さとう珠緒「プンプン」インタビュー「50歳になった私が令和の『あざとい女子』に思うこと」 | FRIDAYデジタル

さとう珠緒「プンプン」インタビュー「50歳になった私が令和の『あざとい女子』に思うこと」

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元祖ぶりっ子タレント
「田中みな実さんには度肝を抜かれましたね……」

代名詞である「プンプン」ポーズを披露。求められるキャラに徹してきた経験が今につながっていると語った
代名詞である「プンプン」ポーズを披露。求められるキャラに徹してきた経験が今につながっていると語った

プンプンは突然生まれた

「私の中で『ぶりっ子』は素直で、ハートで訴えること。『あざとい』は、賢くて少しズルいイメージ(笑)。ぶりっ子のほうが自然体でカワイイんじゃないかな」

「元祖ぶりっ子タレント」さとう珠緒も、今年1月で50歳になった。デビュー年は本人も「よく覚えていない(笑)」というが、芸歴は35年を超える。

生き馬の目を抜く芸能界で、ただでさえ女性タレントは息が短いと言われる。そんななかで彼女は、いかにして厳しい業界を生き残ってきたのか。平成から令和に時代は移り、「あざとい女子」と呼ばれるタレントも多数出現。かつて「女が嫌いな女」と言われたさとうは、そんな流れをどう感じているのか。

20年以上にわたり続けてきたライフワークとも言える「競馬番組」の仕事を終えたさとうに、大井競馬場(品川区)で話を聞いた。

「もともと芸能界に入ったのは、私が専門学校を卒業した頃がちょうど就職氷河期だったからなんです。何かやりたいことがあったわけではなく、本当になんとなく入った。求められることを一生懸命やってきて、気がつけば35年以上。ホント早いものですね」

相変わらずのチャーミングな口調でそう語るさとうだが、芸能界入り後しばらくは、まったく仕事がない時期が続いたという。さとう自身、遅刻の常習犯で、プロ意識に欠けていたと当時を振り返る。

「ドラマの撮影に1時間遅刻したり、とにかくどこをとってもダメ人間でした」

だが、’95年に『超力戦隊オーレンジャー』(テレビ朝日系)のヒロインに抜擢され、意識が変わった。撮影スタッフ達の熱量に触れたことで、さとうのスイッチが入ったのだ。その後、競馬番組のアシスタント、グラビア、ミニスカポリスなどを経て、露出は爆発的に増えていく。全盛期の’05年には、年間で171本ものバラエティ番組に出演した。

「でも実は、当時も今もバラエティ番組は大の苦手なんです。昔のバラエティは、ひな壇の女性タレントの立ち位置がすごく難しかった。面白いことを狙って話すのも違う、笑顔で置物のように座っているだけでは物足りない。でも、当然芸人さんみたいな瞬発力もないわけです。番組のスタッフさんに『ギャラ泥棒』と罵られたこともあります(笑)。毎回収録終わりはダメな自分に落ち込み、悩みながら家に帰っていましたね」

そんな状況を打破すべく生まれたのが、「ぶりっ子キャラ」だった。両手を頭に添えた「プンプン」ポーズを取り、女性に嫌われる役に徹することで、現場を循環させた。

「自分のことをぶりっ子だと思ったことは一度もないんです。『プンプン』も、出演したある舞台で演出さんが指導してくれたもの。それをバラエティで突発的に出したら、『ぶりっ子』と言われて、ツッコミが飛び交った。女性が怒り、男性がフォローする、という一連の流れがパターン化されてからはずいぶん楽になりました。モト冬樹さん(71)とは、とてもやりやすかったですね(笑)。ただ裏では、ぶりっ子ってどんな動作をするんだろうと、悩みに悩んでいました」

さとう以来、小倉優子(39)や嗣永(つぐなが)桃子(31)など「ぶりっ子キャラ」は続々と生まれた。そして、さとうが作り上げた「ぶりっ子キャラ」は徐々に進化し、現代では田中みな実(36)や弘中綾香(32)に代表されるような「あざとい女子」が注目を集めるようになった。

「私の場合、『ぶりっ子』を求められているからやり切るという感じでした。田中みな実さんとは番組で何度か共演しましたが、彼女もアナウンサー時代からやらされていたというか、当時は会社員ですからディレクターさんの指示でやっていたのでは、と感じています」

競馬番組への出演をきっかけに、自身も競馬好きになったと語る。本誌記者に馬券選びのコツも教えてくれた
競馬番組への出演をきっかけに、自身も競馬好きになったと語る。本誌記者に馬券選びのコツも教えてくれた

「引退発表はしません」

男性だけでなく、女性からの支持も高いことが現代の「あざとい女子」の特徴だ。そこは田中みな実の功績が大きい、とさとうは続ける。

「みな実さんとプライベートで付き合いがあるわけではありませんが、番組や世間に求められていることを察してやり切った上で、それをさらに進化させたのが彼女のすごいところだと思います。私とはストイックさが全然違う。みな実さんはとにかく努力家で、頭の回転も早いので、世の女性のニーズを的確に理解して、そこにアプローチしていく。あざとさの中にもカッコよさがあるからこそ、同性にも支持されるんだと思います」

ブレイク中、さとうは遊ぶ時間すらなかったという。当時の多忙ぶりを彼女は「意識の中に大きなクマがいて、たまに話しかけてくるほど追い詰められていた」と独特の表現で振り返った。

その後、金銭を巡る事務所との裁判(’15年にさとうが勝訴)などもあったが、今は落ち着いて仕事ができているとさとうは言う。

「もしあのペースで仕事を続けていれば潰れていたと思う。絶対無理でした。当時はお給料制でそんなに稼いでいなかったし、そもそもお金を使う暇もなかった。中村玉緒さん(83)から『もっと遊ばないと』と言われたくらいです。ただ、それで羽目を外さず普通の感覚を保てた面もある。あの経験があったから、いまがあるんだと思います」

肩の力を抜き、無理をせず日々を楽しむ。独身生活を謳歌するさとうは、愛犬と散歩に行くのが人生の楽しみだという。

「よく5年後10年後の目標は? と聞かれますけど、私には特にないんです。20~30代は訳が分からないくらい仕事をして、その結果ほとんど当時の記憶がない。この間、藤崎奈々子ちゃん(45)と会ったんですが、お互い『まったく覚えてないね』と話したくらい(笑)。今は愛犬とも向き合え、人間らしい生活を取り戻せた。ちなみに芸能界引退を考えたこともないし、するとしてもひっそり辞めると思います。私なんかが、引退発表とかおこがましいですよ」

インタビューの最後に、お約束の「プンプン」ポーズも披露してくれた。芸能界の荒波を乗り越えてきた50歳のプンプンは、以前よりも一層活き活きと映った。

『オーレンジャー』でブレイクしたさとうは本誌のグラビアにもたびたび登場。写真は’96年、22歳頃のもの
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本誌未掲載カット さとう珠緒 50歳になった私が令和の「あざとい女子」に思うこと
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本誌未掲載カット さとう珠緒 50歳になった私が令和の「あざとい女子」に思うこと
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本人のインスタグラムより
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『FRIDAY』2023年4月14日号より

  • PHOTO濱﨑慎治 鬼怒川 毅(2枚目)

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