「肉まん食べますか?」と事故相手に…被害者がブチギレ告発!茨城・城里町長の「ありえない事故対応」
「信号待ちでいきなり後ろから突っ込まれたんです。凄まじい衝撃で、私は首を打撲しました。警察によると、相手は時速30㎞は出していたそうです」
茨城県水戸市でイベント会社を経営する山中雄輔さん(仮名・33)は、事故の状況をそう振り返った。冷静だが、強い怒りを抑えた口ぶりだ。
茨城県城里町の上遠野修(かとうのおさむ)町長(44)が、1月16日18時頃、県内の国道で衝突事故を起こした。自家用車を運転中、3車線ある道の右折レーンで信号待ちをしていた山中さんの車に追突。翌日、茨城新聞の報道で明らかとなった。
上遠野町長といえば、’21年5月、高齢者に先駆けてコロナワクチンを受けた「優先接種問題」で知られる。「町長は医療従事者」という言い訳は批判を浴びた。
そんなお騒がせ町長は、事故後の現場でも”ありえない態度”で被害者に接していたという。山中さんが続ける。
「事故後、警察に連絡した上で、互いの車を近くのコンビニへ移動した。するとあの人は、肉まんを買ってきて、『食いますか?』と。誠意ある謝罪もなくですよ? その後も、自分の保険会社に電話をしたかと思えば、『相手は怪我していません』と伝えている。さすがに、『何を勝手に決めてるんだ!』と怒りましたよ」
やがて警察が到着し、連絡先を交換するよう促された。すると上遠野町長は、さらに信じ難い態度を取ったという。
「私は相手が町長だと気づいていなかった。それで名前を聞いたら、『かとうのおさむ』と言われたので、漢字を聞きながら携帯に入力して画面を見せたんです」
山中さんが入力したのは、〈加藤野修〉という名前だった。しかし上遠野町長は、「それで合ってます」と答えたのだ。
「警官にも携帯画面を見せると、『これ違いますよ』と。本人を問い詰めたら、『眼鏡が曇っていた』と言うわけです。でも、こちらは画面を一緒に見ながら入力したわけですから。名刺も渡さないし、こいつは信用ならないなと思いました。挙げ句の果てに、タクシーを呼び出して、『お先に失礼してもいいですか』と。『ちょっと待て』と、ひきとめました」
翌日、山中さんは報道を見て、相手が町長だったことを知って驚愕した。しかし以降も、一度だけ事務的な連絡が来ただけで、直接の謝罪はないという。
山中さんはこの「事故対応」に怒り心頭だが、本人はどう反論するのか。2月上旬、自宅前で上遠野町長を直撃した。
――相当のスピードを出していたのでは。
「仮に物凄いスピードなら私もムチウチなりになっていると思うんですね。でも特にそういうこともなかったので」
――謝罪の前に肉まんを渡した?
「何度も頭を下げたんですけどね。申し訳ございません、と。何か温かいものをと気を使ったんですが、それも突き返されちゃうし」
――間違った名前を伝えたのでは。
「寒くて眼鏡が曇っていて漢字がよく見えなかったんですよね。夕方18時くらいであたりは真っ暗でしたし」
――名刺も渡さなかった。
「商売以外では名刺は渡さないですよ」
――相手を残したまま先に帰ろうとした。
「警察から促されたので。でも相手に『もう帰るんですか?』と言われたので、見送ってから帰りました」
――事故相手は不誠実な対応だったと怒っています。
「私は謝ったと思うんですが……。保険会社の対応に不満が残っているのかもしれませんね」
「謝った」と繰り返した上遠野町長だが、相手に伝わらなければ、それは「誠意ある対応」とは言えないのではないか。
『FRIDAY』2023年3月3・10日号より
- PHOTO:小川内孝行(1枚目) 被害者男性提供(2~3枚目)