【試し読み付】ネット炎上の火消し人『オトリ-過剰殺傷取締官・斑目詩子-』が描く「現代の本当の闇」 | FRIDAYデジタル

【試し読み付】ネット炎上の火消し人『オトリ-過剰殺傷取締官・斑目詩子-』が描く「現代の本当の闇」

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『オトリ-過剰殺傷取締官・斑目詩子-』第1巻より。取材禁止の名店を勝手に盗撮し、炎上させた人気ブロガーに対し、主人公・詩子が対峙する

ここ数年、ネット上では毎日のように「炎上」が起きている。つい最近では、大手寿司チェーン「スシロー」で醤油差しや湯飲みをペロペロと舐める動画をアップした通称「ペロペロ少年」が記憶に新しいだろう。氏名はもちろん、学校や自宅を特定され、家に押しかけたり、学校に抗議電話をかける人が続出。本来の被害者でスシローが、事態の沈静化を求めてコメントを出すなど異常事態に発展した。

他にも、女性アイドルグループのメンバーが写真週刊誌に男性との「密会」を報じられれば、彼女たちのSNSが炎上し、Twitter上で著名人が不用意な書き込みをすると、あっという間に袋叩きにされる。もとはといえば、自分が蒔いたタネ。悪いのは間違いないけれど、「水に落ちた犬ならいくら叩いてもいい」という風潮は強くなるばかりである。

そんな最新の社会事情をクローズアップした漫画が、先月21日に待望の単行本第1巻が発売されたばかりの『オトリ-過剰殺傷取締官・斑目詩子-』だ。昨年、「週刊Dモーニング」誌上で開催された読み切りコンペ「連載獲得マッチ」において、読者からの圧倒的な支持を得て見事に連載を獲得した話題作である。

同じく『オトリ-過剰殺傷取締官・斑目詩子-』第1巻より。炎上を起こした犯人へ、時には鉄拳制裁も辞さない詩子。「ネット炎上」という陰湿な題材だが、勧善懲悪なストーリーは爽快感さえある

厚生労働省がネット炎上を取り締まる組織「厚生労働省精神衛生保安局 オーバーキル取締部」を新設。その職員である斑目詩子と迎井史也が、ネット上をパトロールし、炎上案件を見つけると駆けつけ、ひとつひとつ鎮火を図っていくという物語。さみしさから自殺配信に手を染め、視聴者から激しく煽られた挙げ句、本気で命を絶とうとする少女、過去の発言が掘り返されて大炎上し、仕事を失いかけた失意の大物芸人など、「燃えている人たち」を炎上から保護し、時に厳しく、時に暖かかく諭していく人間ドラマが最大の魅力だ。

ページの端々にまで挿入されたギャグも読みどころのひとつ。今の時代だからこそ読んで欲しい、令和の「勧善懲悪ストーリー」だ。

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