「ホテル検索比較サイト」だけで、ホテルを決めてはいけない理由 | FRIDAYデジタル

「ホテル検索比較サイト」だけで、ホテルを決めてはいけない理由

国内外のホテル・旅館選び、本当に“お得”な予約方法は?

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最近、しきりにテレビで、“トリバゴ”や“トラベルコ”などの「ホテル検索比較サイト」のコマーシャルが流れている。まったく同じ条件で安く泊まれるなら、それに越したことはないが、果たして……? 業界向けメディア「日刊トラベルビジョン」の松本裕一さんに話を聞いてみた。

そもそも、「ホテル検索比較サイト」とは?

宿泊施設に予約を入れるサイトとしては、海外資本系のエクスペディアやBooking.com、日本系のJTBや、楽天トラベル、じゃらんnet、一休.comなどの「宿泊予約サイト」と、宿泊施設が独自に開設している「公式サイト」がある。そして、それらの情報をまとめ比較するのが、トリバゴやトラベルコなどの「ホテル検索比較サイト」だ。

単純に旅行先の宿泊施設を探したいと思うなら、これらの「ホテル検索比較サイト」を利用するのが、いちばん近道のように思えるのだが…。しかし、よく見てみると、その裏に潜む”4つの落とし穴”がみえてきた。

1_まったく同じ条件で、価格を比較しているわけではない

「価格だけを比較するなら、こうした検索サイトは便利だと思います。ただ、『ホテル検索比較サイト』の情報の仕入れ先はいろいろです。一つだけを見るのではなく、時間があれば、いくつか見てみると発見があるかもしれません」(松本さん 以下同)

実際検索し、ホテルの詳細を確認してみると、比較表示されている部屋のタイプが、「宿泊予約サイト」ごとに、バラバラなのが分かるはずだ。これじゃ本当の意味での“比較”とは言えない。出張のような“できるだけ安く”というときには有効だけれど、ホテルの部屋にもこだわりたいときは、かえって複雑に感じることも。

「日本の旅館の場合、料理の内容や部屋のタイプによって、さまざまなプランが設けられています。日本系の『宿泊予約サイト』のほうが、部屋の広さや料理の内容が細分化されている傾向があります。好みに合わせて使い分けるといいでしょう」

2_安い!と思って予約ボタンをクリックしたら、「返金不可」の表示が。  “安さのワケ”は、「キャンセル不可」だった

「ホテル検索比較サイト」で泊まりたい宿泊施設をある程度絞り込んだら、次に、「宿泊予約サイト」に移動してプランの詳細をチェックしよう。このとき、キャンセル条件を確認することもお忘れなく。安く販売されているものの中には、「キャンセル不可」となっているものもあるので要注意。だが、躊躇している間に埋まってしまうこともあるので、予定が変更になる可能性がある場合は少し高くても「キャンセル料無料」のプランを予約し、予定が確定したら「キャンセル不可」のお得なプランに変更するのも手だ。

クリックひとつで、世界中のホテルの予約ができる便利な時代だけど、それは、クリックひとつで、“契約が成立”しているってコト。「キャンセル不可」を見落としていたばっかりに、予定が変更になって全額負担に…、というのはよく聞く話だ。気をつけたい。

また、支払い方法も予約サイトやプランによってさまざま。予約を入れた段階でクレジットカードに課金される場合と、現地払いでOKのケースがある。「キャンセル可能」であれば、先にクレジットカードに課金されていても戻ってくるが、それが不安なら、現地払いを選んだほうがいいだろう。

3_ホテルの「公式サイト」のお得な“会員向け価格”は、比較検索の対象外だった!

ホテルの「公式サイト」がある場合は、そこもチェックしたい。一般的に「宿泊予約サイト」から予約した場合、ホテル側から「宿泊予約サイト」に1~2割ほどの手数料が支払われる。当然ホテル側としては、独自に運営している「公式サイト」から予約を入れてもらったほうがいいわけだ。そんなわけで、割引率はサイトによってさまざまだが、“会員向けの割引料金”が設定されている「公式サイト」も多い。しかも、この“会員向けの割引料金”は、「ホテル検索比較サイト」では、検索表示されない。そのほかにも、料金がほぼ同じ場合でも、「公式サイト」から予約を入れたほうがメリットが多いことがある。

「同じような価格でも、部屋が広いとか、アーリーチェックインが可能など、サービス面で違ってくることがあります」

大手ホテルチェーンのようにホテルの会員システムがあれば、ぜひ加入したい。利用するごとにポイントが加算されて、どんどん特典が増えていく。「今回しか利用しないかもしれない」という人でも、メリットがある会員特典はいろいろある。たとえばヒルトンホテルの会員(ヒルトン・オーナーズ)になれば、WiFi無料などの特典、東急ホテルズの場合は、宿泊料金が10~50%割引になるほか、優先的に予約を入れられたりもする。入会金や年会費が無料のところも多いのでぜひ利用したい。

4_宿泊代+エアチケットの「ダイナミックパッケージ」。それぞれ別に予約するよりもお得な場合も。 しかも、“安心感”もついてくる!

「ダイナミックパッケージ」とは、交通手段やホテル、オプショナルツアーなどを自分で選んで組み合わせるタイプのもので、自由度が高く、自分で航空券やホテルを別々に手配するより割安になることも多い。こうしたツアーの場合、旅行会社がついている安心感も大きいという。 

「海外旅行でトラブルがあったときに日本語でのサポートを希望したい、という人にも、旅行会社のパッケージツアーがおすすめです。最近は、個人旅行感覚で旅のプランを作れる『ダイナミックパッケージ』といわれるものが増えてきているので、それを利用するのも、一つの方法だと思います。

『ダイナミックパッケージ』は、日本では原則として募集型企画旅行に分類されます。募集型企画旅行では、旅行の旅程保証など利用者をケアするための仕組みがいろいろ決められています。安心を買うなら、『ダイナミックパッケージ』を含む、旅行会社のサービスを検討する価値があると思います」

気をつけなくてはならないのは、「ダイナミックパッケージ」を募集型企画旅行に分類しているのは、あくまでも日本国内のルールだということ。本社が海外にある旅行会社の場合、「ダイナミックパッケージ」と謳っていても、募集型企画旅行ではなく、旅程保証がないこともある。

「日本の旅行会社の場合は、ほぼ安心していいと思います」

10連休になる今年のゴールデンウイーク。旅行の計画を立てている人も多いと思うが、「すでにヨーロッパ方面は予約状況がかなりタイトになってきています。行きたいところ、泊まりたいホテルなどがあれば、予約は早ければ早いほどいいでしょう」楽しい旅を実現するためにも、宿泊施設は慎重に選びたい。

トラベルビジョン 6万人以上の愛読者がいるメールマガジン「日刊トラベルビジョン」を中心に、デジタル媒体、セミナー開催など、さまざまな手法で旅行業界のプロに向けて情報を発信。ウェブサイトの訪問者数は業界専門メディアで最多。

  • 取材・文中川いづみ写真アフロ

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