「女は見るな!」「笑顔は禁止」侍ジャパンも経験した…⁉『バトルスタディーズ』が描く強豪校のリアル | FRIDAYデジタル

「女は見るな!」「笑顔は禁止」侍ジャパンも経験した…⁉『バトルスタディーズ』が描く強豪校のリアル

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『バトルスタディーズ』第1巻より。2年年から怒声を浴びせられる主人公の狩野笑太郎。作中では強豪校の舞台裏がこれでもかと描かれている

日本列島を興奮に渦に巻き込んでいるワールド・ベースボール・クラシック(以下WBC)。宿敵・韓国に13-4と快勝した日本は4戦全勝で1次ラウンドを突破。16日には9-3でイタリアに勝利。決勝ラウンド進出を決め、14年ぶりの世界一に大きな期待がかかっている。

スポットライトを浴び、日本中を沸かせてくれている侍ジャパンのメンバーだが、彼らがここに辿り着くまでに尋常ではない努力の日々があったことは想像に難くない。そんな選手たちの血のにじむような努力の日々を時にリアルに、時にバカバカしく描いた漫画がある。それが『バトルスタディーズ』だ。

’15年から漫画雑誌『モーニング』で連載が開始され、累計発行部数は400万部を超える大ヒット野球漫画だ。舞台は「DL学園」という大阪の野球強豪校。中学時代に日本代表となった主人公・狩野笑太郎は、憧れだったDL学園から特待生としてスカウトされ、全寮制の硬式野球部へと入部する。しかし、夢に溢れた笑太郎たち1年生を待ち受けていたのは、あまりにも理不尽な上下関係と待遇、そして体罰・暴力の嵐であった――。

同じく『バトルスタディーズ』第1巻より。強烈すぎる「鉄の掟」を通知される新入生たち。従来の高校野球漫画の常識を覆し、試合よりも破天荒な日常生活の描写に多くのページが割かれている

「DL学園」と聞けば、野球好きならすぐに「PL学園」が思い浮かぶであろう。これまで清原和博、桑田真澄、松井稼頭央といった数多くの有名選手を輩出した超名門校で、夏の甲子園の通算優勝回数は4回。しかし、輝かしい功績だけでなく、厳しすぎる上下関係があることでも有名だ。

そんなPL学園からインスピレーションを得て描かれているのが本作だ。作者のなきぼくろ氏はPL学園出身で元野球部員として、’03年の第85回全国高等学校野球選手権大会に出場したこともある。しかし高校卒業後は野球を辞め、美術系の専門学校に進学し、イラストレーターとして活動するという異色の経歴の持ち主だ。漫画家への転身のきっかけは「漫画家になっている自分の夢を見た」ことによるという。

本作は、作者の実体験をベースに描かれているため、とにかくリアル。たとえば「DL学園鉄の掟」には、「1年生は女性を見てはいけない」「笑顔禁止」「トイレは左端以外使用禁止」などの理不尽なルールが大量に書かれている。ほかにも理不尽のオンパレードなのだが、実体験を基に構成されているだけあって、妙にリアル。しかし、本作の魅力はそんな理不尽すぎる出来事の数々が決してダークに表現されるのではなく、軽快な関西弁とともに「エンタメ」として仕上がっているところにある。

野球の厳しさ、楽しさを追体験できる『バトルスタディーズ』。読めば、WBCに出場する選手たちにも、より一層感情移入しながら応援できること間違いなしだ。

『バトルスタディーズ』第1巻の試し読みはこちらから

  • 取材・文味道苑

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