<figure id="attachment_201391" aria-describedby="caption-attachment-201391" style="width: 342px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="79536ff8"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/08/ab561f35ca1f37c1b2596ab2a872d358.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-201391" class="wp-caption-text">工藤会への家宅捜査で捜査員に同行した野村被告。10年４月撮影（画像：共同通信社）</figcaption></figure>
<p>一審判決から約１年半。ようやく控訴審の日程が決まった。</p>
<p>元漁業組合長らを射殺したとして、殺人や組織犯罪処罰法違反（組織的な殺人未遂）などの罪で死刑判決を受けた特定危険指定暴力団「工藤会」総裁の野村悟被告（76）と、無期懲役を言い渡されたナンバー２で会長の田上不美夫被告（66）について、福岡高裁は控訴審の初公判を９月13日に開くとしたのだ。両被告は無罪を主張し控訴していた。</p>
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<p>『ＦＲＩＤＡＹデジタル』は、21年８月25日に両被告が裁判長を恫喝する戦慄の法廷の様子を報じた。公判の様子や裁判が長期化する背景について、詳細を振り返りたい（記事は一部修正しています）ーー。</p>
<h2>「ヒドいなぁ、アンタ……」</h2>
<p>福岡地裁101号法定。</p>
<p>それまで落ち着いた様子で裁判長の発言を聞いていた暴力団トップの様子が、主文を告げられると一変した。証言台近くの長イスから立ち上がると、裁判長をこう威嚇したのだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「公正な裁判をお願いしていたんだけどねぇ。こんな裁判あるんか……。アンタ、生涯このことを後悔するぞ！」</span></p>
<p>ともに審理されていたナンバー２の被告も、退廷直後に言い放った。</p>
<p><span class="strongInContent">「ヒドいなぁ、アンタ……。足立さん！」</span></p>
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<p>21年８月24日、福岡地裁（足立勉裁判長）で重大な判決が言い渡された。「工藤会」トップの野村被告に求刑通り死刑。田上被告を無期懲役としたのだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「キッカケは福岡県警が14年９月に始めた、野村被告ら工藤会の幹部を一斉逮捕する『頂上作戦』です。98年に起きた元漁業組合長の射殺や歯科医師刺傷など、４つの凶悪事件に工藤会トップが関与していると認定。約3800人規模の態勢で捜査にのぞみ、野村被告らを逮捕しました。</span></p>
<p><span class="strongInContent">公判は19年10月から始まります。福岡地裁は選出された人に危害が及ぶ危険性があるとし、裁判員裁判の対象から除外。野村被告は７年近い勾留期間を過ごしましたが、無罪に自信をみせていたそうです。実行犯として、関与を裏づける明確な証拠はありませんでしたからね」（全国紙社会部記者）</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="「詮索するとヤバいことになる」"></div>
<p>工藤会は、福岡県北九州市に本部を置く。その存在は特別だ。地元では「凶暴な組織」として知られ恐れられているのだ。北九州市に住む住民が語る。</p>
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<p><span class="strongInContent">「工藤会がらみの傷害事件が起き、被害を受けた関係者に事情を聞いたことがあります。すると彼は私の肩をポンポンと叩き、こう言いました。『オマエのためや。何も知らないほうがイイ。オマエの親も兄弟も地元におるやろ。下手に詮索するとヤバいことになる』と。</span></p>
<p><span class="strongInContent">問題が起きれば一般人にも手を出すこともあった。昔の話ですが、北九州市内のバーが『暴力団お断り』の張り紙を玄関に貼っていたことがあるんです。しばらくすると、そのバーは銃器で破壊されたような惨状になっていました。工藤会の倉庫には、対戦車用のロケットランチャーなど、自衛隊も驚くような武器が保管されていたといわれます。目的達成のためには、どんな方法だろうと手段を選ばないようです」</span></p>
<p>野村被告が自信をのぞかせていた通り、警察が問題視した４事件に工藤会トップが関与した明確な証拠はなかった。だが工藤会の結束は、毎朝、野村被告を幹部組員が正座で出迎えるほど固い。足立裁判長は「（野村総裁ら）両被告に無断で（組員が単独で事件を）起こすとは到底考えがたい」とし、重い判決に踏み切ったのだ。</p>
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<p>裁判が長期化した背景には、特殊な事情がある。</p>
<p><span class="strongInContent"> 「明確な証拠がないため、野村被告は無罪に自信をみせていたそうです。弁護団からも『無罪を勝ちとれる』と説明を受けていたといわれます。</span></p>
<p><span class="strongInContent">しかし、フタを開けてみれば死刑判決。期待を裏切られた野村被告は、控訴趣意書の提出期限ギリギリの22年７月に弁護団約10人を全員解任します。</span><span class="strongInContent">おかげで日程は、一旦白紙になったんです。野村被告は、多くの重大事件を担当した敏腕弁護士と接触。新たな弁護団を組み、控訴審でも無罪を主張すると思われます」（全国紙司法担当記者）</span></p>
<p>９月から、緊迫の公判が再び開かれる。</p>


共同通信社

指定暴力団「工藤会」のトップに死刑判決が下された公判。被告は「後悔するぞ！」と裁判長を恫喝し無罪を主張。判決から約１年半を経てようやく控訴審の日程が決まった。裁判が異例の長期化する戦慄の事情だ。

「アンタ、生涯後悔するぞ！」と裁判長を恫喝…「工藤会」総裁「裁判が異例の長期化」戦慄の背景

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