「著作権料ほしいくらい」岸田首相の「異次元の少子化対策」は国民民主・玉木代表の”丸パクリ”だった | FRIDAYデジタル

「著作権料ほしいくらい」岸田首相の「異次元の少子化対策」は国民民主・玉木代表の”丸パクリ”だった

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「異次元の少子化対策」について力説する玉木代表
「異次元の少子化対策」について力説する玉木代表

岸田文雄首相(65)が新年早々に掲げた「異次元の少子化対策」。“異次元”という言葉のチョイスに各所からツッコミが飛んだためか、1月23日の施政方針演説で首相は、「次元の異なる少子化対策」とさっそく表現を微修正した。

だが、この「異次元の少子化対策」、実は5年前にすでに提言されていたという。政策提言を行っていたのは、国民民主党の玉木雄一郎代表(53)だ。玉木代表によると、“異次元”という言葉だけでなく、その中身も自身の提言と酷似しているとのこと。「著作権料くらいはもらいたいものです」と笑う玉木代表に、岸田首相が掲げた「異次元の少子化対策」への評価と課題を聞いた。

――岸田首相の「異次元の少子化対策」という政策を聞いた時は、どう思いましたか。

玉木雄一郎(以下、玉木)「率直に、私が’18年に提案した発言と完全に被っているな、と(笑)。一緒なのは言葉だけでなく、内容もでした。『児童手当などの経済的支援の強化』、『すべての子育て家庭へのサービス拡充』、『働き方改革の推進』、この3つの軸も我々が考えていたものとほぼ同じだった。というより、まったく同じと言っても大袈裟ではありません。政策提案型のウチの党からすれば、ありがたいことではありますが(笑)」

――岸田首相をはじめとした現閣僚から、政策に関しての相談はありましたか。

玉木「この5年間、ずっと党として与党に伝えてきたことです。ただし、ここに至るまでずいぶん時間がかかってしまった。昨年の出生数が80万人を切り、ようやく危機感を持ったんだと思いますが、遅すぎる。結果論ですが、もし5年前に動いていたら、ここまでの数字にはなっていなかった可能性もある」

――“異次元”という言葉の着想はどこから生まれたのか。

玉木「当時、『異次元の金融緩和』という言葉が使われていたことがあり、そこからです。“異次元”と聞くと突飛な政策を連想するかもしれませんが、私は特別目新しいことは必要ないと考えています。国会でできることは、新しい当たり前の基準をつくること。“異次元”でやる必要があるのは、法案化までのスピード感でしょう。高齢化のスピードが国の予想よりも6年も早まっており、少子化対策も6年早めてやるべきだった。あとは財源調達の方法。お金がないからできないではなくて、こども国債を発行してでも速やかにやるべき。もう我が国の少子化問題はその段階に来ている」

――玉木代表はかつて、第3子を生んだ家庭に1000万円を給付する、という政策も提唱していました。

玉木「1000万円というと大きな額に感じますが、18歳までの月々で換算すると4万6000円ほど。現在の子ども手当の給付額を考慮しても、決して非現実的な数字ではない。実際にいろいろリサーチすると、経済的な理由で第3子を諦める、という例がすごく多いんです」

――4月に発足するこども家庭庁の予算総額は4兆8104億円。政府は倍増することを検討しているとの報道も出ていますが、この予算額についてはどうお考えですか。

玉木「この予算規模は妥当な数字だと思いますね」

――仮にこども国債を発行したとして、将来的な財源を税収で賄えるのか。

玉木「たとえば25~65歳まで40年間、年収500万円で働くと生涯賃金は2億円となる。2億円稼ぐサラリーマンは、所得税でおよそ5000万円、社会保険料などで5000万円支払う計算となります。単純計算ではありますが、税金を1億円納める人を1人産み出すのに、1000万円を使うのは非常に効率的な発想ではないでしょうか」

――代表質問では、「まずはこれまでの子育て政策の検証が必要だ」と強調されていました。

玉木「何十年も前から少子化対策が必要だと言われてきて、国や地方自治体でいろいろやってきた。その中で、そろそろエビデンスが伴う客観的な検証が必要だと考えています。特に今は、『自治体ガチャ』のような状態になってしまっている。『医療費』、『第2子以降の保育料』、『中学校の給食費』、『公共施設の遊び場』、『おむつ』など5つの無料化を実施した明石市は人口を増やし続け、鳥取県でも出生率が増加した。海外に目を向けても、先進国の中でフランスが出生率1.83という数字を記録している。そういった地方自治体や海外の成功した例を全部集めてくることは、必要不可欠。それを参考にして検証、取り入れるということが安全で確実です」

――岸田首相の施策の軸は現在の子育て世代を対象としたもので、低所得者層などの出生率増加に繋がるのか、という疑問の声もあがっています。

玉木「批判はあるかもしれませんが、少子化対策を考える際、夫婦から2人以上の子供が生まれることがもっとも大切だと考えています。厚生労働省の『人口問題研究所』の調査によると、複数の子供を諦めるのは圧倒的に経済的な理由が多いんです。もちろん低所得者の方の支援も重要ですが、こちらは福祉政策としてやるべき。少子化対策とは異なります。今の出生率を考えると、まじめに働き、ちゃんと税金を払っている中間層の方へ向けた経済的支援のほうが重要度は高いとみている。そして、そのほうが効果も高い、と。教育や子育ての問題を考えると、まず国が一番に取り組むべきは経済的支援だと思います」

――児童手当の所得制限撤廃も、少子化対策のためには優先度が高い、と。

玉木「それは間違いないです。賃上げと所得制限撤廃は、異次元の少子化対策の中でセットで考えるべき問題です。所得制限撤廃も、我が党で去年の6月、10月に2度法案を出し、ようやく議論となる段階に来た。賃上げ、所得制限撤廃を実現しないことには、いくら少子化対策を練ったところで劇的な効果は考えづらい」

――野党の代表として、今後どのようなスタンスで異次元の少子化対策に関わっていくのか。

玉木:「政策実現のために、野党だけでなく与党も巻き込み協力できるところはしていきたい。政府や担当大臣、与野党の幹部の方にも直接働きかけ、法案化を目指していくつもりです」

――岸田首相は「異次元」を「次元の異なる」と修正しましたが、それについてはいかがでしょうか。

玉木「おそらく岸田総理は、いろんな人から言われて発言を修正したんでしょう。少なくとも現段階では我々の提唱と、総理の言う『異次元の少子化対策』の内容はほぼ同じ。むしろ、だんだん近づいてきた感じです(笑)。あとは、財源調達の方法とスピード感までパクってくれたらいいな、というのが私の願いです」

「著作権料くらいはほしいですが、我が党としてはありがたい」と玉木代表は笑った
「著作権料くらいはほしいですが、我が党としてはありがたい」と玉木代表は笑った
  • 栗岡史明

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