<figure id="attachment_294139" aria-describedby="caption-attachment-294139" style="width: 2240px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="56759132"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/aflo_205276416.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-294139" class="wp-caption-text">昨年12月、W杯でスペインを撃破してグループリーグ１位突破を決めた瞬間。喜びを爆発させている三笘薫（中央）は世界最高峰のプレミアリーグで活躍が止まらない（写真：アフロ）</figcaption></figure>
<p>サッカー日本代表の第２次森保ジャパンが３月24、28日のキリンチャレンジ杯で再始動する。日本サッカー協会（JFA）は昨年末のW杯で史上初めて過去優勝国のドイツ、スペインを撃破。“代表バブル再現”に鼻息は荒く、３月の国際試合にむけて、NHKと全民放に対し、親善試合のTV放映権料を１試合２億円と提示した。ところが３月の試合では対戦相手として選びたかった欧州やブラジルなど強豪国の招聘が難航。JFAは放映権料の大幅ダウンを避けるために、TV局側に苦肉のプランを提示していたことが判明した。</p>
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<p><span class="strongInContent">「JFAから持ちかけられた時には驚きましたね。一律で提示された金額ではなく、最新の世界ランキングに照らし合わせて段階的に価格を決めることになったんです。JFAはこれまで頑として放映権料の価格をいじらなかったですからね。こんなことはかつて記憶にないですね」</span></p>
<p>民放のスポーツ担当ディレクターが苦笑いしながらそう語る。</p>
<p>サッカー日本代表は1998年W杯初出場から右肩上がりで大躍進を続けてきた。チームの結果以上に毎年１００億円近く売り上げる「儲かるソフトだった」（同前）からだ。TV視聴率も右肩上がりで多くのスポンサーも付き、グッズの売り上げ、国内の親善試合はプラチナチケット化した時期もあった。</p>
<p>その後、人気は徐々に下がり、コロナ禍でお客さんを呼べない時期も経験。日本代表人気は「過去の栄光」になろうとしていたが、昨年末のW杯カタール大会で森保ジャパンは大健闘。2026年W杯北中米大会に向けて、「儲かるソフト」に復活させる機運が高まっていた。</p>
<p>そこでJFAは主催する第２次森保ジャパンの親善試合のTV放映権料をこれまでより5000万円高い「１試合一律２億円」で各局に提示した。ところが、なかなか相手国が決まらない。相手が決まらなければ、特に民放の場合、スポンサーを募るために企業に交渉を持ち掛けるにも、プレゼンする“材料”がないのと同じだ。</p>
<p>それでも、何とかして売りたいJFAは「一律２億円」という方針を軟化させ、現在の日本代表のFIFAランク20位より高い対戦国を招聘できた場合のみ「満額２億円」という放映権料、20位以下であれば、ランキングにあわせて5000万円刻みで下げるプランを提案したという。事実上の放映権料の値下げであり、このような体系はサッカー日本代表の放映権料では初めてのことだ。</p>
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<p>JFAにとって満額２億円は死守したかった。カタールW杯以後も、欧州最高峰の英・プレミアリーグで活躍する三苫薫（ブライトン）らニューフェイスの台頭で、従来より5000万円値上げして、２億円になったとしても売れる、と踏んでいた。ところが、前述のように肝心の対戦相手選びに難航しているのだ。別の民放TV局ディレクターが明かす。</p>
<p>「<span class="strongInContent">３月は欧州の強豪国を呼べないんです。それは欧州ネーションズリーグ（UNL）の影響ですよ。2018年から欧州サッカー連盟(UEFA）主催で始まりました。W杯や欧州選手権のない年に開催される代表チームによる国際試合です。</span></p>
<p><span class="strongInContent">欧州では強豪国でも日本のように代表戦でお金を稼ぐことができない。でもUNLに参加するだけで、強豪国でもない国も出場給が入るのでわざわざ日本に行って親善試合する必要性が完全になくなりました。前回2020～21年にかけて開催されたUNLで優勝したフランス代表も約14億円の賞金をゲットしていますから３月に欧州勢が来る可能性はほぼないんです」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="推定３億円のギャラでブラジルを呼んだ"></div>
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<figure id="attachment_294140" aria-describedby="caption-attachment-294140" style="width: 8640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1d9bfb93"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/aflo_204547323.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-294140" class="wp-caption-text">カタールW杯でスタンドを埋め尽くした日本代表サポーター。現地で取材した記者によると「かなりの日本人サポーターが集結して声援もすごかったのでホームのような雰囲気だった」。この熱気を取り戻したい（写真：アフロ）</figcaption></figure>
<p>では南米はどうなのだろうか。JFAは昨年のW杯の約半年前にあたる昨年６月、21年ぶりにブラジル代表を招聘した。この時、ブラジル連盟に支払ったギャラは総額３億円といわれ、従来の親善試合の定価より３倍近くかかった。この前年の2021年、W杯２次予選を戦った森保ジャパンの視聴率はゴールデンタイムで放送されても、１試合も10％にすら届かない低空飛行が続いていた。だが、世界的エース、ネイマールを筆頭にフルメンバーで来日したブラジル代表戦で世帯視聴率22.4%まであがり、(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で久々の20％超えとなった。前出の民放TV局ディレクターが続ける。</p>
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<p><span class="strongInContent">「今、NHKも含めて民放局が意識しているのは、10代から40代までがいかに視聴しているかなんです。このブラジル戦ではこの年齢層の数字（視聴率）も良かったし、強豪国との対戦だったら見てくれることがわかった。ですから私たちも強豪相手の代表戦なら２億円の放映権料でも決して高いとは思わない。ただ今回ブラジル代表が来る可能性は低いでしょう。３億近いギャラを再び払える財力が今のJFAにはありませんから」</span></p>
<p>日本代表強化の責任者である反町康治技術委員長（58）は３月の国際試合の相手がいまだに決まらない状況に「欧州との対戦が今回も難しい、というところであるなど四苦八苦している」と現状を明かした上で、こう続けた。</p>
<p><span class="strongInContent">「２月に入っても（３月の対戦相手が）決まらなかったら、かなりのプレッシャーになる」</span></p>
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<p>残念ながら悪いシナリオが現実になってしまっている。欧州や南米の強豪国を呼べないと踏んだJFAでは、３月の試合で、カタール大会で４位と健闘したモロッコ代表（最新世界ランク11位）や同大会では予選敗退で出場できなかった南米の強豪コロンビア代表（同17位）と交渉中。実現すれば、JFAは当初提示した放映権２億円を満額確保できる見通しなのだが……。</p>
<p>３月の２試合を終えると、さらに国内で６月と11月に計４試合の国際試合を行い、その11月から2026年W杯に向けたアジア２次予選が早くも始まる。昨年のW杯で集まったサッカー熱を「儲かるソフト」にもう一度つなげる戦いは予想以上に苦戦を強いられている。</p>
<figure id="attachment_294142" aria-describedby="caption-attachment-294142" style="width: 1758px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="dec9f404"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/aflo_205270278.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-294142" class="wp-caption-text">スペイン戦で値千金の同点弾を決めた堂安律（中央）。右の三笘薫とともに次の日本代表をリードするだろう（写真：アフロ）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_294143" aria-describedby="caption-attachment-294143" style="width: 5889px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e90eb2e6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/aflo_205271723.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-294143" class="wp-caption-text">カタールW杯・スペイン戦で勝ち越し弾につながるアシストをした三笘（右から２人目）があきらめずに決勝ゴールを決めた田中碧（背番号17）にクロスをあげた決定的瞬間（写真：アフロ）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_294144" aria-describedby="caption-attachment-294144" style="width: 2816px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="897426b9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/aflo_205276552.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-294144" class="wp-caption-text">過去、W杯で優勝したスペインを撃破し、グループ１位突破を決めた瞬間。三笘の鍛え抜かれた上半身があらわになった（写真：アフロ）</figcaption></figure>


昨年12月、W杯でスペインを撃破してグループリーグ１位突破を決めた瞬間。喜びを爆発させている三笘薫（中央）は世界最高峰のプレミアリーグで活躍が止まらない（写真：アフロ） サッカー日本代表の第２次森保ジ

当初は「２億円」を提示していたが…日本サッカー協会が「放映権料」をめぐってTV局に示した苦肉の策

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