「ピーチ姫」コスプレも…高樹千佳子 『めざましテレビ』キャスターが不動産会社の美人広報になるまで | FRIDAYデジタル

「ピーチ姫」コスプレも…高樹千佳子 『めざましテレビ』キャスターが不動産会社の美人広報になるまで

スペシャルインタビュー 家族にも相談せず「独りの決断」 「はじめての就職活動」で気付いたこと 不動産業界で見つけたもの

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業務で多くの時間を割いているのがプレスリリースの作成。「手応えがあったのは『コロナ禍を受けた住宅意識調査』。多くのメディアの方にご覧いただき、取材にも繋がりました」
業務で多くの時間を割いているのがプレスリリースの作成。「手応えがあったのは『コロナ禍を受けた住宅意識調査』。多くのメディアの方にご覧いただき、取材にも繋がりました」

両手で丁寧に差し出された名刺には、たしかにこう書かれていた。

〈OPEN HOUSE GROUPマーケティング本部 広報宣伝部 係長 多田千佳子〉

『めざましテレビ』(フジテレビ系)のお天気キャスターを務め、”千佳ちゃん”の愛称で朝の顔となった高樹(旧姓)千佳子アナ(43)は、結婚・出産を経て、美人広報ウーマンに転身していた。

横浜国立大学在学中にスカウトされてフリーアナウンサーとなり、多くの番組で活躍していた彼女が転身を図ったのは39歳のときだった。

「フリーアナウンサーは星の数ほどいますが、結婚・出産しても第一線で続けていけるのは、人気と実力を兼ね備えたほんの一握りの方だけ。40代になって20〜30代と同じペースで仕事が入ってくることは望めないし、子育てしながらですから、物理的にも難しいと思ったんです」

長い目で考えたとき、キャリアアップする40〜50代の自分の姿が思い描けなかった。組織の一員として企業で働く経験もしてみたかった。

芸能界引退という一大事だったが、「思い悩んだり、葛藤したりはなかったですね」という。転職先も目移りせず不動産業界一本に絞った。

「独りで決めました。気持ちを固めてから家族に伝えたので、とくに反対もされませんでした。豪胆!? そんなに意外ですか?(笑)。メディア以外で働くなら不動産業界と決めていました。ヨーロッパの建築や防災に興味があって、大学は建築学科だったんです。そうは言っても40歳目前、子供がいて残業もできない人を『誰が雇うんだ?』と思いますよね。だからせめて資格くらいはと、事前に宅建(宅地建物取引士)の資格を取りました」

宅地建物取引士の合格率は15〜17%という狭き門だが、「宅建って、試験が年に1回しかないんですよ。落ちたら一大事だと、大学受験以来、久しぶりに頭をフル回転させて脳が痺(しび)れました」と千佳ちゃんスマイルを見せた。

「ただ、資格は取れても大学時代にアルバイトしたくらいで、一般企業で働いたことがない。履歴書を書くのもはじめてで、転職活動というより就職活動でしたね」

ところが『リクナビ』に登録して3ヵ月ほどで2社から内定を獲得した。一般企業の面接に、全国区のアナウンサーが来たら、「テレビ、観てましたよ!」と、さぞ盛り上がったことだろうが……。

「ないです(笑)。普通に自己紹介から始まって、転職理由や志望動機を聞かれて。超大手広告代理店と超有名外資系コンサル会社から転職してきた方が面接官だったときには、私から転職理由を逆質問してしまいました」

’19年5月に入社した『オープンハウスグループ』での会社員生活は、はじめてのことだらけ。定期券を自分で買う、タイムカードを打刻する、経費精算や各種の手続き……全てが未知の経験だった。

「いかに恵まれた環境にいたのか、どれほど周りに助けられていたのか、身に沁(し)みましたね。就職活動したからこそ、気付けたことです。フリーアナウンサーだとパソコンを使うことがほとんどなく、送られてきた原稿や台本を見るとか、ブログの更新をするくらいでした。だからWordやExcelも、ほぼ使ったことがありません。『これPDFにして送って』と言われても、『PDFって、なんですか?』というレベル。近くの席の人に聞きまくりました。思い返すと本当に恥ずかしいし、『この人、何も知らないんだな』と引かれていたと思います(笑)」

右も左もわからない時期を乗り越え、今や係長という中間管理職。対応業務は幅広い。彼女と同じ、広報宣伝部の計屋(はかりや)晴香氏が言う。

「メディア向けのプレスリリース作成や媒体関係者へのアプローチ、取材対応、SNS運用、社内報の作成といった一般的な広報業務全般に加え、記者発表会や社内イベントの司会、自社が提供するラジオ番組のパーソナリティなど、前職のスキルも活かされています。成績優秀者の表彰式の司会を多田が務めることもあり、そこで同僚に『めざましテレビ、観ていました!』と声をかけられることも」

「ピーチ姫」のコスプレでイベントの司会をした際は盛り上がったという。

「まだまだ周りに助けられながら、階段を上っている途中です」と本人は謙遜するが、その表情は明るかった。

「フリーアナ時代の記憶で最も鮮明に覚えているのが、『めざましテレビ』の出演者の方との初顔合わせの場面です。目の前に大塚範一さん(74)、小島奈津子さん(54)、吉田恵さん(46)がいらして、『テレビの中の人たちだ!』『顔ちっちゃ!』って(笑)。これからこちらの世界に行くんだと、あのワクワクがいまも蘇ります。その後、いろんなところに行かせていただきましたし、スーパースターともお仕事させていただきましたが、それも慣れるというか、あの顔合わせを凌ぐ場面はなかった。ところがいまは違う。この年齢になってもはじめてのことがたくさんあって楽しい。夢中になれるんです」

長女が今年、小学生になるが、バックアップ体制は整っている。

「子育てや家庭を優先することに理解がある会社で、ここ数年の育児休業復帰率は100%。子供の行事も優先させてくれます。上司も『中途半端になるより、やりきって!』と言ってくれる。『オープンハウスグループ』に入社を決めたのは、”成長に勢いがある会社なら、自分も早く成長できるのでは”と思えたからですが、一次面接の面接官が子育て中のママで『この会社なら、働きながら子育てもできる』と感じたことも大きかったです」

不動産業界で「やりがい」を見つけた喜びを語りながら、視聴者を癒やしたあの千佳ちゃんスマイルが蘇った。

オフィスの自席にて。インスタグラムなどのSNSに力を入れ、YouTubeの動画編集にも挑戦中だという
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’20年10月からTOKYO FMの『オープンハウス presents ググっと!GOODTOWN』でパーソナリティを務める
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元フリーアナのスキルを活かして記者会見や社内イベントでは司会を担当。「ピーチ姫」のコスプレで登壇したことも
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本誌未掲載カット 高樹千佳子 『めざましテレビ』お天気キャスターが不動産会社の美人広報になるまで
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『FRIDAY』2023年2月24日号より

  • 取材・文鍬田美穂PHOTO小松寛之 本人提供(ピーチ姫、ラジオ)

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