報道も発表もせず…CBCテレビ会長の送迎車がひき逃げ 運転手が殺人未遂容疑で逮捕されていた!
会長も本誌直撃に「私どもが対応することではない」と開き直り
2月28日、愛知県瀬戸市の閑静な住宅街が騒然となった。朝8時頃、住民が路上駐車を注意したところ運転手と口論になり、突然車が発進。車は住民を十数mもひきずった後に走り去り、同日この運転手が逮捕された。腕や足に全治2ヵ月の怪我を負った被害者男性はこう話す。
「まだ捜査中なので話せることはあまりないのですが……。毎朝、車の出入りが多い時間帯に事故の多い交差点に黒いアルファードが停まっていたんです。それが1~2年くらい続いていたので危ないと思って声をかけたんですが、運転手は『毎日ここに停めてんねん』と反論してきた。少し移動して車を降りてもらい、警察に連絡しようとしたら、突然運転席に乗り込んで車を急発進させたんですよ」
殺人未遂容疑で逮捕されたのは、会社員の清家(せいけ)幸司容疑者(50)だ。だがこの事件には、会社員による「ひき逃げ」だけでは済まされない裏事情があった。
「実は、この車は名古屋にあるTBS系列のテレビ局、CBCテレビ(中部日本放送)の杉浦正樹会長(67)の専用送迎車だったんです」
神妙な顔で本誌にそう明かすのは、CBCテレビの関係者だ。
「逮捕された清家容疑者は、CBCの中継車や送迎車などを請け負っているタクシー会社『文化交通』の社員です。2ヵ月ほど前から会長付の運転手を務めていました。2月28日のひき逃げ事件も、会長を迎えに行く途中で起こしたものだったのです。信じ難いことに、人をひきずった後に何食わぬ顔で会長を迎えに行き、局まで送り届けたと聞きました。マジメな運転手だったので、周囲は驚いています」
会長の自宅前の道は狭いため、清家容疑者は少し離れた場所で待機していたとみられる。事件当日は、待機中に近隣住民と口論になり、警察を呼ばれると送迎に遅刻してしまうために慌てて車を発進させたのだろう。
CBCテレビといえば、昨年12月に本誌が報じたアナウンサーの横領事件が記憶に新しい。ひき逃げ事件後、CBCの内部では不満が噴出しているという。
「今回、CBCは事件の概要は報道していますが、会長の送迎車だったということにはまったく触れていません。以前のアナウンサーの横領事件も自社では報じなかった。そういう隠蔽体質に憤りを感じている人間はCBCの内部に少なくありません」(同前)
事実確認のため、杉浦会長を直撃した。
――2月28日の事件について伺いたいのですが。いつ事件を把握したのですか。
「(発生当時は)全然知りませんでした、すいません。当日に警察からの問い合わせで知って、びっくりしました」
――CBCも事件を報道していましたが。
「事故を起こされた方はウチの社員ではありませんし、あくまでも業務委託という形です。送迎していただいてるのは事実ですが、私のまったく関知しないところで起きた事故ということもありますし、当該会社さんのほうで対応していただくということで、私どもが前に出て対応することではないだろう、と」
――この件について隠蔽ではないか、との声も上がっていると聞いています。
「隠蔽って(笑)。あくまで運転手さんの事案なので。私が運転しているということでは決してありませんので」
――半年ほど前から、同じように停車をしていたという話も伺っています。
「詳しくは把握していませんが、苦情が一度入ったということは聞いていました」
昨年売却され別会社となったが、文化交通はもともとCBCの子会社だった。その関係もあり、現在も中継車や送迎車は同社が請け負い、役員の送迎ドライバーも派遣しているという。
ひき逃げした容疑者の車に乗って出社した会長自らが「まったく関知しないところで起きた」と言い切るのはいかがなものだろうか。
『FRIDAY』2023年3月24日号より
- PHOTO:田中俊勝 Facebookより引用(清家容疑者)