「まるでゾンビ」「薬をやっているのか倒れない」…ウクライナ兵が明かした「ロシア囚人兵」絶望の戦場 | FRIDAYデジタル

「まるでゾンビ」「薬をやっているのか倒れない」…ウクライナ兵が明かした「ロシア囚人兵」絶望の戦場

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セルビアの首都に描かれた「ワグネル」の壁画(画像:AP/アフロ)
セルビアの首都に描かれた「ワグネル」の壁画(画像:AP/アフロ)

〈彼は悪魔です〉

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の元指揮官アンドレイ・メドベージェフ氏は、同社の創設者プリゴジン氏をこう表現した。逃亡先のノルウェーで、米メディア『CNN』の取材に応じた際の発言だ。メドベージェフ氏は次のようにも語っている。

〈「ワグネル」は戦いたくない兵士を1ヵ所に集め、新人兵の目の前で射殺し塹壕に埋めました。プリゴジン氏は囚人を不適切に扱った罪で起訴されるべきだ〉

「ワグネル」は、プリゴジン氏自らが刑務所に赴き殺人や強姦を犯した囚人を傭兵として雇っている。月給はロシアの平均的な会社員の倍。ウクライナ前線で6ヵ月戦い、生きて帰ってくれば重罪を免除される契約だという。「ワグネル」は、前線から戻った囚人兵を幹部がこう言ってねぎらう動画を公開している。

「君たちは半年間アドレナリンを使ったので、1ヵ月は事件を起こさないだろう。酒を飲み過ぎないように。ドラッグを使わないように。もうレイプをしないように」

「人間の盾」

昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)

だが『CNN』に答えたメドベージェフ氏の発言によると、囚人兵の実態はお粗末極まりないようだ。

〈戦術も何もありません。敵の位置を教えただけです。どう行動すべきか明確な命令はなかった〉

『CNN』は2月1日、東部バフムトで実際に「ワグネル」の囚人兵と戦ったウクライナ兵たちの話も報じている。内容は生々しい。

「『CNN』によると、囚人兵の装備は貧弱で訓練を受けていない様子だったそうです。戦闘は突撃を繰り返す肉弾戦。10人単位で30mほど前進すると、塹壕を掘って拠点を作ります。彼らがウクライナ側の砲撃で命を落とせば、新たに10人が投入されるそうです。少しずつ前進し囚人兵が全滅すると、初めて戦闘経験のある部隊が投入されるとか。取材に応じたウクライナ兵は、囚人兵を『人間の盾』と表現しています」(全国紙国際部記者)

囚人兵の戦闘姿勢は尋常ではないという。

「ウクライナ兵によると、囚人兵は全身から血を流しながら向かってくるとか。いくら撃っても、なかなか倒れないのできりがない。戦友の遺体を踏み越え、麻薬をやっているのかガムシャラに突撃してくるそうです。まるでゾンビ映画のようだったと……。

ウクライナ兵の多くは、常識では考えられないような囚人兵の行動に『恐怖を覚えた』と語っています。10時間も機関銃を撃ち続けたため、銃身が熱くなり交換しなければ戦えなかったとか。弾丸も手榴弾も使い果たし、味方の一人は正気を失いかけてしまったそうです」(同前)

米国当局は、ロシアは「ワグネル」の兵士を「消耗品」として扱い、ウクライナ軍の弾薬を枯渇させるのが狙いだと分析している。「ワグネル」の無謀な戦闘により、ロシア軍の死傷者は20万人に近づいているという。

昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
昨年12月に行われた「ワグネル」傭兵の合同葬儀(画像:ロイター/アフロ)
  • 写真AP/アフロ ロイター/アフロ

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