胴上げで両手をあげられなかったヌートバーがWBCで示した新たな「アメリカンドリーム」 | FRIDAYデジタル

胴上げで両手をあげられなかったヌートバーがWBCで示した新たな「アメリカンドリーム」

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
ぎこちない感じで宙に舞うヌートバー。「世界一の不動の1番」として米国でその名を知らしめたヌートバーはメジャーリーガーの目標となる可能性を秘めている(写真:産経新聞社)
ぎこちない感じで宙に舞うヌートバー。「世界一の不動の1番」として米国でその名を知らしめたヌートバーはメジャーリーガーの目標となる可能性を秘めている(写真:産経新聞社)

野球の世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)で日本代表は米国代表を3-2で下し、14年ぶりの頂点に立った。母親が日本人だったため、代表資格を得て、7試合すべてで1番で先発したラーズ・ヌートバーは試合後、栗山英樹監督、ダルビッシュ有、大谷翔平についで胴上げされた。しかし、慣れないためか、ヌートバーは両手をあげることができず、選手たちの手をつかみながら宙に舞い、そのぎこちなさが周囲の笑いを誘った。

「言葉にできない。チームに入れて光栄、感謝しています。人生で一番最高の決断をできた」

試合後、グラウンド上で父・チャーリーさん、母・久美子さんと並んで取材を受けたヌートバーはこの日は4打数無安打に終わったが、二回、1-1と同点にした直後にヌートバーの一ゴロの間に勝ち越し。流れを引き寄せた。

’21年シーズンにメジャー昇格を果たし、カージナルスの外野の主軸としての地位を確立していたことが日本代表入りのきっかけになったヌートバーは、マイナーリーガーだった前年の’20年、コロナ禍により試合そのものが開催されず、朝から肉体労働をしていたことは各メディアの報道で伝えられている通りだ。

ヌートバーはその仕事と並行して、野球選手としてのレベルアップを目指してシアトルやアリゾナにある「ドライブライン」という野球に特化したトレーニング施設に通っていた。選手個々がより良いパフォーマンスを出すため、動作解析をもとに動きを改善するための施設で、メジャーリーグの多くの選手が通っているだけでなく、大谷翔平や今永昇太、藤浪晋太郎などもオフに通っているといわれる。その「ドライブライン」のHPのトップにヌートバーのスイング動画が使われているのだ。

打者の場合、選手のスイングをもとに、個別にホームラン、ヒットを生み出しやすいバットの角度やそれを生み出すスイングの研究を重ね、選手は個別にその動きの獲得をめざしてトレーニングを重ねる。「CONTINUOUSLY IMPROVE」と題された記事内で<2020年にやってきたヌートバーは4マイルスイングスピードがアップして2021年にメジャーデビューを獲得できた>と紹介され、記事の隣にメジャーに昇格した直後と思われる’21年7月に撮影されたヌートバーのスイング動画が掲載されているのだ。

アメリカで取材経験があるスポーツ紙記者が明かす。

「今季からDeNAに入団することになったトレバー・バウアーは5年連続でメジャーで2ケタ勝利をあげていたバリバリのメジャーリーガーですが、彼もこの施設に継続的に通っている選手の一人です。大谷などもそうですが、投手でこの施設に来る人は多かったものの、野手ではそこまで有名な選手はいませんでした。
つまり、『マイナーで無名だった選手が、この施設のメソッドを習得したことによって、急にメジャーで活躍できるぐらいになるまで成長した』という一番の成長株としてヌートバーは紹介されているのです。ヌートバーが今回、世界一になった日本代表のトップバッターを務めたことで、この動画はおのずと施設のアピール材料になるかもしれません」

日本代表として「世界一」の称号を得たヌートバー。メジャー開幕後も活躍が続けば、多くのメジャーリーガーの目標となるかもしれない。

多くのメジャーリーガーがオフに通う“虎の穴”「ドライブライン」のHPより抜粋
多くのメジャーリーガーがオフに通う“虎の穴”「ドライブライン」のHPより抜粋

Photo Gallery2

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事