『R-1グランプリ』田津原理音470点やらせ疑惑 テレビ局員が明かす「できること、できないこと」
《田津原理音さんの優勝は間違いなく自らの実力で勝ち取ったものであり、その真正性が疑われるような事実は一切ございません》
関西テレビ(カンテレ)が3月6日、『R-1グランプリ2023』の公式ページに決勝大会での点数の誤表示騒動について謝罪と説明の文書を掲載。カンテレは
「あらかじめ優勝者を決定していたという事実は一切ございません」
とやらせ疑惑を完全否定した。
「4日に生放送された『R-1』の決勝戦。トップバッターのYes!アキトの得点発表時に、1秒にも満たない程度の一瞬でしたが、まだネタを披露していないはずの『田津原理音 470点』という表示がされたのです。
そして7番手の田津原がネタを披露すると、その得点が『470点』だったため、“やらせではないか”“出来レースか”などと臆測を呼び、ネットなどで炎上したのです」(スポーツ紙記者)
カンテレは「リハーサル時に入力した仮のデータが制作側の不手際により誤表示」されたもので“本来起こるはずのない事象”だとして、特にリハーサル時のデータを消去していなかったという。事後検証しても完全な原因特定には未だに至っていない。そして田津原の結果が「470点」というのは完全な偶然だったとしている。
本当にこんなミスや偶然は起こり得るのだろうか。他局のテレビ局関係者に聞いた。
「生放送の一発勝負なので全ての段取りをリハで一通りさらうことは当然やりますし、モニターに仮のデータも表示させることもします。もしこれがやらせだとしたら実際どういう段取りになるかというと、まず審査員5人全員をグルにしなければなりません。番組が470点と決めても、審査員が何点をつけるかが分からないからです」
グルにするのは、5人の審査員だけでない。番組に関わる大勢のスタッフも“やらせ”に加担しなくてはならない。
「テレビ局には“副調整室”(通称:サブ)というカメラのスイッチングやテロップの表示のオペレーションなどをする部屋がある。そこではサブDという司令塔が全員を統制し、台本などの資料に沿って進行していきます。テロップを出す担当の人などもいますし、その文字をチェックするプロデューサーもいる。
やらせで一人を優勝させるには、スタッフのほとんどを巻き込まなければ不可能です。全員が局員ならまだしも、外注のスタッフも相当な人数がいるのでやらせを企てたらウワサは一気に広まり即表沙汰になる。番組は1発で打ち切りとなり下手したら社長のクビも飛ぶでしょう。はっきり言ってリスクしかない。すなわちやらせでの優勝はあり得ないと思います」(同・テレビ局関係者)
それにしても7番手の田津原が全く同じ点数になったのは、かなりの確率だ。偶然だとすると、そんな可能性はあるのだろうか……。
「カンテレは完全な偶然だと言っていますが、スタッフは予選から全員のネタを見ていますし田津原さんのネタが面白く“いい線にいく”ことは事前にある程度分かっていたのではないでしょうか。審査員5人で470点ということは割ると1人94点です。しかも470というキリのいい高得点。“0点~500点の確率論”ではなく、偶然一致してもおかしくないくらいの点数だと思います」(前出・テレビ局関係者)
M-1チャンピオンのウエストランドに、“R-1には夢がない”とネタにされたばかり。余計な騒動に巻き込まれたチャンピオンの田津原には、この逆境をバネに今後も活躍してもらいたい――。
PHOTO:産経新聞社