80名規模のコンペも開催予定…江東区長に浮上した「日本一予約の取れないゴルフ場」”優先利用”疑惑 | FRIDAYデジタル

80名規模のコンペも開催予定…江東区長に浮上した「日本一予約の取れないゴルフ場」”優先利用”疑惑

都予算特別委員会で質問されるも……「承知しておりません」

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「(若洲ゴルフリンクスは)日本一予約が取りづらいゴルフ場ともいわれている。利用者はコンサートのプレミアチケットをとるように大変な思いをしているにもかかわらず、山崎区長や一部政治家が優先的に利用しているのではないか。口利きが行われているのではないか」

3月7日に開かれた東京都の予算特別委員会で、前代未聞の質問が飛び出した。

質問に立った共産党の和泉なおみ都議(61)が「山崎区長」と名指ししたのは、江東区の山崎孝明区長(79)のこと。和泉都議が「一部政治家」と実名を避けたのは、山崎区長の息子である山崎一輝都議(51)のことである。

もともと、山崎親子が人気ゴルフ場『若洲ゴルフリンクス』の管理会社とのつながりで優先的にゴルフ場を利用していることは都議会では知る人ぞ知る話だったという。和泉都議はこの問題を公の場で追及した。

『若洲ゴルフリンクス』は、女子ゴルフ界のレジェンドである岡本綾子氏が監修したコースで、その立地と格安の料金設定から都民の間で絶大な人気を誇るゴルフ場だ。所有は東京都で、都の外郭団体の東京港埠頭株式会社に管理・運営を委託している。予約はプレー希望日の1ヵ月前に解禁となるが、解禁直後はアクセスが集中して予約完了までたどり着くのは至難の業。‘20年にオンライン予約が導入されたが、それまでは電話予約のみで、「100回電話してもつながらないゴルフ場」として知られた。

冒頭のように質問した和泉都議に対し、矢岡俊樹港湾局長は、

「ご指摘の事実は承知しておりません」

と返答。和泉都議はさらに武市敬副知事を指名し追及したが、

「ご指摘のことは承知しておりませんが、予約が取りづらいという声は聞いており、改善して参りたい」

と、副知事も疑惑を認めなかった。

「山崎区長は4期続けての江東区長にくわえ、東京23区の区長会会長を務める、いわば『区長のドン』。一方、息子の一輝氏は都議会自民党で幹事長なども経験し、父親の跡を継いで区長になろうとしているのではないかという声もあります。こうした親子ですから、江東区の港湾関係に対する政治的影響力は非常に強いとみられている」(江東区議会関係者)

有明アリーナの完成披露式典であいさつする山崎孝明江東区長
有明アリーナの完成披露式典であいさつする山崎孝明江東区長

そんな山崎区長が公の場で「若洲ゴルフリンクス優先利用疑惑」を追及されたのだ。

議会で追及が行われるなか、FRIDAYデジタルは、港湾局関係者が作成したとみられる資料を入手。右上に「取扱厳重注意」と注意書きのある「若洲ゴルフリンクス利用実績」と題されたその資料には、山崎親子の利用実績がこう記されている。

「令和2年度 山崎孝明区長15回 山崎一輝都議10回(計25回)」

「令和3年度 山崎孝明区長14回 山崎一輝都議13回(計27回)」

「令和4年度 山崎孝明区長0回 山崎一輝都議15回(計15回)」

以上は予約の回数であり、実際の利用実績とは誤差があるだろう。しかしこの資料が正しいとすると、利用者が必死の思いで電話をかける中、山崎親子はそれぞれ月に1度程度は若洲ゴルフリンクスを利用していたことになる。1度でもこのゴルフ場の予約を試みた人からすれば、信じられない回数だろう。

さらにその下には、今後の【対応】としてこう記されている。

〈電話受付を廃止し、人を介する予約ができない環境へ移行〉

〈現在、予約業務を担っている担当者を異動〉

ここから浮かび上がるのは、山崎親子を優先的に予約させている人物がいるということだ。その人物とは、現在、東京港埠頭株式会社が所有する若洲海浜公園で管理事務所長をつとめているS氏であるという。自民党東京都連幹部が匿名を条件に明かす。

「S氏はもともと、都の職員でした。昨年亡くなった『都議会の首領(ドン)』こと内田茂元幹事長と関係が深く、定年退職後にゴルフリンクスの関係団体のトップになったんです。『若洲ゴルフリンクス』の予約については、このS氏がかなりの権限をもっているとされ、山崎親子も彼を通じて予約を行っていると言われています。息子の一輝都議は、『若洲ゴルフリンクスでゴルフをしたい時は俺に言って』といつも吹聴し、若い区議会議員を引き連れてしょっちゅうゴルフをしています。父親の山崎区長の利用が昨年度0回だったのは、体長を崩して入院していたからに過ぎません。入院中も『早くゴルフをしたい』がボヤいていましたよ」

さらに山崎区長には、若洲ゴルフリンクスを政治活動にも利用している疑惑がある。区長は江東区ゴルフ連盟の会長も務めているが、次期江東区長選の2週間前に当たる今年4月11日、若洲ゴルフリンクスで同連盟による「第2回山崎会長杯」というゴルフコンペを開催する予定なのだ。同会長杯は80名もの人数で行われるとされる。都連幹部が続ける。

「区長選の2週間前に、江東区民を対象にコンペを開くのは、明らかに選挙対策です。さらに超がつくほど予約困難なゴルフ場で、80名もの予約をどうやって取ったのでしょうか」

疑惑について聞くべく、FRIDAYデジタルは3月7日夜、都庁内にある都議会自民党控室にいた山崎一輝都議を訪ねた。事務員を通じて「若洲ゴルフリンクスの件で話を聞きたい」と取材申請をすると、テレビの前で同僚議員と談笑していた一輝都議は記者の名刺を一瞥。そして、事務員を通して「時間がないので、お答えできない」と取材を拒否した。その後、3時間以上も控室からでてくることはなかった。

7日、FRIDAYデジタルの取材を拒否する山崎一輝都議
7日、FRIDAYデジタルの取材を拒否する山崎一輝都議

FRIDAYデジタルは、『若洲ゴルフリンクス』を管理・運営する東京港埠頭株式会社、東京都庁、江東区役所に対しても、区長親子の「優先利用」について質問書を送付。それぞれ、文書で次のように回答した。

「利用者個人の利用状況について、お答えは差し控えさせていただきます。(「山崎会長杯」については)休場日を利用した大会として、利用を認めたものとなっております」(東京港埠頭株式会社総務課)

「ご指摘の事実については、承知しておりません」(東京都庁広報)

また、江東区役所にも同様に質問書を送ったところ、山崎区長の名義で「事実ではない」との回答があった。

これまで予約が取れなかったゴルファーたちのためにも、予算特別委員会で追及のあった疑惑に対して、詳しい説明が果たされるべきだろう。

  • 写真足立百合(一輝氏) 時事通信(孝明氏)

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