ビートたけし監督の映画『首』が「お蔵入り」から一転「今秋公開へ!」狙うはベネチア映画祭の意気込み | FRIDAYデジタル

ビートたけし監督の映画『首』が「お蔵入り」から一転「今秋公開へ!」狙うはベネチア映画祭の意気込み

たけし事務所、KADOKAWAも否定せず…

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製作費が10億円以上ともいわれる大作映画『首』。北野武監督はどんな作品を見せてくれるのか…
製作費が10億円以上ともいわれる大作映画『首』。北野武監督はどんな作品を見せてくれるのか…

世界の巨匠、北野武監督(ビートたけし)の映画最新作をめぐり、新たな動きがありました――。

すでに2年半前にクランクアップし、公開に向けて編集作業が進んでいる最中に、進行ストップ。その内幕を昨年夏、デイリー新潮が『ビートたけし“最後の映画”がお蔵入りになっていた 契約を巡りKADOKAWAと対立し、現在も公開されず』と報じました。

ビートたけしの小説を原作に、自らメガホンを取った映画『首』。俳優の西島秀俊主演という大作で、公開に向けて関係者が歩み寄ったようです。

「今年になって、たけしさんサイドとKADOKAWA側が新たに契約を締結し、つい先日、関係者向けの試写が映画会社の試写室で行われたと聞きました。まだ〝0号試写〟の段階ですから、これからまた手を加えたりするのでしょうが、今年8月末から9月にかけて開催されるベネチア国際映画祭に正式出品することを狙っているという話です。今秋の公開をめざしているようです」(映画関係者)

クランクアップから3年近く配給が伸びてしまった背景には、KADOKAWA側とたけしサイドの〝行き違い〟があったと伝えられています。KADOKAWAを中心に数社からの出資を受けて製作費を捻出する予定でした。

「それに加えて、ネットフリックスの出資を仰ぎ、その代わり動画配信の権利をネトフリが持つ、という契約が後々浮上したそうです。ただ、その話をたけしさん本人が聞いていなかったため、暗礁に乗り上げてしまったと聞きました」(スポーツ紙記者)

さらに悪いことが続き、雲行きはさらに怪しくなりました。

昨年9月、東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐる贈収賄事件で、KADOKAWA作品の命運を握る角川歴彦会長が、東京地検特捜部に贈賄の疑いで逮捕されてしまったからです。

「東京地検特捜部に起訴された10月の時点で、会長職を辞任しました。その後も取締役は続けていましたが、11月4日付けで取締役も辞任し、株主として以外はKADOKAWAの経営に口を出せなくなりました。

年末年始、はっきりした日時は特定できませんでしたが、KADOKAWAの幹部がたけしさんの元を訪れ、経緯を説明。それをたけしさんが受け入れ、再び動き出すことになったそうです」(前出・スポーツ紙記者)

試写を見た北野監督は、照れ隠しか、「面白くねぇな」と周囲に漏らしていたそうです。とは言え、公開日程が見えてきたこと、さらにはベネチア映画祭への正式出品という舞台が整いつつあることに、北野監督も安堵しているといいます。

ベネチア国際映画祭は〝世界の北野〟が確立された映画祭で、’97年9月6日、たけしが監督・脚本・主演を務めた『HANA-BI』が第54回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門でグランプリ(金獅子賞)に輝きました。

「帰国会見が成田空港の狭い会議室のような会見場で行われました。その席上で、いろんなことに感謝し、かつてたけし軍団を連れて殴り込んだFRIDAY編集部とも和解したい、と話していたことをよく覚えています」(女性誌記者)

当時、北野監督は50歳。あれから四半世紀が経ち、今も日本のエンタメ業界に先頭ランナーとして立ち続ける北野監督が、果たしてどんな『首』で現在地を示すのでしょうか。

所属事務所のホームページにあるブログには、1月5日付で

《今年は映画の編集作業を再開。ご期待ください》

と映画公開への決意を述べています。そこで北野監督の事務所に『首』の今秋公開予定や試写会への出席などについて事実確認をすると、

「映画『首』についてですが、KADOKAWA様にお聞きいただきたく存じます」

と否定せず。KADOKAWA側にも同様の質問をしたところ、

「頂戴したご質問に関しては、返答を控えさせていただきます。ご理解くださいますようお願い申し上げます」

とのことでした。

公開も楽しみですし、その前、ベネチア国際映画祭が北野映画をどのように迎えるのか。今年の映画業界にひとつ、刺激的なニュースになることは確かなようです――。

  • 取材・文ワタベワタル

    夕刊紙文化部デスク、出版社編集部員、コピーライターなどを経てフリーランスのエンタメライターとして活動。取材対象は、映画、演劇、演芸、音楽など芸能全般。タレント本などのゴーストライターとして覆面執筆もしている

  • PHOTO山田 宏次朗

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