″ルフィ”がついに日本へ強制送還…あなたも狙われている！「個人情報流出」と「闇バイト」の巧妙手口

2023年02月11日

７日、成田空港から東京・渋谷署に移送される今村容疑者。移送される飛行機のなかで今村・藤田ともに逮捕

日本を震撼させた広域強盗事件の主犯格たちがついに強制送還された。

２月７日、”第一陣”として今村磨人(きよと)容疑者（38）と藤田聖也(としや)容疑者（38）が、９日早朝に渡邉優樹容疑者（38）と小島智信(とものぶ)容疑者（45）が空港に降り立った。

「渡邉容疑者たちは闇バイトと称し、タタキ（強盗）の実行犯らを募集。今年１月には強盗殺人事件まで発生しました。警視庁はかねてから彼らの送還を要求していましたが、フィリピン政府はこれに応じていなかった。今回の強盗殺人事件で一気に交渉が進み、身柄の引き渡しが実現しました。強制送還後、指示役のリーダーとされる渡邉容疑者を含めた４人から話を聞き、真相解明を進めていく予定です」（全国紙社会部記者）

今後、取り調べの焦点となるのが彼らの具体的な犯行手口である。なかでも気になるのは、犯行先の選定だ。渡邉容疑者たちはいかにして強盗や詐欺のターゲットを用意していたのか。鍵を握るのは”名簿”と呼ばれるリストの存在である。

「近年、企業による個人情報の流出が多発しており、今年１月10日には大手保険の『アフラック』と『チューリッヒ』の顧客、合わせて約200万人の個人情報が流出したと発表しました。実は、こういった企業から流出した個人情報が、闇バイトの犯行に使われている可能性が高いのです」（警視庁関係者）

「裏社会では、ありとあるゆる個人情報リストが販売されている」と語るのは、ある闇バイトのブローカーだ。

「リストを扱っているのは『名簿屋』と呼ばれる業者で、売られているリストは多種多様。大手の健康食品やネットショッピングの購入者、セミナーの参加者一覧に、保険の加入情報もあります。リストの相場はおおよそ１件につき数円程度。大抵の場合はエクセルにまとめられ、関係者に向けて『こういうリストが入りましたので良ければ』と連絡があるんです」

では、名簿屋はどのようにしてリストを手に入れているのか。

「ハッキングによる入手はもちろん、ヤクザや半グレ組織が関係者の弱みを握って脅して顧客情報を手に入れたり、カネに詰まって自分から売り込んでくる奴もいる。名簿屋はただ売るだけ。それをどう使うかは購入者の自由です」（同前）

それらの流出リストが今回の広域強盗に利用された可能性は高い。渡邉容疑者の元部下はリストについてこう語る。

「ボス（渡邉容疑者）のもとで特殊詐欺をやっていた時はネットに上がっている情報を使うこともありましたが、一部のメンバーは名簿屋からリストを購入していました。基本的にボスのグループの犯行には、名前、住所、電話番号さえあれば十分。重要なのはかけ子（電話をかける）部隊で、営業などのふりをして電話をし、言葉巧みに資産情報を聞き出していました。これも会話マニュアルがあります。ボスのグループはそうやって自分たちで電話を掛けて名簿をブラッシュアップしていた。このオリジナルのリストが、タタキのターゲット選びに利用されていた可能性があります」

恐るべきことに、犯罪グループに渡るのは”流出した情報”に限らないという。

「分け前を目当てに自分の知り合いの情報を渡してくる奴もいます。仲の良い人間がカネの隠し場所や資産額をそれとなく聞き出し、犯行グループに渡す。強盗中、指示役の隣に知人がいて、電話で間取りやカネの在処(ありか)を伝えているケースもあるんです」（前出・ブローカー）

あなたの個人情報も、もうすでに彼らの手に渡ってしまっているかもしれない。