花粉症「病院に行くほど?」と思っている人に…気になる「薬局では買えない薬」の存在 | FRIDAYデジタル

花粉症「病院に行くほど?」と思っている人に…気になる「薬局では買えない薬」の存在

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〈スギ花粉が飛散のピークをむかえ、花粉症の人にはまだまだつらい日々が続きます。

ドラッグストア等で購入できる花粉症対策の薬は数多くありますが、病院を受診しなければ処方されない薬も実は沢山あります。今常用している花粉症対策の薬がイマイチと感じている人は、病院を受診するのもありなのかもしれません。薬剤師ライターの高垣育さんに話をお聞きしました〉

前シーズンより飛散量が多いと言われる今年の花粉
前シーズンより飛散量が多いと言われる今年の花粉

市販薬を飲んでも対処できないときの「受診」という選択肢

セルフケアで対処しても症状がつらいなら受診をした方が良い、ということは分かっているけれど、「病院に行くほど?」「まだセルフケアでなんとかなるかも」と考えて受診をためらっていませんか。そこで、受診が良い選択になる理由を2つ挙げたいと思います。

1_医師が症状にあった薬を出してくれる

花粉症対策に使える薬は市販薬でも多くの種類がありますが、受診すれば選択肢はさらに広がります。しかも、医師がその人の症状を聞いたうえで、その人にあった薬を処方してくれます。

たとえば、病院で出してもらう鼻水やくしゃみの症状を和らげる「抗ヒスタミン薬(第2世代)」があります。ドラッグストアなどで買えるものもありますが、病院に行かないと処方してもらえない薬も多くあります。

発売年が最近の薬は、まだ市販されていないものも多い
発売年が最近の薬は、まだ市販されていないものも多い

このほかにも、病院でもらう花粉症対策の薬には鼻づまりの症状改善の役割をする「抗ロイコトリエン薬」、くしゃみ・鼻水・鼻づまりのいずれの改善にも役立つ飲み薬や点鼻の「ステロイド薬」などがあります。

セルフケアを続けるか、受診するかを迷うような比較的症状が軽い場合の薬による治療について、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会の「鼻アレルギー診療ガイドライン 2020年版」では、下記の①もしくは②の方法がすすめられています。

  • ①くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを和らげる飲み薬や点鼻薬のいずれか1種類
  • ②くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを和らげる飲み薬+ステロイドの点鼻薬

たとえば筆者の場合、受診時に「市販のフェキソフェナジンを飲んでも鼻水がとまらなくなった」と医師に伝えました。

すると、医師は筆者の訴えを聞いたうえで「まずは飲み薬をフェキソフェナジンではないほかの薬に変えて様子をみてみましょう」と上記①の提案をしてくれました。

そのうえで、さらに「ステロイドの点鼻薬もあわせて使ってみますか」と②の選択肢も示してくれました。ステロイドの点鼻薬は花粉症の「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」の3症状だけではなく、目の症状にも効果があるという報告もされています。

迷わず②を選択しましたが、市販薬でのセルフケアで対処する場合には、「点鼻薬」という選択肢を思い浮かべることはありませんでした。

なぜなら、恥ずかしながら点鼻薬に対して「痛そうだな」「毎日使うのは大変そうだな」という苦手意識を持っていたためです。

実際に点鼻薬を使ってみると、筆者の場合は想像していたような痛みや刺激感などはなく、使用開始から3日目くらいからは、つらかった鼻症状は感じられなくなりました。

医師の診察を受けると、このようにその人の症状にあった適切な薬を選んでもらうことができます。

2_ライフスタイルにあった薬を出してもらえる安心感

花粉症の鼻水やくしゃみの症状を和らげる薬に「抗ヒスタミン薬」があります。副作用として、眠気や、自分でも気づかないうちに作業の能率が低下する「インペアードパフォーマンス」が起こる可能性があることが知られています。

学校や職場で眠たくなったり、運転などをしていて気づかないうちに集中力や判断力が低下したりすると困ってしまいますよね。

たとえば、「仕事で車の運転をする」「受験前なので眠たくなるのは困る」と病院で相談をすれば、医師はその人のライフスタイルにあった薬を選んで処方してくれます。

はじめて抗ヒスタミン薬を飲むときは眠気や判断力の低下などの体調変化がないか気に留めておこう
はじめて抗ヒスタミン薬を飲むときは眠気や判断力の低下などの体調変化がないか気に留めておこう

花粉症対策として市販薬を使ってセルフケアで対処している人もいるかもしれません。

しかし、もしセルフケアでつらい症状に対処できない場合は、花粉症シーズンの生活の質の低下を防ぐためにも早めの受診が良い選択肢となります。症状のせいで自分らしい暮らしに支障が出ていると感じるならためらわずに受診しましょう。

マスクの着用が自己判断になるも、花粉症の人は引き続きマスクの着用がおすすめ

花粉症対策の基本は、目や鼻に花粉がつかないようにすることです。花粉症用のゴーグルなどの特別なアイテムは必要ありません。普通のメガネとマスクでも対策することができます。

厚生労働省発行「的確な花粉症の治療のために(第2版)」によると、マスクをしていないときの鼻の中の花粉数は1,848個だったのに対し、通常のマスクをした場合では537個とおよそ3分の1になったという報告があります。同様に、メガネなしのときの結膜の上の花粉数は791個だったのに対し、通常のメガネをつけた場合では460個だったそうです。

新型コロナウイルス感染症対策としてのマスクの着用が個人の判断に委ねられるようになりましたが、花粉症の人は、花粉が飛散しているシーズンの間はもうしばらくマスクの着用を続けていた方が良さそうです。

  • 取材・文高垣育

    薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている薬剤師ライター。人だけではなく動物の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行っている。

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