「捕獲はさらに困難になった」5年目に入った「OSO18」被害 役場関係者が明かす“衝撃の新説” | FRIDAYデジタル

「捕獲はさらに困難になった」5年目に入った「OSO18」被害 役場関係者が明かす“衝撃の新説”

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’19年8月に撮影されたOSO18と思われる個体。長年にわたり捕獲作戦が行われているが、すべて失敗に終わっている
’19年8月に撮影されたOSO18と思われる個体。長年にわたり捕獲作戦が行われているが、すべて失敗に終わっている

北海道で多数の乳牛を襲い、地元住民を恐怖に陥れているヒグマ「OSO18」。令和元年から被害が確認されはじめ、今年で5年目を迎えた。今まで捕獲作戦が進められているが、未だはっきりした姿さえ捉えられていない。

ヒグマは2月末には冬眠から目覚める時期とされ、今年も被害拡大が懸念されている。被害の続く北海道南東部の厚岸町役場によると、今年度は農家を除いた町営牧場だけで電気柵の設置など500万円以上の対策費が想定されるという。

「JRの鉄道沿いや国道沿いで、すでにクマの目撃情報が入ってきています。冬眠から目覚めて、まず餌を探し求めるはずなので、私たちも2月に入ってからは雪が降った後に足跡が残ってないか、捜索活動を行いました。しかし、痕跡は見つかっていません。今年は電気柵を延長したり、専門家の意見を聞いて、通りそうなところに罠を設置したいと考えています。足跡などでOSO18がどこに行ったか目処がつけば、追いかけて捕まえることができますが、いまだに有力な手がかりはありません」

そんな中で、現地では新たな可能性に目が向けられているという。今までOSO18は、その名の由来となった「18cmの足跡の幅」が示すように、他のヒグマとは比較にならない巨体グマとされてきた。しかし、その定説は覆りつつあるという。厚岸町役場の担当者が続ける。

「400㎏の『化け物』だとか『殺りくグマ』のような表現がされていますが、実際は普通のヒグマとそんなに変わらない大きさだと思われます。昨年の被害から専門家が現場検証していますが、OSO18の前足の幅は16cm程度という見解が出ています。歩行する中で後ろ足が前足の跡の上に重なり、足跡が大きく見えてしまうのはよくあることだそうです。このため、最初に計測した18cmという足跡の大きさにとらわれてしまったのでしょう。現在では一般的なサイズのヒグマだという前提の上で、対策を行っています」

’22年7月に撮影されたOSO18。警戒心が強く滅多に姿を見せないことから、現地では「忍者グマ」と呼ばれている
’22年7月に撮影されたOSO18。警戒心が強く滅多に姿を見せないことから、現地では「忍者グマ」と呼ばれている

実際に同町で今年1月末に開かれた酪農家向けの説明会では、鼻先から尾の付け根までの長さで測る体長は約2m、体重220kg~320kgほどとの見方が示された。しかし普通の大きさのクマだったとしても安心はできない。OSO18が少なくとも65頭の牛を襲ってきたという事実に変わりはない。むしろ足跡などの特徴が目立たなくなり、追跡が困難になることも意味するのだ。

「私の記憶する限り、町内で家畜を襲うヒグマが出たのはOSO18が初めてです。たとえ大きさが一般的だったとしても、特異的な個体であることに変わりはない。地域の皆さんに安心して生活していただくために、捕獲に力を注いでいくしかありません」(厚岸町林政係)

同じく甚大な被害が出ている標茶町の担当者も、地道に痕跡を探す事が重要だと言う。

「今年に入り目撃情報があるにはあるが、違うクマと考えられるもので、有力な情報は得られていません。OSO18がどういう行動をするのかを把握して、経路の分析結果から、今年もトラップを仕掛ける予定です。足跡だけではDNA鑑定はできないので、ヒグマの習性で木に立ち上がって背をこすった時に、巻きつけた有刺鉄線に毛が残るような仕掛けです」

これまでの被害は、7月~9月の夏頃に集中している。その脅威が本格化するまでに解決することが望まれているが、果たして……。

  • PHOTO標茶町役場

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