「チケットが取れない」春風亭一之輔が『笑点』新レギュラーを受けたウラにある「事務所への恩義」 | FRIDAYデジタル

「チケットが取れない」春風亭一之輔が『笑点』新レギュラーを受けたウラにある「事務所への恩義」

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21人抜きで真打ちに昇進するなど、人気&実力ともにトップクラスの春風亭一之輔
21人抜きで真打ちに昇進するなど、人気&実力ともにトップクラスの春風亭一之輔

人気番組『笑点』の新レギュラーに春風亭一之輔が決まった。いつもながら事前に情報漏洩はなく、日本テレビサイドの手綱はお見事としかいいようがない。

「他の出演者に一之輔さんの名前が伝えられたのは1月の収録時のこと。2月4日の収録にやって来た一之輔さんに、ベテランレギュラー陣からは『何で受けたの?』『これだけ売れていたら出る必要ないじゃない?』という手荒な祝福の言葉が飛んだそうです」(番組関係者)

一之輔を紹介する際、“日本一チケットが取れない落語家”という枕詞がつく。東京の寄席に出演することをベースにしながらも、その実入りだけでは暮らせないのが落語家という職業。多くの収入を都内の落語会、地方の落語会から得ている。売れっ子になればなるほど、先々の土日の仕事から予定が埋まる。

’19年7月に一之輔は、大手芸能プロダクション・ワタナベエンターテインメントに所属した。とはいうものの、当時

「3年先まで夜の予定が埋まっていて、テレビの収録などのスケジュールが切れませんよ」

という事務所関係者の嘆きの声を聴いたことがある。

この“嘆き”を額面通り受け取ってはいけない。多少割り引きが必要だ。

というのも、土日の夜の予定は埋まっていても、平日の夜まですべて埋まっていることは考えにくいからだ。寄席の顔付けは、そんな先々までされることはない。

ただ一之輔が忙しいということが、このうれしい嘆きからは分かる。

だからこそ、仕事も十分で、芸も高く評価され、すでに知名度もある一之輔がなぜ『笑点』の出演依頼を受けたのか――。

本人も「迷いに迷った」と答えていたが、そのウラには『笑点』による知名度爆上げ効果と所属事務所との関係という2点があったという。

「『笑点』は、沖縄など一部放送されていない地域はありますが、ほぼ全国区。視聴率も高く、知名度は確実に上がります。

知名度が上がれば、地方のイベンターが落語会を組む際、必ずといっていいほどブッキングします。いわゆる“お座敷が増える”と。落語家にとって一席でも多く落語をしゃべることができる喜びは、何事にも代えがたいでしょうね」(演芸関係者)

ただ心配なことは、都内の寄席への出演機会が減るかもしれない、という懸念だ。一之輔は寄席を大切にし、都内の寄席を掛け持ち出演することもざら。ところが笑点メンバーの動きは、この掛け持ちの規模が全国区になる。

「以前、林家たい平さんからこんな話を聞いたことがあります。昼間、宮城県仙台市で独演会に出演する→新幹線で帰京→東京駅で事務所スタッフが着替えの受け渡しをする→そのまま関西へ移動→翌日の独演会のため前乗りする、というスケジュール。

これが日常なのだといいますよ。それほどまで『笑点』出演による知名度の爆上がりは、強烈なのでしょうね」(同・演芸関係者)

一之輔がそのように引っ張りだこになれば、寄席の出番が今よりは減ってしまう。寄席ファンにとっては、ちょっとがっかりな事態になることは考えられる。

だが、そんな状況は、所属事務所にとっては“うれしい”悲鳴になりそうだ。

「所属した当時の取り決めは、寄席や落語会のスケジュールは引き続き一之輔さん自身がコントロールし、メディア出演などについてのマネージメントをワタナベエンターテインメントに預けるというものでした。一之輔さんは、事務所のお世話になりながらも、“あまり儲けさせていないんだよ”と同業者にもらしていたことがありました。

今回、日テレは所属事務所に出演依頼。事務所としては、所属タレントがレギュラー番組にブッキングされるほどありがたいことはない。一之輔さんは迷ったそうですが、所属事務所への恩義や貢献を考えれば“出演するしかないか!”と考えて、舵を切ったのもごくごく自然なことでしょうね」(芸能プロ関係者)

一之輔にもプラス、所属事務所にもプラス、『笑点』にとってもプラス。三方がまるく収まりニコニコ。一之輔が出演することで、みんなが恩恵を受ける。こんなめでたい決定はない。

「一之輔さんは、毒も笑いも自在に扱えるスキルがあり、当意即妙の大喜利もお手のもの。『笑点』に出ることで、林家三平さんのように叩かれる心配もないでしょう。

一之輔さんのタレント性、スター性は今後ますます、確実に上がる。それに伴い芸も上がれば、言うことはないでしょうね」(前出・演芸関係者)

テレビで一之輔を見る視聴者よりも、寄席や落語会に足を運ぶ落語のお客さんの耳目が、落語家という長い人生を生きる上では、最もありがたいことを一之輔は合点している。『笑点』効果をまんまと取り入れて、一之輔はさらに芸の階段を駆け上がるはずだ――。

  • 写真共同通信社

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