのがベターと言う。
「プロクター・アンド・ギャンブル（Ｐ＆Ｇ）や、コカ・コーラなど、数十年以上にわたって増配を続けている大企業の株を買うのがおススメです。個別株は投信と比べて値動きが大きく、そのぶんリスクも高いので、ＮＩＳＡ枠の３割程度にとどめておいた方がいいでしょう」
<div data-friday-nextpage-lead="ＮＩＳＡへの疑問を一気に解決！"></div>
<h2>ＮＩＳＡへの疑問を一気に解決</h2>
今回、はじめてＮＩＳＡで投資するという人も多いだろう。制度が移行されるまで、さまざまな疑問が浮かぶハズだ。一問一答形式で解決していこう。
Ｑ：必ず毎月積み立てないといけない？
Ａ：毎月でなくても問題なし。年２回以上の買付けがあれば、制度上は積み立てとみなされるので、金銭的に余裕がない月はスキップしても構わない。
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Ｑ：すでにＮＩＳＡ口座を持っている人は、新制度移行の手続きが必要？
Ａ：必要はないと見込まれる。自動的につみたて投資枠と成長投資枠が設けられた口座に移行される。
Ｑ：楽天→ＳＢＩのように、証券口座の金融機関の変更は可能か？
Ａ：可能。各金融機関で申請フォーマットがあるので、ネットで申し込みすれば積み立てを継続したまま変えられる。
Ｑ：新制度が始まる’24年まで、投資するのを待つべきか？
Ａ：「待つ必要はありません。現行制度と新制度は別物で、今年のつみたて非課税上限40万円は別枠で継続するからです。複利や非課税の恩恵を得るためには、早ければ早いほどいい」（頼藤氏）
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Ｑ：理屈上は、月30万円×５年で「最速１８００万円」を達成できる。これを目指したほうがいいのか？
Ａ：「おススメしません。短い期間で投資を積み上げると、高値掴みのリスクが出てきます。つみたてＮＩＳＡのセオリーはとにかく長期間運用すること。10年、20年というスパンで考えましょう」（頼藤氏）
Ｑ：つみたて投資でやってはいけないことは？
Ａ：つみたて投資は短期的にはマイナスが出ることも多い。その際にいわゆる「狼狽（ろうばい）売り」をしてしまうと、複利の効果を得られず、損だけが手元に残ってしまう。急にお金が必要になっても大丈夫なように、現預金はある程度確保し、余剰資金を投入することも徹底したい。
Ｑ：学資保険や国債など他の金融商品を手放して、新ＮＩＳＡ一本に絞るべき？
Ａ：「ＮＩＳＡは元本保証がないので、リーマンショックのような事態が起きると一気に資産を減らすことになる。あくまで、現預金などと組み合わせて資産形成すべきです」（深野氏）
投資に「100％確実」はないが、セオリーに反しない限り、魅力的で安全な制度であることは間違いない。正しくリスクを取りながら、長い目で見て老後資産を安定形成しよう。
<figure id="attachment_293124" aria-describedby="caption-attachment-293124" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="73673e37"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/aflo_147159776.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-293124" class="wp-caption-text">「配当貴族」として人気のコカ・コーラは個別株で狙い目</figcaption></figure>
<figure id="attachment_293125" aria-describedby="caption-attachment-293125" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8e7f35b8"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/aflo_152499900.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-293125" class="wp-caption-text">コマツやクボタの建機は世界の需要が高く、株も人気</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_293130" aria-describedby="caption-attachment-293130" style="width: 1940px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7852e0aa"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/WF0210_P057a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-293130" class="wp-caption-text">株価は１月23日現在。</figcaption></figure>
<a href="#" data-ident_hash="e18352db"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/01/WF0210_P057b.jpg" alt=""></a>
『FRIDAY』2023年2月10日号より
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アフロ

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