年5作放送される枠も! テレビ局が躍起になって「ドラマ」の本数を増やしている理由 | FRIDAYデジタル

年5作放送される枠も! テレビ局が躍起になって「ドラマ」の本数を増やしている理由

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テレ朝が日曜夜10時台に新設するドラマ枠の第1作は清野菜名主演の『日曜の夜ぐらいは…』。岸井ゆきの(31)に生見愛瑠(ぬくみめる)(21)と共演者も豪華だ
テレ朝が日曜夜10時台に新設するドラマ枠の第1作は清野菜名主演の『日曜の夜ぐらいは…』。岸井ゆきの(31)に生見愛瑠(ぬくみめる)(21)と共演者も豪華だ

今春からフジテレビ系列のカンテレ(関西テレビ放送)が火曜夜11時台に30分間の連続ドラマ枠『火ドラ★イレブン』を新設することを発表した。

「テレビ朝日系列でも日曜夜10時台にドラマ枠を新設。第1弾の主演が清野菜名(28)。脚本を朝ドラ『ひよっこ』などで知られる岡田惠和(よしかず)(64)が手がけたりと、力が入っています」(広告代理店関係者)

見逃し配信や動画配信サービスの定着もあって、各局はマネタイズしやすいドラマに注力。令和に入ってから、ドラマ枠の増加が止まらない。

「テレ朝は火曜夜9時台の枠を使って、1年間ぶっ通しでドラマを放送するのだそうです。通常4クールのところ、改変期の特番を休止して5クール放送するというわけです。テレビ局だけでなく、動画配信サイトもオリジナルドラマの制作に力を入れているので、人気俳優はスケジュールの争奪戦になっていますよ」(制作会社ディレクター)

俳優が多く所属する芸能事務所にとっては、いい流れである。

「かつて、ドラマのメインキャストは実績あるベテラン俳優じゃないと務まらなかった。コア視聴率(13〜49歳男女の視聴率)がヒットの指標となった現在は、ドラマの出演者はかなり若返りました。深夜帯や配信の作品だと、新人にもチャンスが巡ってくる。以前は売り込みのために、新人と若手はバラエティ番組や情報番組に出す必要があった。ただ、それだと本人のプライベートな話題をネタにする必要も出てくるので、正直、デメリットもある。いまでは、純粋に俳優としての実力があれば声がかかるようになった。健全ですよ」(芸能プロ幹部)

実験的な作品や質の高い作品が増えたこともドラマ枠増加の恩恵だ。

「昨年、大ヒットした『silent』(フジテレビ系)は、ふだんは映画制作をしているスタッフを起用していました。丁寧に作り上げた作品が増えてきていますね」(キー局プロデューサー)

もちろん、いいことばかりではない。

「お金をかけた作品と、アイドルなどファン狙いの作品の二極化が進んでいるのです。たとえば、深夜帯のアイドル主演ドラマは主役級でもギャラが安い。豪華なセットは使えずロケが中心になり、ドラマ以外の部署からスタッフを集めたりするので、現場はドタバタ。皆、疲労困憊です」(前出・芸能プロ幹部)

作品が増えすぎて、埋もれてしまうドラマが出てくるのも難点だ。

「作品自体が面白ければ、放送が終了しても配信サイトで話題になったりするのでいいのですが……。数が増えすぎるとプロモーションも一苦労です。『週刊ザテレビジョン』が休刊になるなど、積極的に取り上げてくれる専門誌は減る一方ですしね」(キー局宣伝担当者)

また、「配信で再生回数を稼いでも、還元されることはあまりない」と前出の芸能プロ幹部は嘆く。

「芸能事務所が制作にも関わっている場合は別ですが、基本的に再生回数に応じたインセンティブは俳優や現場マネージャーなどのスタッフには反映されません。DVDなどいわゆる”円盤”はヒットすれば還元されるのですが……。配信で儲かるのは、現状テレビ局だけです」

躍起になって枠を増やすわけである。

『FRIDAY』2023年4月21・28日合併号より

  • PHOTO坂本信二

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