大阪府警を目指した20代後半…見取り図・盛山が軌跡を語る「僕の芸人人生はミスだらけ」 | FRIDAYデジタル

大阪府警を目指した20代後半…見取り図・盛山が軌跡を語る「僕の芸人人生はミスだらけ」

緊張のあまり「なんばグランド花月」出演拒否、 借金まみれで自宅を失う、 生放送でのやらかし事件…

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「漫才は『立ち話』。二人がそろえば、マイクがなくてもできる。その形に憧れたんです」と語る盛山
「漫才は『立ち話』。二人がそろえば、マイクがなくてもできる。その形に憧れたんです」と語る盛山

現在、レギュラー番組は多数。舞台にも連日立ち続け、動画配信なども積極的に行っている。今最も忙しい芸人の一人の『見取り図』盛山晋太郎(37)は、疲れをまったく感じさせない野太い声で話し始めた。

「休み? もらうようにしてますよ。昔、テレビで芸人さんたちが『〇日間休みないです』とか言ってたのは古いと思ってますから。でも、(昨年4月に)東京来る前はしんどかったな。1年間で東京-大阪を180往復の200泊だったから。5日連続新幹線の始発乗ったりもした。そんなことあります? なんで一回大阪帰ってるん、そもそも(笑)」

″浪速の劇場番長″と呼ばれた見取り図が東京に拠点を移して10ヵ月。少し違和感を覚えていることもあるという。

「東京のテレビのテロップ。1回ロケで相方(リリー)に『シバき回すぞボケ』ってツッコんだら、テロップで『殴るぞバカ』になってた。そんなに関西弁ってアカンの?(笑)岸和田で営業するときなんかは『殺したろか、お前』とかツッコむと『ヒャッヒャッヒャ』ってお客さん笑ってくれるけど(笑)。だから無意識のうちに東京ではまろやかな関西弁を話しているかもしれないですね。
大阪でもよく聞かれるんですよ、東京との違いを。聞かれすぎて最近はめっちゃウソついてます。『東京は12車線の道路ありましたよ』とか(笑)」

路上のシケモクを吸った日

そう豪快に笑う盛山だが、15年の芸人生活ではたくさんの苦労もしてきた。

「20代の10年間はずっと借金してた。大阪NSC(吉本総合芸能学院)の授業も出ないでパチンコ屋に並んでた。近くの7店舗くらいを偵察して、回転数とかメモって『期待値高い台はアレや』とかいって翌朝開店前から並んで……みたいなクソみたいな生活送ってましたよ。
家賃払えなくて家追い出されて、トランクルームに荷物入れて、劇場に2ヵ月くらい住み着いてたこともあった。ケータリングとか吉本の社員さんが持ってきてくれるパンとか食べられるから、生活はできるんですよ(笑)」

芸人を辞めたいと思ったこともあった。

「辞めたいと思ったことなんてめちゃくちゃあります。一番つらかったのは、30歳前くらいのときかな。家もなくて、タバコを吸うカネもなくて、公園に落っこちているシケモクに手を伸ばした。そして吸った。あの時、『オレは終わりや』って思った。人生の最底辺。
借金だらけで、仕事で結果も出ないし、メンタルも落ちてたので、大阪府警受けようとしてたこともある。今考えればそんなヤツ、受かるわけないねんけど(笑)」

生放送で、イベントで……

若いころにはたくさん失敗もした。関西ローカルの生放送番組では、思わず放送禁止用語でツッコんだ。お菓子をPRするイベントで「フェレットの味がする」とボケたこともあった。

「生放送で『チ〇コやないか!』ってツッコんで、局の人からものすごく怒られた。それから何年かその番組には出られなかった。お菓子の時も、会社から怒られて、その仕事はなくなった(笑)。
そういうミス、『若いころしてたわぁ』とかじゃない。今も全然あります。最近も番組で先輩から『脱げ』ってボケで言われたのに、しっかり脱いでみせた(笑)。もちろんオンエアはなし。ホンマにミスが多い人間なんです」

今も昔も「自信はない」

20代後半を「結果が出ていなかった」と振り返った盛山だが、デビュー当時から『見取り図』は高い評価を得ていた。芸歴4年目にして聖地・なんばグランド花月での単独ライブを打診されたことまであった。

「『なんばグランド花月で単独ライブせえへんか?』って会社から言われたことがありましたね。でも、何を血迷ったのか、ビビって『無理です! 無理です! やりません』って断った(笑)。最終的にはやらせていただきましたけど」

誰もが立つことを憧れる舞台をなぜ拒否したのか?

「自信がなかったんですよ。ネタにも集客力にも。『自分なんてまだまだ』って感じで……。
僕は昔から自信家じゃないんです。今もそう。学生時代もそう。髪型とか雰囲気とか、イカツい感じでやってるじゃないですか。これも自信家じゃないからなんです」

ブレイクを果たした盛山は、今後何を目指すのだろうか?

「古いと言われても自分はテレビのMCとか、昔から描かれる〝成功例の人〟になりたい。千鳥さん、かまいたちさんを追っかけて上京したわけだから。テレビのド真ん中で活躍したい。もちろん漫才はずっとやっていきます。
自分はミスも多いし、自信家じゃない。カッコつけられないから、そのままの自分でやっていきます。オモロいものはオモロい。無理なものは無理。センスないものはない(笑)。そんな感じで」

小細工なしの自然体――。忖度(そんたく)だらけの時代だからこそ、盛山の姿は今後も輝き続けるだろう。

見取り図・盛山晋太郎 ブレイクまでの軌跡を語るのロングバージョンはこちら!

多忙な毎日。「長い休みがあったら台湾に行きたい。でも結局はスロットに行ってるかもしれない(笑)」
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本誌未掲載カット 見取り図・盛山晋太郎 ブレイクまでの軌跡を語る「僕の芸人人生はミスだらけ」
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『FRIDAY』2023年2月17日号より

  • 取材いけるか小机PHOTO東山純一取材協力田舎はるみ

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