花粉症の真実…「避粉3原則」で最凶シーズンを乗り切る。「自分でできること」と「次の一手」 | FRIDAYデジタル

花粉症の真実…「避粉3原則」で最凶シーズンを乗り切る。「自分でできること」と「次の一手」

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
最凶の花粉シーズンに、われわれはどう対峙するべきか。花粉症に効く食品は?特効薬は?…本当に「効く」のはやっぱり…
最凶の花粉シーズンに、われわれはどう対峙するべきか。花粉症に効く食品は?特効薬は?…本当に「効く」のはやっぱり…

花粉の飛散量が過去10年で最多という今年。花粉症による体調不良もピークに達している人が多い。

「当院にも、辛い症状を訴える患者さんが今年はとくに増えています」

というのは、東京・杉並区のにしおぎ耳鼻咽喉科クリニック院長・金丸朝子先生。2月以降、花粉症の患者さんが激増しているという。

「これまで症状があった方はよりひどく、また昨年まではなんともなかった方が今年初めて症状を訴えてらっしゃるケースもあり、年齢に関係なく、患者さんが増えています。

アレルギー性鼻炎の症状に対して私たち医師ができることは、主に対処療法と免疫療法です。対処療法は、鼻水やかゆみなどを抑える薬、主に内服薬と点鼻薬を使うもの。市販薬もふくめ、さまざまな薬が開発されています。でも、なかには『市販の鼻スプレーをひどいときだけ使っている』というような、誤った使い方も見受けられます。まずは受診して相談していただきたいですね」

花粉症を防ぐために、自分でできることはありますか?

「あります! それはもう、吸わない、つけない、持ち込まない。とにかく花粉に近づかないことです」

自分でできる花粉症対策

①吸わないためにできること

マスク着用はもはや当たり前ですが、その素材、サイズを正しく選ぶことで花粉を吸い込む量を1/3~1/6に減らせます。さらに、なるべく「外に出ない」。仕事などでやむなく外出する場合を除き、ウオーキングや屋外レジャーなど、避けられる外出は極力避けること。

②つけないために心がけたいこと

花粉の付着量は、通常の眼鏡で40%、防御カバーのついた花粉症用の眼鏡なら65%ほど減らせるので、外出時は眼鏡を着用する。また、手洗い、うがいそして洗顔で、ついてしまった花粉を洗い流す。「鼻うがい」をする場合は、水道水で鼻うがいを行うと粘膜に刺激を与えて鼻炎を悪化させることがあるので、必ず専用の液体または生理食塩水を使うこと。

さらに有効なのが「保湿」。花粉などのアレルギー抗原は皮膚からも体に侵入する。乾燥肌で皮膚のバリアが弱まると、花粉が体に侵入しやすくなるので、お風呂上がりなどにしっかり保湿をする。

③持ち込まないための注意点

「つるつるした服を着る」こと。ニットなどの花粉がつきやすい素材を避けて、とくに一番外側には、ナイロンやレインコートのようなつるつるした素材の服を身につける。帰宅時は、玄関を入る前に花粉を払う。また、帰宅したらすぐ着替え、シャワーを浴びるなどして花粉を落とす。洗濯物はもちろん、室内干しに!

画期的な免疫療法も

「シーズン真っ只中の今はできないのですが、来シーズン以降のためにできることがあります。

症状に対処するのではなく、症状が出にくい体質を作る舌下免疫療法です。これは、花粉が飛んでいない時期、6月~12月ごろから始めます。症状が出る前に行うものなので、今の花粉飛散が終わり、アレルギー症状が治ったタイミングで薬を使います。一度始めたら毎日、長期間にわたって薬を飲むので根気がいりますが『花粉に反応しにくい体質を作る』という根本的な治療で、行った人のうち7~8割ほどに効果が表れている画期的な療法なんです」

じっさいこの治療を行うとかなり多くの患者さんが「例年より楽」になるという。

「持病のある方や妊娠を考えている方など、この治療に向かない人もいますから、医師と相談してから始めます。保険診療なので、費用的にも安心して受けられるかと思います」

毎日薬を服用することで、1年から3年ほどかけて体質を変えていくこの療法は時間がかかるが、屋外作業や、屋外スポーツをする人にとっては検討の価値がありそうだ。また、花粉症の症状が出る2~3月は高校・大学受験の時期と重なるため、数年後の受験を視野に「子どものうちに始めておく」というケースも少なくない。

「花粉症の対策はとにかく、花粉に近づかないことが第一です。吸わない、つけない、持ち込まないの3原則を守り、適切に薬を使う正しい対処で乗り切り、根本的な治療を希望する場合は、シーズンを越えたら次の一手として、免疫療法を考えるといいでしょう」

ただし、この舌下免疫療法が有効なのは「スギ花粉」で、ヒノキ花粉などそのほかの花粉症には効果が見込まれていないという。例えば東京だと、スギ花粉の飛散が4月上旬まで、ヒノキ花粉は3月から5月上旬まで飛散する。なので、スギ花粉の舌下免疫療法を行っても、ヒノキ花粉へのアレルギー反応は、5月ごろまで残る可能性があるという。

「今年のように花粉の飛散量が多く、症状の強い方は、対処療法による薬だけでは、辛い症状が改善できない例も多く見られます。薬に頼るだけでなく、ご自身でできる予防にも力を入れてほしいですね」

市販のサプリメントや、「ヨーグルトがいい」、「この水が効く」といった民間医療(代替医療)も盛んに聞かれるが、「科学的には検証されていないもの(中略)民間医療の科学的評価についてはほとんど行われていません」(厚生労働省)。ただし、漢方薬については、

「わたしも、臨床の現場で処方することがあります。スギ花粉をはじめとするアレルギー性鼻炎には小青竜湯が効果がある方も」(金丸先生)

ともあれ、こういった対処の前にまずやるべきは「避花粉3原則」。新型コロナの「予防」に「手洗い・うがい」の基本的なことが重要だったように、基本を守ることが正解のようだ。アレルギーの原因となる主な花粉の飛散は、例年5月中旬まで。あと2ヶ月ほど続く見込みだ。気象情報をチェックして「自分でできる3原則」を守り、最凶シーズンを乗り越えたい。

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事