「我々とは異次元」WBC優勝監督が絶賛した大谷翔平と栗山監督が志を一つにした「レストラン会談」 | FRIDAYデジタル

「我々とは異次元」WBC優勝監督が絶賛した大谷翔平と栗山監督が志を一つにした「レストラン会談」

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試合後、ヒーローインタビューでファンの歓声に応える大谷翔平(写真:アフロ)
試合後、ヒーローインタビューでファンの歓声に応える大谷翔平(写真:アフロ)

野球の世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)で2009年以来の優勝を目指す日本代表は開幕戦で中国代表と対戦。8-1で下し、白星スタートとなった。注目の大谷翔平は投手として先発、打者として3番・DHで出場した。

「序盤から重たいゲームでしたけど、最後のほうは打線がつながった。(投手としては)球数は決まっていましたけどその中でゼロで抑えるつもりで投げました。(四回のタイムリーについては)あともうちょっとでホームランだったのでもうひと伸びできればよかったんですけど、その後もチャンスがありましたし、そこで打てればベストかなと思います。

(久しぶりに東京ドームで侍ジャパンのユニフォームを着てプレーしたことについて)僕自身、特別ですし、中国代表も素晴らしい野球をやっていて本当に中盤は(展開がどうなるか)わからなかった。全員で勝つことができて素晴らしいゲームだったと思います」

2013年にプロ入りし、日本ハムで5年間プレー。メジャーに渡ってからケガに苦しんだ時期もあったが、メジャー4年目の2021年に投打の二刀流で1シーズンを通して“完走”。アメリカンリーグのシーズンMVPを勝ち取った。ここ2シーズンは、大谷が日本のテレビに映らない日はなかった。マウンドで剛速球を投げ、打席でもホームランを重ねる漫画の主人公のような大谷のリアル二刀流を「生」で見たい、という東京ドームのボルテージは最高潮に達した。

大谷が初回のマウンドにあがるためにブルペンから登場した瞬間、地鳴りのような歓声が響き渡り、投球練習で1球投げただけでどよめきが起こった。生中継したAmazonプライムビデオの解説者としてスタンドに姿を見せた2006年WBCの優勝監督、王貞治氏(ソフトバンク会長)は「大谷に向かって(視線の)レーザービームが集まっている感じ」と大谷の投げる1球、打席でのひと振りに観客が反応する様子を、独特の表現で語った。

先発マウンドにあがった大谷は四回まで1安打無失点に抑えていたが、日本代表の打線は初戦の硬さもあってか、チャンスに凡退するなど1点しかとれていなかった。そんな窮地を救ったのも大谷だった。見せ場が訪れたのは1-0で迎えた四回。三塁にヌートバー、一塁に近藤を置いた一死一、三塁から、大谷は3球目の外角低めの難しいツーシームを振りぬき、レフトフェンス直撃の二塁打を放ち、3-0とリードを広げた。

868本塁打の世界記録を持つ王貞治氏はスタンドから見た驚愕の一打をこう解説した。

「あのボールを引っ張ったら普通はゴロになる。難しいボールです」

さらに、2009年WBCで日本を優勝に導いた巨人・原辰徳監督も、解説をつとめたTBSの中継で「我々と異次元のバッティング」と、打者の体から逃げるように沈むボールをレフトフェンスに直撃させてしまった大谷のパワーに驚いた。

3点リードの六回、格下の中国代表に1点を奪われ、2点差で試合が続く重苦しい展開が続いたが、それでも大谷と、二刀流の道を開いた栗山監督の間で2年前には交わされていたであろう“契り”が苦戦で我慢する力を生んだ。ある球界関係者はこう明かす。

「大谷選手が正式にWBCへの参戦を表明したのは昨年11月でしたが、2年前、大谷がメジャーのシーズンを終えて日本に戻ってきている間に、栗山監督は東京の高級フレンチレストランで大谷と食事をしていたようです。そこでWBCの話をしているはずですよ」

2年前のオフといえば、大谷はメジャーで初めて二刀流を完遂したシーズンだ。投げては9勝、打っては46本塁打、100打点、26盗塁と投げて打って走っての大車輪の活躍をした直後のオフだ。ちょうどその時期、侍ジャパンの指揮官になったばかりの栗山監督からWBCの参戦を打診されたとしても不思議はない。花巻東高校の時からWBC日本代表になることをはっきりと目標に掲げ、2017年大会は「野球をはじめてから1位以外を目指したことがない」という大谷にとって、新たなモチベーションが生まれたに違いない。

大谷は開幕戦の前日、報道陣にこう明かしている。

「お世話になった監督とこういう舞台でできるのはすごい特別なことですし、一緒に優勝できればこれ以上ないかなと思います」

格下の中国代表にまさかの苦戦を強いられた日本代表にファンは気をもんだかもしれないが、マウンドで耐え、ひと振りでリードを広げるリアル二刀流を日本のファンにじかに見せた大谷。2009年以来の頂点を目指す“ショータイム”ははじまったばかりだ。

今年1月、WBC日本代表を発表した時の記者会見(写真:産経新聞社)
今年1月、WBC日本代表を発表した時の記者会見(写真:産経新聞社)

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