市長は「私は天理教の教会に所属」と告白…天理市が天理教と「60年賃貸契約」巨大ゴミ処理場を建設中 | FRIDAYデジタル

市長は「私は天理教の教会に所属」と告白…天理市が天理教と「60年賃貸契約」巨大ゴミ処理場を建設中

住民からは疑問の声 購入すれば約5億円で済むのに、賃料を14億円も支払う

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ゴミ処理場が建設されている天理市内の土地。山中にある上、高い塀と壁に覆われ、中を窺い知ることはできない
ゴミ処理場が建設されている天理市内の土地。山中にある上、高い塀と壁に覆われ、中を窺い知ることはできない

宗教法人「天理教」のお膝元として知られる奈良県天理市。この長閑な街で建設が進められている巨大ゴミ処理場が今、地域住民の間で物議を醸している。処理場の建設は昨夏から始まったが、それに伴い、土地の「契約」を巡る問題がにわかに注目を集めるようになったのだ。

「ゴミ処理場は約2万6000㎡の土地に建設されていますが、その土地を所有しているのは『天理教本部』。そして何と、天理市は天理教と『60年賃貸』という異例の契約を結んでいるのです」

そう語るのは、奈良県大和高田市の森本尚順市議だ。処理場は10市町村による「山辺・県北西部広域環境衛生組合」によって管理されており、天理市や大和高田市も含まれている。森本市議が続ける。

「問題なのは、その賃料です。資料によると、当該の土地の評価額は約4億6000万円。しかし天理市は、賃料として年間約2300万円、60年の総額で約14億円を支払う予定なのです。契約期間は’17年から’77年まで。単純計算で、購入するよりも約3倍のカネがかかることになる。天理教の土地ありきで話が進められていたとしか思えません」

しかも、賃料は利率5%という天理教側の言い値で決まったという。天理市内の町内会で幹部を務める男性もこう憤る。

「天理市から説明会は開かれましたが、具体的な賃料についての説明はありませんでした。60年契約で総額14億円? そんなん全然聞いてません。今さら反対しても仕方ないけど、住民たちは納得というより強制に近い感覚です」

天理市にもともとあったゴミ処理場の老朽化に伴い、’15年頃から新たな土地を探し始め、’17年にようやく契約までこぎつけたとされる。購入ができないにもかかわらず、なぜ、わざわざこの土地にしたのか。本誌が天理市に取材をすると、並河健市長自らが電話でこう語った。

「この土地はすでに整備がなされていたため、本来なら億単位も費用がかかる造成・接道工事をやる必要がなかった。しかも高速のインターから近いため、パッカー車(ゴミ収集車)が住居をまったく通らずに行ける場所なのです。広域組合に参加している他の市町村にしても、天理市が借りられる土地を見つけたことを前提に参加してくれました」

当初から「土地は借りる」と言っていたと強調した並河市長。だが、市長には地元で囁かれるこんな”噂”もある。並河市長自身が天理教の信者なのではないか、というものだ。それをぶつけると、次のように語った。

「天理で政治の世界を目指すにあたって天理教の教会には所属しています。ただし、それを言うなら奈良県知事も、(地元の)自民党の国会議員も全員、所属されています。これは東京とこっちの感覚は全然違うので。私がどこの信仰を持っていようと本件にはいささかの関係もありません。そもそも、天理教本部としては嬉しい話ではないんです。ゴミ処理施設ができれば、この一帯の資産価値は下がってしまう訳ですから。天理教は『地元が言うんだったら仕方ないから貸してやる』ということから始まっているんです」

そして、今になって批判が出ていることについては、こう怒りを滲ませた。

「奈良県の荒井正吾知事に対し、コロナ対策を巡って私がいろいろ意見を言ったため、その報復ではないでしょうか。急に(賃貸契約について)言われ始めたのは、何か作為的な意図があると思えなくはない」

まさかの知事批判まで飛び出したゴミ処理場契約問題。なかなかに根は深そうだが、市民からすれば、「購入して安く済ませてほしい」というのが本音だろう。

工事車両の出入り口には、「天理教所有地」の看板が。市長によると、周辺地域一帯が天理教の所有だという
工事車両の出入り口には、「天理教所有地」の看板が。市長によると、周辺地域一帯が天理教の所有だという

『FRIDAY』2023年3月31日・4月7日号より

  • PHOTO加藤 慶

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