『舞いあがれ!』で高評価!”バーターキング”と呼ばれた横山裕が朝ドラ俳優へ華麗なる転身を遂げた訳 | FRIDAYデジタル

『舞いあがれ!』で高評価!”バーターキング”と呼ばれた横山裕が朝ドラ俳優へ華麗なる転身を遂げた訳

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大きく株を上げた関ジャニ∞「横山裕」

いよいよ放送終了まで残り1週間となった、福原遥主演のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』。

歌人の桑原亮子をメインライターに据えたチーム制脚本は、週によってクオリティの落差が大きく、途中脱落者も少なからずいたものの、概ね好評で幕を下ろそうとしている。

そんな中、本作を通して大きく株を上げたと見られる1人が、福原演じるヒロイン・舞の兄、悠人を演じた関ジャニ∞の横山裕だ。

‘21年3月、埼玉県内で山本舞香とドラマの撮影をしていた横山(PHOTO:堀田咲)
‘21年3月、埼玉県内で山本舞香とドラマの撮影をしていた横山(PHOTO:堀田咲)

なぜなら、横山といえば、演技経験そのものは非常に多いにもかかわらず、ジャニーズファンの間では長年にわたり、ジャニーズ事務所の「バーター王(キング)」と言われてきたため。厚遇ぶりへのやっかみも含め、ジャニーズファンから「横山のキャリアの半分以上が事務所枠とバーター」「ジャニーさんのお気に入りだから、昔から分不相応に優遇されてる 」などと言われてきた。彼の演技仕事歴の中でも「連続ドラマ」であり「他のジャニーズ俳優が主演している」作品をピックアップしてみると……。

  • ・『ドンウォリー!』(1998年/フジテレビ)近藤真彦主演
  • ・『P.S.元気です、俊平』(1999年/TBS)堂本光一主演
  • ・『フードファイト』第5話(2000年/日本テレビ)草彅剛主演
  • ・『反乱のボヤージュ』(2001年/テレビ朝日)岡田准一主演
  • ・『白線流し~二十五歳』(2003年/フジテレビ)長瀬智也主演
  • ・『拝啓、父上様』(2007年/フジテレビ)二宮和也主演
  • ・『有閑倶楽部』(2007年/日本テレビ)赤西仁主演
  • ・『ザ・クイズショウ』(2009年/日本テレビ)櫻井翔主演
  • ・『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ~』第8話(2009年/フジテレビ)中山優馬主演
  • ・『左目探偵EYE』単発&連ドラ(2009年・2010年/フジテレビ)山田涼介主演
  • ・『13歳のハーローワーク』(2012年/テレビ朝日)松岡昌宏主演
  • ・『水球ヤンキース』(2014年/フジテレビ)中島裕翔主演

出演作品の多さのみならず、横山の凄さは、近藤真彦から後輩に至るまで、実に幅広い世代のジャニーズ俳優が主演した作品に出演していること。そして、民放キー局を制覇していることだ。

また、朝ドラについても、西畑大吾(『ごちそうさん』『あさが来た』 )、桐山照史(『あさが来た』 )、正門良規(『スカーレット』 )、永瀬廉(『おかえりモネ』)、松村北斗(『カムカムエヴリバディ』)といった後輩たちが耕してきた土壌を引き継いでいること。

脚本家交代によるキャラ変・キャラブレの被害を受けていない唯一の役 

では、なぜ横山が『舞いあがれ!』にハマったのか。そこにはいくつかの理由があった。

同作のジャニーズ枠では、今最も売れっ子の一人・目黒蓮(Snow Man)が「航空学校編」に、福原遥演じる舞の同期で一時期交際する柏木弘明役で登場。しかし、航空学校編は脚本担当が桑原亮子から嶋田うれ葉、佃良太に代わり、作風も大きく変わってベタなラブコメ・学園モノテイストになったことにより、すこぶる評判が悪かった。そんな中、常に上からモノを言う柏木は視聴者に愛されず、やがて失恋した公園が「柏木公園」とSNSで名付けられ、失笑される不名誉な役回りにもなった。

同じく目黒が出演していた昨年10月期の大ヒットドラマ『silent』(フジテレビ)で、役者としてのキャリアを順調に積み上げていく流れに、柏木役がむしろ水をさすような結果となってしまったのだ。

そんな中、作風の激変ぶりやクオリティの落差など、脚本家交代によるキャラ変・キャラブレの被害を最も受けていないキャラが、実は悠人だった。

舞をはじめとした様々な人物が、脚本家が代わるたびに、演出のクセもあってドヤ顔の無神経キャラにコロコロ人格が変わる。しかし、合理的で努力家でぶっきらぼうで感情表現が下手な不器用キャラの悠人は一貫性があり、なおかつ父の死や仕事での大失態などを経て、「成長」していく様も見えたのだ。

もちろん横山自身の好演もあった。抑えた表情の変化からも照れや嬉しさ・悔しさ・誇らしさなどが見てとれたし、舞への深い愛情が滲み出ていた。

横山自身、両親が幼少期に離婚し、母の再婚後は義父との折り合いが悪く、一時は祖父母宅で暮らし、早く自立して弟たちを養いたいという思いから中3で芸能界入り&中卒で実家を出て建設会社で働いたこともある苦労人だ。29歳のときに母を若くして亡くすという苦しい経験もしている。

そんな彼と、父親の会社が倒産危機になり、一時は中学受験を諦めざるを得ない危機に見舞われたことで、小学生の頃から自身で稼ぐことを目標に努力し続け、やがて父を若くして亡くした悠人に重なる部分があることも、ナチュラルな演技につながったのだろう。

数多くの演技経験の末に、41歳にしてようやく巡り会えた、彼にしかできないハマり役。常にチャンスを与えられ続けてきた恵まれたポジションにあったとはいえ、長年ネクストバッターズサークルでくすぶり続けた”バーター王”横山の朝ドラとの出会いによる「華麗なる転身」は、いま大きく揺れているジャニーズ事務所にとって、微かに見えた小さな希望かもしれない。

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