「あなたが美人すぎるから」と中国高官が嘆息…圧倒的人気も代表選辞退「韓国美しき議員」写真

韓国政界で波紋を呼ぶ事態が起きた。

３月８日に行われる与党「国民の力」の代表選に出馬表明していた、ナ・ギョンウォン前議員（59）が突然辞退を表明したのだ。１月に調査会社『ハンギルリサーチ』が発表したデータによると、ナ氏の支持率は30.7%と圧倒的な人気。２位のキム・ギヒョン候補の18.8％を大きく引き離していた。

背景には何があったのだろう。詳細を説明する前に、「美しすぎる議員」として有名なナ氏の人となりを紹介したい。

「ナ氏の美しさが注目されたのは15年３月です。中国の劉建超外務次官補と会談した時のこと。劉氏はナ氏を前にして、こう嘆息しました。『我々２人が記者会見を開けば、記者はすっ飛んでくるでしょう。あなたが美人すぎるから……』と。劉氏の発言は韓国でも大きく報じられ、以来『美しすぎる議員』と呼ばれるようになったんです」（韓国紙記者）

以後、ナ氏の人気はうなぎ上りとなった。

「19年３月には、国会で北朝鮮との融和政策をとろうとする文在寅大統領（当時）を激しく批判。『（北朝鮮の指導者）金正恩氏のスポークスマンのようだ』と糾弾しました。

舌鋒の鋭さに、同じ党の議員から『ギョンウォン！　ギョンウォン！』とナ氏への称賛コールが起きたほどです。それから、権力と戦う女性というイメージが定着。15世紀のフランスの救世主ジャンヌダルクになぞらえ、『ナダルク』と呼ばれています」（同前）

ネットのあだ名は「氷姫」

ウィークポイントは「華麗なる経歴」だという。

「ナ氏は、幼稚園から高校まで運営する『ホンシン学園』の創設者の娘です。ソウル大学大学院を卒業し、92年に司法試験に合格。釜山地裁の判事やソウル行政裁判所を経て、02年に政界入りしました。女性裁判官の政界入りは韓国で２人目です。同い年の夫もソウル高裁の判事でした。

11年にはソウル市長選に立候補しますが、彼女の華麗なプロフィールがマイナスとなり落選しています。討論番組などでは相手を徹底的に論破。見下すような態度をとるため、ネットでは『氷姫』と揶揄されることもあるんです。ナ氏は上流階級の冷たい女性というイメージを払拭するために、自身のＳＮＳでジャージャー麺を食べる庶民的な画像をアップしています」（同前）

政治家としての能力も経歴も申し分ないナ氏。なぜ高い支持を得ながら、代表選の不出馬を表明したのだろう。

「表向きは『党の分裂と混乱を避けるため』としていますが、納得している人はいないでしょう。どうやら尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の近い人物たちが、出馬を取りやめるよう圧力をかけたようです。尹大統領の側近とされるチャン・ジェウォン議員は、ナ氏のパフォーマンスを『通俗的な政治劇』と批判。多くの議員が同調しましたから。

ナ氏と尹大統領は、政策で相いれない部分が多いですからね。弁論にたけ有能なナ氏が代表になれば、政権運営がしづらくなると考えたのかもしれません。ナ氏は尹大統領側からの集中攻撃に、耐えられなくなったようです」（全国紙国際部記者）

ナ氏の不出馬により、与党の代表選は混迷を深めることとなった。