年明けから回転寿司チェーンなどが被害を受けた悪質な「迷惑動画」の数々。なかでも岐阜県にある『スシロー』の店舗で、醤油ボトルの注ぎ口や未使用の湯飲み、レーンを流れる寿司に唾液をつけた“ペロペロ少年”には、莫大な賠償金が請求されるのではと注目が集まっている。
<figure id="attachment_297545" aria-describedby="caption-attachment-297545" style="width: 1068px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="907e2885"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/susirooooooo-e1677399165985.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297545" class="wp-caption-text">友人と「スシロー」を訪れた金髪の高校生。未使用の湯飲みの飲み口をレロレロと舐めて戻す、唾液を付けた指でレーンを流れている寿司をつつくなどした動画が拡散された。(Twitterアカウント「滝沢ガレソ」より引用)</figcaption></figure>
スシローは少年とその親の謝罪を受けた上で、「刑事民事の両面から厳正に対処してまいります」と公式サイトで発表。今回少年が負う賠償額は一体いくらになるのか。また、莫大な補償金を払わずに済む方法とは——。弁護士で元都議会議員の岡本光樹氏が解説する。
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「迷惑行為をした者、撮影をした者、それをSNSにアップした者に分けて責任の所在を考える必要があります。私は、悪質性でいえばSNSにアップした者のほうが高いと考えています。迷惑行為をした高校生は器物損壊罪にあたりますが、SNSで拡散しなければ、警察沙汰にもならず、謝って済んでいた可能性もある」
今回の例でいえば、拡散しなければ醤油ボトルや湯飲み、寿司への弁償額は数百円から数千円で済んだ可能性があるのだ。
「SNSで拡散されたことで社会的に大きな騒動となり、多くの人が飲食店で食事することに不安を抱くようになった。店側の被害が大きくなったことで、警察としても器物損壊罪や軽犯罪法違反にとどまらず、偽計業務妨害罪での捜査に発展してしまった」
スシローの株価は、一時、時価総額で170億円も下落した。ネットでは株価の下落分も少年が支払うことになるのではとの憶測も飛び交っているが、岡本氏はこれを否定する。
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「株価の下落は株主の損害ですから、スシローの損害ではない。一般的に迷惑行為と株価下落の因果関係を立証するのは難しいので、株主から訴えても勝てる見込みは低いでしょう。しかし、まだ安心できません。店の売上が落ちたとしてスシローが損害賠償請求をした場合は、個人で払える額をはるかに超える賠償金を請求される可能性があります」
<figure id="attachment_297541" aria-describedby="caption-attachment-297541" style="width: 3500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ae20429a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/aflo_33902905.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297541" class="wp-caption-text">スシローは、金髪の高校生とその親から謝罪を受けたものの、厳しく対応する旨を発表した</figcaption></figure>
とある蕎麦屋では、店のブランドを傷つけて閉店に追い込んだとして、迷惑行為を働いたバイト店員に対し1000万円を超える賠償金が科された事案もある。スシローが大手チェーンということもあり、今回の賠償額は数千万円にのぼると予想される。未成年が到底払える額ではないが、少年自身がその責任を負うこととなる。
「高校生でも自己破産して賠償責任を逃れることは可能ですが、破産法上、自己破産しても損害賠償義務がなくならない場合があります。彼が悪意をもってスシローのブランドを傷つけてやろうと考えていたとするならば免責されず、数千万、数億円の賠償金を払い続けることにもなり得ます」
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<figure id="attachment_297546" aria-describedby="caption-attachment-297546" style="width: 1045px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bed0159f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/susiroooookokoko-e1677399469795.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297546" class="wp-caption-text">レーンを流れる皿や寿司に手指消毒用のスプレーを吹きかけるまた別の少年。SNSではこの少年以外にも、醤油さしをなめる男、お茶の粉を直にかきこむ男の迷惑行為動画が投稿され、炎上している(Twitterアカウント「滝沢ガレソ」より引用)</figcaption></figure>
賠償の責任は本人にあるとはいえ、結局は経済力のない子供の賠償金は親が支払うことになる。自分の目が届かない場所で子供が迷惑行為を働く。そして、それがネットの海に放たれてしまったら——。そんな恐怖はないだろうか。
「簡単な対策があります。それは、自転車保険に加入することです。家族の賠償責任保険であれば、自転車事故以外の賠償責任も保険料年間6360円で３億円までカバーされます。火災保険に付帯している場合もありますね。
故意や職務によって生じた損害については、保険会社が保険金を支払わなくてもよいとされています。この故意免責については、過去の例でも争点となり、裁判官の判断がどっちに転ぶか、その時々の判断となります。
本事案ではわざとイタズラをしたところまでは故意ですが、その後ここまでの大騒動になることまでは予期していなかったと考えると故意ではないともとれる。どちらの判決になるかは予測が難しいですが、故意でないという判決が出たら、１人あたり３億円、居合わせた高校生３人とも保険でカバーされ、スシローには最大９億円の保険金が支払われる可能性があります」
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ついに逮捕者も出ている。3月8日には愛知県警が、住所不定・無職の吉野凌雅容疑者（21）らを威力業務妨害の疑いで逮捕した。吉野容疑者らには『くら寿司』の店内でしょうゆ差しの注ぎ口を直接口に含むなどして、その様子をSNSに投稿したことにより、同店の営業を妨害した疑いがもたれている。
飲食店はいつ自分のもとに被害がふりかかるのかと戦々恐々としている。そしてスマホを持つ子供の親にとっても、対岸の火事ではいられない。親世代では思いもよらない現代のトラブルに備え、保険加入をしておくのが賢明かもしれない。
<figure id="attachment_297542" aria-describedby="caption-attachment-297542" style="width: 5460px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="84e7a5e6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/02/aflo_120417101.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297542" class="wp-caption-text">寿司屋以外に、焼肉屋やうどん屋でも共用の紅しょうがを直食いする、使用済みの爪楊枝を元に戻すなどの動画が投稿されて被害が出ている</figcaption></figure>

アフロ

年明けから回転寿司チェーンなどが被害を受けた悪質な「迷惑動画」の数々。なかでも岐阜県にある『スシロー』の店舗で、醤油ボトルの注ぎ口や未使用の湯飲み、レーンを流れる寿司に唾液をつけた“ペロペロ少年”には

「自分の子供も醤油ボトルをペロペロするのでは…」迷惑動画で”多額の賠償金請求”はこれで防げる！

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