地震、噴火、洪水「フォトルポ」災害の時代を生きる
阪神大震災、東日本大震災、雲仙普賢岳噴火、西日本豪雨ほか
東日本大震災
平成23(2011)年3月
3月11日14時46分、M9.0の大地震が発生。大津波が東日本沿岸を襲い、1万5000人超の犠牲者を生んだ。翌日、福島第一原発がメルトダウン。現在も復興と廃炉作業は道半ばだ

「数多くの災害が起こり、多くの人命が失われ、数知れぬ人々が被害を受けたことに言葉に尽くせぬ悲しみを覚えます」
昨年末、在位最後の誕生日会見にあたり今上天皇は、こう口にした。平成最後の「今年の漢字」も「災」。じつはこの催しが始まった’95年に阪神大震災が起きた。その年選ばれた漢字は「震」であった。日本という国の成り立ちと災害は、それほど切っても切れない関係なのだ。
平成最初の大災害となった雲仙普賢岳噴火から、数々の惨状を本誌は捉え続けてきた。この30年は地質学的には決して平らかではなかったが、それでも、この列島で我々は生きていくしかない。


撮影:郡山総一郎、結束武郎
揺れに揺れた地震列島ニッポン
北海道南西沖地震
平成5(1993)年7月
7月12日22時過ぎ、奥尻島沖で発生したM7.8の地震が津波を引き起こし、200人を超える犠牲者が出た。震源が島から近かったこともあり、津波の到達は地震から数分後だったことも後に明らかに

撮影:藤内弘明
新潟県中越地震
平成16(2004)年10月
10月23日、M6.8の直下型地震が新潟県を襲い、山古志村他で大規模な土砂崩れが発生。揺れは阪神・淡路を上回り、各地の集落は孤立を余儀なくされた

撮影:小松寛之
福岡県西方沖地震
平成17(2005)年3月
3月20日、玄界灘で発生したM7.0の地震で玄界島の家屋半数が全壊。福岡地方では約300年ぶりの大地震だったが、以後、九州地方は度々地震に見舞われる

撮影:陣内雅義
熊本地震
平成28(2016)年4月
4月14日21時すぎM6.5、28時間後の16日1時25分にはM7.3の地震が立て続けに起こり、熊本地方に死者50人を含む甚大な被害をもたらした

撮影:豊嶋孝仁
阪神・淡路大震災
平成7(1995)年1月
1月17日5時46分、淡路島北部沖の明石海峡を震源としてM7.3の地震が発生。兵庫県を中心とした関西圏のインフラを直撃し、都市機能をマヒさせた。また犠牲者の数も6434人に上った

撮影:伊坂 登

撮影:神立尚紀
緑の山々が時に火を噴いた
雲仙普賢岳噴火
平成2(1990)年11月〜
198年ぶりに噴火した雲仙普賢岳はいったん活動低下しながら、翌’91年2月に再噴火。6月には火砕流による死者が発生した。現在も山肌には土石流の跡が残り、警戒が続く

撮影:小泉範芳
三宅島噴火
平成12(2000)年6月〜
度々噴火してきた三宅島。だが同年6月からの大噴火は2500年ぶりと言われる規模で、主峰雄山の西にある阿古地区の7割が火砕流に呑まれた。一時全島住民が避難したが、現在は噴火警戒レベル1となり帰島が進む

撮影:中村勝彦
日本の誇る美しい河川が泥流に
広島土砂災害
平成26(2014)年8月
8月20日、安佐地区を襲った局地的集中豪雨により住宅地後背の山が崩壊。166ヵ所で土砂災害が発生し74人が死亡した。行方不明者の捜索は難航し、完了まで1ヵ月を要した

関東・東北豪雨
平成27(2015)年9月
台風17号と、18号から変わった温帯低気圧による豪雨で、鬼怒川が決壊。1万2000棟以上の家屋が浸水した。写真の常総地区は、1棟を除いて次々家屋が押し流される様子が報じられた

撮影:中村和彦
西日本豪雨
平成30(2018)年7月
梅雨前線と台風7号による広範囲の豪雨により200人以上が死亡。中でも広島県では4年前の土砂災害の傷も癒えぬまま114人と最悪の犠牲者数を記録している

写真:アフロ