話題作『silent』でも脚光…!井上祐貴「小栗旬さんのようになりたくて」 注目俳優を直撃!
令和初のウルトラマン、『ウルトラマンタイガ』(テレビ東京系)では主人公を、見逃し配信再生数が歴代最高を記録して話題となった『silent』(フジテレビ系)では、鈴鹿央士演じる戸川湊斗の同級生を熱演。デビュー4年目ながら第一線で活躍している俳優の井上祐貴(26)だが、「オーディションを受けるまで芸能界に入るとは思ってもみなかった」という。
「高校生の頃から美容師になりたいと思っていたのですが、実行に移す程の思いではなく、大学に進学しました。大学3年生の夏頃、みんなが就活する中で自分だけがぼんやりとしていた。そんな僕を見かねた友達が『じゃあ、これでも受けてみたら?』とホリプロタレントスカウトキャラバンに応募してくれました。それまで芸能界なんて考えたこともなかった。1次審査の面接でも、周りの応募者たちがギターを弾くなど芸を披露する中、ただ面接官の質問に受け答えしていました。受かるなんて思ってもいなかった」
ところが、1次審査は合格。「元来、やると決めたらとことんやる性格。2次審査前にはすっかり『グランプリをとってやるぞ!』と意気込んだ」という井上を待っていたのは自信喪失だった。
「最終審査に残ったメンバーで合宿をしました。様々なメニューを行う中でダンスが全然上手くいかなくて……。僕はサッカーも水泳も得意で、『自分は運動神経がよくて器用』だと思って生きてきたけど、ただ単に出来ることしかやってこなかったんだなと思い知らされました」
井上は講師に頭を下げ、猛特訓を開始。ダンスの審査後は感極まり、講師に抱きついて号泣。審査員特別賞を受賞した。
「芸能界に入ってから、初めて経験することばかりでした。中でも、主演した映画『Bittersand』の撮影は印象に残っています。8日間で撮りきるタイトなスケジュールで、睡眠時間は連日1時間半ほど。イジメられるシーンがある役だったので、バケツで水をかけられるテイクを何度も撮り直したり。上手くできないことが悔しかった。役に没入しすぎて共演者の方々やスタッフさんたちにも相当気を遣っていただきました。ハードな撮影でしたが、芸能界に挑戦して自分が不器用だと気付けていたから、必死に喰らいついていけたんだと思います」
オーディションを受けるまで芸能界は眼中になかったが、唯一意識していたのが小栗旬(40)なのだという。
「子供の頃にドラマ『花より男子』(TBS系)や『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)を母と観ていて、カッコいいなあと憧れていましたが、自分が撮影でアクションを経験してからは、ガラリと見方が変わりました。ドラマ『CRISIS公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)で小栗さんのアクションの凄さに気付いたんです。たとえばキック。僕は力強く蹴っているつもりなのに、オンエアを観ると弱々しい。小栗さんは軽く蹴っているのに迫力が段違い。自分の見せ方や体力、表情の演技などに習熟しないと出来ないことです。いつか僕も小栗さんのように演じられたら!」
いくつもの壁をブチ破りながら、怒濤の進撃は続く。
「FRIDAY」2023年2月17日号より
- 撮影:足立百合