バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版

島 右近

<figure id="attachment_301638" aria-describedby="caption-attachment-301638" style="width: 3000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7ed6aa46"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/03/aflo_121585539.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-301638" class="wp-caption-text">日本アカデミー賞で「最優秀助演女優賞」を獲得した安藤サクラ。引退を意識したことを明かして…</figcaption></figure>
第46回『日本アカデミー賞』の授賞式が行われ、安藤サクラが映画『ある男』で最優秀助演女優賞を獲得。受賞のスピーチで、子育てと撮影の板挟みで〝女優引退の危機〟にあったことが明らかになり、衝撃が走っている。
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安藤が最優秀助演女優賞を受賞したのは、平野啓一郎のベストセラー小説が原作。国内外で高い評価を得る鬼才・石川慶監督がメガフォンをとった話題作でもある。
「〝最優秀賞〟発表前のインタビューで、夫婦役を演じた窪田正孝から『山梨の方で撮影してたんですけど、サクラさんが〝子供に会いに行く〟って特急列車に飛び乗って行っちゃった』というエピソードを披露。さらに主演する妻夫木聡から『（安藤が）この作品で引退しよう』と考えていたことも暴露され、衝撃が走りました。
最優秀賞を獲得して、安藤は涙ながらに登壇。『やめようと思っていたことが、こんな形でブッキー（妻夫木）からバラされると思ってなくて、なんか情けなくて』とスピーチ。しかし『自分ができなくて押しつぶされそうになっても、くよくよしても、死ぬわけじゃない。何よりも撮影の現場にいるのが好きだと、そんなもの他に見つけられないと、はっきり見えた現場でした』と、当時の心の葛藤を打ち明けています」（ワイドショー関係者）
この映画は離婚して子供を連れ故郷に帰った安藤演じる谷口里枝が、やがて大祐（窪田正孝）と出会って再婚。新たに授かった子供と４人で幸せに暮らしていたある日、夫が死亡。
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悲しみに暮れる中、愛したはずの夫が大祐ではないことが明らかになり、里枝は弁護士の城戸章良（妻夫木聡）と共に大祐として生きた〝ある男〟の真実に迫るといったヒューマンミステリーである。
ヴェネツィア国際映画祭をはじめ、世界が注目するこの映画の撮影中に、一体何が起きていたのか……。
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「安藤は撮影初日、映画冒頭の文房具店のシーンを撮影。里枝がペンを手にして思わず涙をこぼす場面を撮影した際、監督から『OKなんだけど、やっぱり何かが違うかもしれないから、もう一回やりたい』、さらには『本物じゃない』と言われ落ち込み、そこからどこを目指したらいいのかわからなくなり、３日間くらい困り果てたと当時の苦しい胸の内を告白しています」（制作会社ディレクター）
’15年『百円の恋』に続き、’18年『万引き家族』で２度にわたり日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞している安藤サクラ。憑依型のモンスター女優として名高い彼女の演技に石川監督は、なぜ納得しなかったのか。
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「里枝が涙をこぼすシーンを見た石川監督は、『万引き家族』で安藤が魅せた〝泣きの演技〟を思い出し、カンヌ国際映画祭でも激賞されたあのイメージに引っ張られていると感じてテイクを重ねたと話しています。
そうした苦労の末に、〝泣きの演技〟とも違う素晴らしいファーストカットを撮ることができた。安藤自身も撮影時を振り返り、〝石川監督に負けた〟と話しています」（前出・ディレクター）
しかし安藤の〝女優引退の危機〟は、まだ去ったわけではない。日本アカデミー賞授賞式の場を借りて、安藤はこんな本音も口にしている。
「ただ、やっぱり私にとっては〝子育て〟と〝撮影〟は、今のところうまくできない。多分、撮影のシステム的なこともあるんだと思います。
それは私は、どうしたらいいのかわからないので悩みつつ、その都度、家族で会議しながら協力しあって、また大好きな現場に戻れたらいいなと思っています」
と言葉を選びながらも、映画業界に対する問題点を指摘している。
「これには授賞式を放送していた日テレの水卜麻美アナも号泣。スタジオに姿を見せた安藤に涙をぬぐいながら『今も難しい？』と尋ねると『全然無理です』『これって絶対どうにかしてかなきゃいけないと思ってる』『どうしたらいいんだろうねぇ』と打ち明け、働きながら子育てをしている多くのワーキングママから共感するコメントがSNSに殺到しています」（前出・ワイドショー関係者）
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３月12日は、奇しくも安藤が民放の連ドラ初主演を飾った『ブラッシュアップライフ』（日本テレビ系）の最終回。この作品で民放初主演を飾った安藤は、クランクアップ後に
「すごく楽しい毎日で、すごく大好きな皆さんと過ごせて〝アイラブユー〟という気持ちでいっぱいです」
と喜びをあらわにしている。
「安藤が主演することにより、木南晴夏、水川あさみ、夏帆をはじめ、染谷将太、松坂桃李、黒木華、三浦透子、志田未来や江口のりこ、浅野忠信といった超豪華俳優陣が集結。もし安藤が『ある男』で引退を決意していたら、今クールで最も話題を集めた『ブラッシュアップライフ』は違うものになっていたかもしれません」（制作会社プロデューサー）
授賞式の晴れの舞台で、〝引退の危機〟が明らかになった安藤サクラ。夫である柄本佑は来年の大河ドラマ『光る君へ』（NHK）の重要キャストで出演する。もしその撮影期間中、安藤が女優として活動できないのなら、やはり日本映画界の損失と言わざるを得ない――。

バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』（竹書房新書）を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版中

島右近（放送作家・映像プロデューサー）

アフロ

先日行われた第46回日本アカデミー賞で「最優秀助演女優賞」を獲得した安藤サクラ。そこでのスピーチでは、女優引退を考えたことを明かして…

「〝子育て〟と〝撮影〟はうまくできない」安藤サクラが日本アカデミー賞で明かした「引退危機」の真実

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