WEBを中心にフリーライターとして活動。また、書籍や企業PR誌の制作にも携わっている。専門分野は持たずに、歴史・お笑い・健康・美容・旅行・グルメ・介護など、興味のそそられるものを幅広く手掛ける。

安倍川 モチ子

<h3>芸歴10年目で掴んだ優勝！</h3>
<figure id="attachment_297938" aria-describedby="caption-attachment-297938" style="width: 8192px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4e9dcf19"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/5ceda7c345352771337e0c8770768fc6.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297938" class="wp-caption-text">街を歩いていても、誰からも声をかけられないんです。だから、世間からの反響を感じたことがないんですよ（苦笑）（撮影：川戸健治）</figcaption></figure>
次々と新しい賞レースが誕生する中、芸人人生が一変する若手芸人の登竜門番組がある。『ぐるぐるナインティナイン』（日本テレビ）の名物企画『おもしろ荘』だ。 
2022年の『おもしろ荘』で優勝を飾ったゆめちゃんは、その後、順調に活躍の場を広げ、2023年の同番組内で「昨年優勝したおかげで人生が変わった」と語った。 
『おもしろ荘』優勝後、彼女を取り巻く環境が、どのように変化したのか？ ビジネス面・プライベート面・精神面での変化をうかがった。 
<h3>先輩芸人の突然のアドバイスで生まれた「シカゴの女」</h3>
――ニューフェイスというイメージが強いんですが、実は今年で芸歴11年目を迎えるんですよね。
ゆめちゃん：実はそうなんです。スクールJCA21期生で、デビューは2012年になります。卒業後は「デンキスタンド」という女性コンビを組んでいて、2016年にピンになりました。コンビ時代は、ネタ番組や情報番組に出させていただいてましたし、個人でドラマや舞台に出させていただくこともありました。
<figure id="attachment_297939" aria-describedby="caption-attachment-297939" style="width: 605px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7ad8345d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/e78f223a6bd943d0d3c99282e4e72e8a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297939" class="wp-caption-text">今とはまったく違う、デビュー当時のゆめちゃん</figcaption></figure>
――「シカゴの女」ができたのは、いつ頃ですか？
ゆめちゃん：2021年です。それまでは、「ミュージカルでお悩み解決」、「プリンセス漫談」といったネタをしていました。昔からミュージカルやディズニーが大好きだったんで、自然と芸にも反映しちゃってました。 
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でも、ある時に先輩のうちまつげのつげさんから「ポップなミュージカルでお悩み解決、めっちゃ好きなんだけど、ゆめちゃんは見た目がポップだから、ポップなことされてもなって正直思うんだよね」って言われたんです、急に（笑）。 
「見た目ポップな女の子が、自分はいい女だと思い込んでて、セクシーなことを言う方が面白い気がする」って言われて、確かにその通りだなと思ったんで、すぐにネタ作りに協力してもらいました。 
――それでシカゴの女が生まれたんですね。
ゆめちゃん：実は私、ネタ作りがめちゃくちゃ苦手で、ネタ見せでもよくダメ出しを受けてたんです。毎回、頭を抱えながら何とか絞り出してたんですが、シカゴの女のネタはすぐにできて、はじめてネタ作りが楽しいって思えました。 
<figure id="attachment_297940" aria-describedby="caption-attachment-297940" style="width: 8192px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bec484c7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/aedb565a65f062eca75a6519356a98b1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297940" class="wp-caption-text">「やってる自分が楽しくなきゃ、お客さんも笑わないし、これが本当のネタ作りなのかって感動しました」</figcaption></figure>
――シカゴの女のネタを初めておろした時のまわりの反響はいかがでしたか？ 
ゆめちゃん：事務所の方や講師の方が、「どうしたの？」って驚いてました（笑）。「キャッチーで見やすい」「構成がしっかりしてる」とか、いろいろ褒めていただけて、その2か月後くらいに『ネタパレ』の出演が決まりました。
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――『ネタパレ』の『ニュースターパレード』ですね。
ゆめちゃん：オーディションに受かって出演が決まったとつげさんに報告した時、「俺は1年目の時から売れると思ってたよ。ちょっとスパイスを加えるだけで売れる子だと思ってたから、もっと早く言えばよかった」って。 
褒めてもらえて、めちゃくちゃ嬉しかったんですけど、たぶん、ミュージカルやお芝居のお仕事も続けていたから、のちに自分の強みとなる表現力を身につけられて、シカゴの女が完成したんだと思います。
<figure id="attachment_297941" aria-describedby="caption-attachment-297941" style="width: 8192px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c8dbc9be"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/703fae59c48d09b7ccadbe7a55d9c7ff.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297941" class="wp-caption-text">「昔は、『ゆめちゃんは女優だな』と言われ、自分が1番やっていきたいネタで評価してもらえないのが悔しかったのですが、今では必要な下積みだったと、素直に思えるようになりました」</figcaption></figure>
<div data-friday-nextpage-lead="ゆめちゃんの『おもしろ荘』優勝ドリーム"></div>
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<h3>『おもしろ荘』優勝後、母の言葉に涙</h3>
――『おもしろ荘2022』で優勝されましたが、この時が『おもしろ荘』初挑戦だったんですか？ 
ゆめちゃん：実は、デンキスタンド時代にも1度挑戦しました。当時はオーディションのシステムが今と違っていたんですが、最終2組まで残りました。結局、はなしょー（昨年解散）に負けてしまって、すごく悔しかったですね。 
その後はずっとオーディションに参加できなくて、シカゴの女ができる前の年に、思い切ってマネージャーさんに「おもしろ荘のオーディションに出させてください」って直訴したんです（笑）。でも、「ゆめちゃんは今じゃない」って言われて……。 
シカゴの女ができた年に、もう一度お願いして、ようやくオーディションに行かせてもらえました。この時は、本当にうれしかったです。
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――ようやく出れた念願の『おもしろ荘2022』はいかがでしたか？
ゆめちゃん：ブラゴーリさん、ぱーてぃーちゃん、あっぱれ婦人会さんとか、個性の違う芸人が集まったのもあって、誰が優勝するか全然分からなかったです。それに全組面白かったんで、舞台裏はお祭り状態でした。みんなで「本当にみんな面白い！」「今年は誰が優勝しても、みんな優勝だぞ！」みたいに褒め合ってました。 
――では、優勝者に選ばれた時のお気持ちは？
ゆめちゃん：びっくりでした。嬉しいよりも、「信じられない」「なんで？」って感じでしたし、いまだに信じてないです。 
――え？ いまだにですか？
ゆめちゃん：はい。シカゴの女の時と普段のメイクが違うからだと思うんですが、街を歩いていても、誰からも声をかけられないんです。だから、世間からの反響を感じたことがないんですよ（苦笑）。 
<figure id="attachment_297942" aria-describedby="caption-attachment-297942" style="width: 1773px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f78a4c4d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/f0bdfe6c0fbcf4f759941a644d0a2c89.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297942" class="wp-caption-text">ノーマルゆめちゃん（Twitterより）</figcaption></figure>
――確かに別人ですね（苦笑）。では、誰からのお祝いが一番嬉しかったですか？
ゆめちゃん：お母さんですね。優勝報告した途端に泣いてくれました。でも、「ゆめちゃんを支え続けて10年、私も辛かったわ」っていうのももらいました（笑）。 
それまで、毎日のように「いつになったら辞めるの？」って言ってたけど、心の中では応援してくれてたんだって、私も一緒に泣いちゃいました。 
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<h3>ゆめちゃんの『おもしろ荘』優勝ドリーム </h3>
――『おもしろ荘』優勝して本当に良かったですね。その後、どんな変化がありましたか？ 
ゆめちゃん：モテ期が来た気がします！ シカゴの女のことを、本当にいい女だと思ってる方もいらっしゃるみたいで、ダイレクトメッセージとかで「好きです！」とか「足が綺麗！」「一緒に焼肉行きたい！」とか、アプローチが来るようになりました！（笑） 
あとは、芸人になってから、ずーっとバイト中心の生活で、芸人のお仕事も月に数えるくらいだったんですが、それが逆転しました。毎日、ロケや収録や営業とかの何かしらのお仕事が入っています。 
精神的にも余裕が出てきて、仕事に対する意識が変わった気がします。それまでは「売れたい」の一心だったんですが、目指したいものや、学ぶべきことなんかが、少しずつわかってきました。 
――『おもしろ荘』優勝後に増えたお仕事は？ 
ゆめちゃん：営業ですね。デンキスタンド時代にも、ちょこちょこ行かせてもらってたんですが、今は全国いろんな地方の営業に行かせてもらっています。でも、印象に残っているのはドッキリのお仕事ですね。 
ドッキリのお仕事って有名な方や旬な人が出る、ちょっと特別な番組っていうイメージがあって、昔から憧れてたんです。去年の春ごろに、『芸能人が本気で考えた！ドッキリＧＰ』（フジテレビ）でホラー系のドッキリをかけられたんですが、昔からホラーが好きだったんで、全然ドッキリにならなくて（苦笑）。 
<figure id="attachment_297943" aria-describedby="caption-attachment-297943" style="width: 8192px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8e7c4c22"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/a1d291a1098e2517b772bb87cbff760f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-297943" class="wp-caption-text">リベンジしたいですね。今度はホラー以外でお願いしたいです（笑）。</figcaption></figure>
――プライベートでは、どんな変化がありましたか？ 
ゆめちゃん：一番はバイトに行かなくなったことですね。一応、今でも籍は置かせてもらっていますが、『おもしろ荘』優勝してからは、まったく行ってません。 
それ以外なら……少しだけですが、後輩にご馳走できるようになったことですね。それまでは先輩にご馳走してもらうばかりだったんですが、『おもしろ荘』優勝後、シカゴの女の音源を作ってくれた後輩に、お返しができました。 
――つげさんにも、お返しされたんですか？ 
ゆめちゃん：つげさんはネタの相談はもちろん、ゆめちゃんの恋の悩みとかも聞いてくれる優しいお兄さんのような存在なので、いつか大きなお返しをしたいです！ 
<figure id="attachment_298017" aria-describedby="caption-attachment-298017" style="width: 8192px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="fbeef504"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/2F3A7167.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-298017" class="wp-caption-text">ポーズをとるゆめちゃん</figcaption></figure>

安倍川モチ子

川戸健治

2022年『おもしろ荘』で優勝を飾ったゆめちゃん。その後、順調に活躍の場を広げ、翌年の同番組内で「昨年優勝したおかげで人生が変わった」と語った。優勝後、彼女を取り巻く環境が、どのように変化したのか？ 

「人生が変わった日」から1年…ピン芸人・ゆめちゃんに聞く「おもしろ荘ドリーム」の正体

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