『舞妓さんちのまかないさん』に出演中！三浦理奈 “世界の是枝”が惚れ込んだ次世代女優が語る野望

「演技のオーディションが終わって、一人で控え室にいたら是枝（裕和）監督がわざわざ声をかけに来てくれたんです。でも、その時は期待に応えられなかった悔しさでいっぱいになっていて、是枝監督の顔を見た瞬間、わっと泣き出してしまいました。『監督に迷惑がかかるからダメだ』って自分に言い聞かせるたびに、また涙が止まらなくなって……」

女優・三浦理奈（19）は公開中のNetflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』のオーディションをそう振り返る。

同作は、主演の森七菜、出口夏希をはじめ、松坂慶子、常盤貴子、橋本愛、松岡茉優など錚々(そうそう)たる女優たちが名を連ねる。そんな中、是枝監督が”ダイヤモンドの原石”として見出したのが当時17歳の三浦だった。

「オーディションのお話が来たのは２年前の秋頃で、演技審査は是枝さんからセリフを頂き、即興で演じるというものでした。ところが、監督のファンというのもあって、緊張から伝えられた言葉がほとんど頭に入らず、全然ダメで……。２回目のオーディションでも納得がいく演技ができなくて、モヤモヤした気持ちのまま控え室に戻ったんです」

冒頭はそんな矢先に起こった出来事だ。号泣する彼女をエレベーターまで送り届けたのも是枝監督だったという。

「エレベーターを降りてもずっと涙が止まりませんでした。オーディションはもちろん諦めていました」

しかし、結果はまさかの合格。それどころか是枝監督自ら、彼女と同じ滋賀県出身の役柄を作る”当て書き”まで行った。まさに熱烈オファーだった。

「聞いた時は頭の中が真っ白になりました。落ちたとばかり思っていて、そのショックで原作の漫画も読まないようにしていたんです。だからすごく頭の中が混乱していました」

状況が飲み込めないまま臨んだ撮影だったが、現場は終始、和やかな雰囲気の中で進んでいったという。

「松岡茉優さんや橋本愛さんと一緒にゲームの話や漫画の話、あとは恋バナで盛り上がりました。お二人が色々と話を振ってくれたりして、楽しい現場でした」

そんな三浦が芸能界入りを果たすきっかけとなったのは、’16年の第41回ホリプロタレントスカウトキャラバンだ。

「中学１年生の時、両親と一緒に東京へ旅行に行ったんです。原宿の竹下通りを歩いていた時に声をかけて頂いたのが最初です。父や母は喜んでいたんですが、私が芸能界をまったく知らなくて『事務所って何？』っていうのが率直な反応でした（笑）」

その年、両親の勧めもあり、スカウトキャラバンに応募。見事、審査員特別賞を受賞する。

「当日は全然緊張しませんでした。もう何が何だかわからなくて、ずっと笑ってた記憶しかないんです。たぶんアホに見えていたと思います（笑）。でも、審査員特別賞と言われた時、『グランプリじゃないんだ』と、すごく悔しくなりました」

その悔しさをバネに、デビュー後は快進撃を続ける。『記憶捜査２』（テレビ東京系）や話題作『真犯人フラグ』（日本テレビ系）にも出演。昨年12月には京阪ホールディングスの旅客誘致キャンペーンキャラクター『８代目おけいはん』に就任するなどすぐに頭角を現した。

この１月で19歳を迎えた三浦。そんな彼女がいま、目指すのがアクション作品だ。

「子供の頃から体を動かすのが大好きで、中学の時には陸上部に所属していました。そのせいか、昔からアクション系の作品を見ることが多かったです。特に『奥様は、取り扱い注意』というドラマの綾瀬はるかさんが本当にかっこよくて、何度も見返しました。自分もあんなアクションのできる女優になりたいなって。プライベートでは10代のうちに車の免許を取るのが目標です。実はドリフトをやってみたくて……。それもアクション好きだからかもしれませんね（笑）」

アクション映画でハンドルを握る姿が観られる日も、きっと近いだろう。

Profile
みうら・りな／’04年１月、滋賀県生まれ。’16年、第41回「ホリプロタレントスカウトキャラバン」において審査員特別賞を受賞し芸能界デビュー。現在、Netflixで配信中の『舞妓さんちのまかないさん』に出演中

『FRIDAY』2023年２月９日号より