3試合でわずか1安打 侍ジャパン主砲・村上宗隆の打撃が狂った「大谷翔平というカルチャーショック」 | FRIDAYデジタル

3試合でわずか1安打 侍ジャパン主砲・村上宗隆の打撃が狂った「大谷翔平というカルチャーショック」

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チェコ戦の九回、最終打席でようやく大会初ヒットが出た村上宗隆。トンネルから抜け出せるだろうか(写真:アフロ)
チェコ戦の九回、最終打席でようやく大会初ヒットが出た村上宗隆。トンネルから抜け出せるだろうか(写真:アフロ)

野球の世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)で2009年以来の優勝を目指す日本代表は11日、チェコ代表と対戦。10-2と逆転で下し、3連勝。2試合連続2ケタ得点でプールBで唯一3連勝。準々決勝ラウンド進出に大きく前進した。

日本代表はアマチュア選手主体のチェコ代表に対し、初回にエラー絡みで先制点を許したものの、先発した21歳の佐々木朗希が四回途中まで8奪三振で実力通りの投球を見せ、打線の爆発につなげた。チェコ戦を迎える前、栗山英樹監督は打線についてこう明かしていた。

「ほんとうに信じてやるだけなんでね、必ず今日も点を取ってくれると信じて、もちろんこれだけのメンバーがいれば、状態がものすごくいい人と普通の人、あんまり良くない人、というのはあるんですけど、そういう状況でもね、自分の仕事をきっちりしてくれるメンバーたちなんでね、そこは信じていくだけです」(テレ朝NEWSより)

2試合連続で2ケタ得点をあげた打線の中で、唯一沈黙して苦しんでいたのが主砲・村上宗隆だった。前日10日の韓国戦まで2試合で7打数無安打。チェコ戦も4打席目まで2三振2四球。三振はいずれも見逃しで絶好調時とは程遠い内容だった。2013年WBCのコーチをつとめ、2019年にヤクルトのコーチとして村上を見た橋上秀樹氏(現・BCリーグ新潟監督)はこう分析する。

「技術的なもの以上に、メンタルの面が大きい。大谷の影響が大きいですよね」

村上の不調に大谷翔平が深く関係しているというのだ。どういうことなのだろうか。

「村上は3番・大谷の次に打つ打者ですから、ネクストバッターズサークルで大谷のスイングを最も近いところで見て感じる。目の前であれだけのスイングをされて、村上は日本のプロ野球でこれまで触れたことのなかったスピード、凄み、豪快さを感じていると思うんですよ。ある意味、カルチャーショックを受けているんじゃないですか。そのため、いいときの村上に比べて知らず知らずのうちに力んでスイングが大きくなっています。村上が意識してスイングを大きくしているんだったらすぐに修正できると思うんですが、無意識にそうなってしまっていたから厄介なんです」

昨シーズン、村上は日本選手最多となる56本塁打を放ち、史上最年少で3冠王に輝き、押しも押されもせぬ4番と期待されてきた。2月に侍ジャパンが始動してから壮行試合や強化試合で4番を任されたが、調子はあがらなかった。

一方、大谷は日本で参戦した強化試合の1試合目で豪快に2本塁打を打ち、鮮烈な結果を残した。レッドソックスに移籍した吉田正尚も7日のオリックス戦以降、韓国戦、チェコ戦とタイムリーを放ち、好調をキープ。対照的に村上は期待されながらも数字を残せず、そのもどかしさに苦しんだ。さらに、大谷のすごいスイングを見て次の打席に入ることが、無言のプレッシャーとしてのしかかっていたのだ。

橋上氏はゴルフをたとえにこう続ける。

「同じ組で回っている人の中で先に打った人の飛距離がすごく出て、次に打つ人も飛距離で勝負する人の場合、つい力んで思ったより飛ばせないことってありますよね。『この人のスイング、見なきゃよかった』ということはよくありますが、それと同じ状況だと思うんです。
プロ野球のコーチとして、主軸を打つ選手に本来の調子が出なかったときにその理由を聞くと『目の前であんな(豪快に)スイングされたら、振れないですよ(自分のスイングができない)』という声を聞いたことがあります。自分が不調のとき、自分の前を打つ打者の調子がよくて豪快に振っている姿を見ると、スイングを見失うことはプロでも起こりうることなんです」

村上は、大谷の侍ジャパン合流初戦となった6日の阪神戦後、こう明かしていた。

「(目の前で見た大谷の本塁打は)凄い刺激になっているんですけど。チームの4番としてもっともっと結果を残すことをしっかり意識してやりたい。チームとしては凄い点の取れる打順なんで。もっと僕が打てるようになれば、大谷さんももっと楽に打席に立てると思う。チーム、打線の中心としてもっともっと頑張っていきたい」

数々の重圧を背負っていた村上は最終打席となった九回、ようやくライト前にヒットを放った直後、一塁上で安堵の表情を浮かべた。「世界一になるには村上の復調は欠かせない」(橋上氏)。のどから手が出るほど欲しかったヒットが出た村上は、浮上のきっかけをつかめるだろうか。

相手投手の動きにあわせてスイングを繰り返す3番・大谷(左)と4番・村上(右)。大谷のスイングスピードは村上の打撃に悪影響をあたえるほどすごい、ということだろう(写真:アフロ)
相手投手の動きにあわせてスイングを繰り返す3番・大谷(左)と4番・村上(右)。大谷のスイングスピードは村上の打撃に悪影響をあたえるほどすごい、ということだろう(写真:アフロ)

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