懲役2年6か月……若い女性遺体の胸を揉み自ら撮影 元葬儀会社社員の「信じられないわいせつ行為」 | FRIDAYデジタル

懲役2年6か月……若い女性遺体の胸を揉み自ら撮影 元葬儀会社社員の「信じられないわいせつ行為」

篠塚貴彦被告 前代未聞の犯罪が明らかに 葬儀場のトイレでのスマホ盗撮25件と 建造物侵入で起訴

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
篠塚被告からわいせつ行為をされた女性の母親は「死後のわいせつ行為が法律で罰せられるようになってほしい」と訴えた
篠塚被告からわいせつ行為をされた女性の母親は「死後のわいせつ行為が法律で罰せられるようになってほしい」と訴えた

≪2021年から2022年にかけて東京・大田区の葬儀場で、女性の遺体へのわいせつ目的で複数回、職場の安置室などに侵入した罪などに問われ、逮捕起訴されていた篠塚貴彦被告(42)に対し、東京地裁は2月3日、懲役2年6か月、執行猶予4年の判決を言い渡した。遺族が亡くなった家族を心穏やかに見送る葬儀を取り仕切るスタッフが行っていた信じがたい蛮行。篠塚被告はどんな男なのか。1月20日の初公判や遺族の取材を続けてきた高橋ユキ氏がFRIDAY本誌2月10日号に書いた記事を紹介する≫

―――

「すべて病気のせいだというんですか、あなたは!」

法廷に男性検察官の大きな声が響いた。問いかけに答えられず、沈黙していた男・篠塚貴彦被告(42)は、勤めていた葬儀会社で、訪問客や遺体に対し、信じがたい蛮行を繰り返していた。1月20日に東京地裁で開かれた篠塚被告への初公判で、すべてが明らかになった。

舞台は東京・大田区の葬儀場。篠塚被告はここで葬儀を行うために安置されていた若い女性らの遺体に対し、胸を揉(も)み陰部に指を出し入れするという性的接触を行い、その様子を自身のスマホで撮影していたのだ。

一連の犯行が明るみになったきっかけは、篠塚被告による盗撮行為だった。彼は遺体へのわいせつ行為だけでなく、職場の女性用トイレで盗撮も繰り返していた。冒頭陳述によれば昨年10月、子供とともに式場を訪れた客が、子供からこう告げられたのだという。

「トイレにケータイが置いてある」

するとほどなく、篠塚被告がやってきて言った。

「私のです」

その場でスマホの中身を確認したところ、先ほどトイレを利用していた子供の映像があった。こうして盗撮容疑により逮捕されたのち、スマホの解析を行うなか、遺体へのわいせつ行為も発覚した。起訴されているのは25件のトイレ個室内における盗撮と、遺体へのわいせつ行為のために葬儀場に許可なく立ち入ったという3件の建造物侵入。つまり、3名の女性の遺体に対し、わいせつ行為を働いたことになる。「盗撮は5年前から繰り返していた」というから、実際の件数はそれよりもはるかに多いことだろう。

篠塚被告は被告人質問で「撮りたい気持ちを抑えられなくなった。突発的な犯行だった」と内なる衝動が止められなかったと釈明。また盗撮犯はその動画を自身の性欲発散のために見返すことがあるが「悪いことをしているという自覚があったので、動画を削除すること自体考えていなかった。見返すこともなかった」と、あくまでも犯行は”盗撮のスリル”そのものが目的だったと抗弁していた。さらに「自分は『性依存症』なのではないかと感じ、専門医で投薬治療やプログラムに参加することにしている」と、自分は病気だったと語る。そして「捕まると思っていなかったし、捕まっても話がここまで大きくなるとは思っていなかった」と繰り返した。

少なくとも5年間も盗撮を続けながら逮捕に至らなかったため、気が大きくなっていたのか。だが検察官はそんな言い訳を繰り返す篠塚被告を許さなかった。「亡くなった身体に触ってみたかった」と言う篠塚被告に対し「なんでそんなところを触るんですか! 亡くなった方や家族、遺族の方に対して、すまないとか思わないんですか! 胸や局部、性欲以外の何ものでもないですよ!」と追及。

「その時は、なぜかわからないが触りたい気持ちがどうしても抑えられなかった」

こう答えた篠塚被告に、検察官がぶつけたのが、冒頭の質問だった。

職場で犯罪を繰り返していた篠塚被告には妻との間に二人の子供がいる。証人として出廷した妻は「子煩悩な父親で、真面目で優しい人。そのようなことをするとは思っていなかった」と、篠塚被告を評する。離婚することなく妻として支え、生活していくことを約束していた。

「職場には申し訳なかった。今後は家族のために絶対にやらない」と、裁判の最後に誓っていた篠塚被告。家族を思う気持ちがあるのならば、葬儀の場で遺体にわいせつ行為を働けば、その家族がどのような気持ちになるかがわかるはずだ。にもかかわらず、彼は逮捕から現在まで、遺族へ謝罪の手紙を送ることも、連絡をとることもしていない。勤務していた葬儀会社は「裁判中なのでお話しできることはない」と取材に対しノーコメントの姿勢を見せながら「ご遺族には誠心誠意対応してはいます」と回答している。

しかし遺族の母親は「逮捕を知って葬儀場には私から連絡しましたが、それまで葬儀場からも連絡はありませんでした」と篠塚被告や葬儀場の対応に憤る。

「話がここまで大きくなるとは思っていなかった」と繰り返していた篠塚被告。自分がどれほど取り返しのつかないことをしたのか、認識する日が来るのだろうか。

篠塚被告が勤めていた都内の葬儀場。撮影した日も葬儀が執り行われており、周辺に多くの車が停まっていた
篠塚被告が勤めていた都内の葬儀場。撮影した日も葬儀が執り行われており、周辺に多くの車が停まっていた

『FRIDAY』2023年2月10日号より

  • 取材・文高橋ユキ(傍聴ライター)

    傍聴人。フリーライター。『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)、『暴走老人・犯罪劇場』(洋泉社新書)、『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)、古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)など殺人事件の取材や公判傍聴などを元にした著作多数。6月1日に「逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白」(小学館)が新たに出版された

  • PHOTO高橋ユキ(遺影の写真)

Photo Gallery2

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事